「Re:quaL≡」2022年秋冬コレクション
「Re:quaL≡」2022年秋冬コレクション
Image by: FASHIONSNAP(Ippei Saito)

Fashion注目コレクション

ポロ、マルボロ、ニューバランス フェイクモチーフ&経年加工に込めたリコール流の「新しさ」

 ショー会場となったのは、古い町並みと石畳が特徴的な都内スタジオの一角。40メートル程の通りには、風呂敷を広げてジャンク品を売る人物もちらほらいる。デザイナーの土居哲也は、今季のコレクションについて「スペインで出会った雑多なフリーマーケットの光景にインスピレーションを得た。そこに陳列されていた『エルメス(Hermes)』のカレ(スカーフ)や『ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)』のモノグラムのバッグは、ブティックのガラス越しに見るよりも、うんと輝いて魅力的に見えた」と説明。古着を再構築して、新しい価値を持たせた「リコール(RequaL≡)」流の“フェイクマーケット”をオープンした。

「Re:quaL≡」2022年秋冬コレクション Image by FASHIONSNAP(Ippei Saito)
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Image by: FASHIONSNAP(Ippei Saito)
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 古着を用いたアイテムは、モダンにアップサイクルされる分けではなく、アタリやほつれ、毛玉などの二次加工で、さらに古さを加速させたようなアプローチがユニークだ。

 クラッシュ加工のニットや、表地だけが脱げる仕掛けのテーラードジャケット、ミリタリージャケット素材のプルオーバー、シャツを巧みにドッキングしたアイテムは、どれも自由で実験的。

 ぬいぐるみがウェア兼ティッシュカバーになっていたり、セーターが帽子になっていたりなど、固定概念を打破するようなデザインも目を引く。

 仕上げには、ポロ騎手が落馬したような刺繍、「THE FAKE FACE」のロゴプリント、マルボロ風の「リコール」バッグなどの、手の込んだ装飾もプラス。「偽物は本物以上の可能性を秘めているかもしれない」という視点から、フェイクモチーフでキャッチ―な捻りを効かせた。

 さらにブランド初となるコラボレーションで、コレクションは広がりを見せる。東レとは、高機能・非動物性のスエード調人工皮革「ウルトラスエード(Ultrasuede)」を用いたMA-1やスイングトップなどが登場。

 飼い主の服を愛犬用にリメイクする「フラッフィーテーラー(FLAFFY TAYLOR)」とは、人間の懐に犬が入り込めるフーディや、ヴィンテージのラグを用いたペアルックのウェアなどを制作した。

 さらにブランドタグには、服飾資材メーカー「シンド―(SHINDO)」の在庫として余ったリボンや廃盤のテープなどを再利用。全て同じデザインが当たり前のタグも、従来とは異なるアプローチで制作した。

 数多く登場した“●●風モチーフ”は、版権問題が気になるが、土居は「正直、ショーに登場したピースは販売できるか分からない。これから各企業にコラボレーションとして投げかけるかたちで商品化できたら」と補足した。

村上杏理(Anri Murakami)
記者

大学で日本美術史を専攻し、2009年にINFASパブリケーションズ入社。WWDジャパンやFashion Newsの編集・記者として、東京のファッション・ウイークやセレクトショップ、ファッションビル、販売員取材などを担当。16年からフリーランスで、ファッションを軸にライフスタイル、アートの記事執筆・カタログなどを手掛ける。

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