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メーキャップの仕草まで美しく 「ルージュ・エルメス」制作秘話をクリエイティブ・ディレクターが語る

Image by FASHIONSNAP.COM
Image by: FASHIONSNAP.COM

 「エルメス(HERMÈS)」から今年3月に16番目のメチエとして誕生したビューティラインのリップ「ルージュ・エルメス」。世界でも限られた店舗での展開、かつ新型コロナウイルスの流行に伴うステイホームやマスク着用の常態化によりメイクの需要が変化する中で販売を開始したが、予想を上回る売れ行きだという。ビューティ部門のクリエイティブ・ディレクター ジェローム・トゥロンは、ルージュ・エルメスを「メゾンの"美のコンセプト"を体現したもの」と表現。世界中のメゾンのファンやコスメフリークたちを惹きつけるルージュ・エルメスの魅力とは?都内で開かれた発表会に、フランスからの中継で出席したジェロームが語った想いとともに紐解く。

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 ビューティラインにはジェロームのほか、アーティスティック・ディレクターのピエール=アレクシィ・ デュマ、シューズ/ジュエリー部門のクリエイティブ・ディレクター ピエール・アルディ、香水のクリエイション・ディレクター クリスティーヌ・ナジェルといったメゾンの中で重要なポジションに従事するクリエイターらが参加。商品化に至るまで約5年という年月を費やしたことについてジェロームは「私たちはこれまで、ひとつひとつの商品に対してじっくりと時間をかけることで細部までこだわり抜いたものを世に生み出してきました。なのでルージュ・エルメスに関しても急いで商品化する必要はなく、各要素をじっくり考え、作り込むことができたのです」と振り返る。

 さらにジェロームはメゾンが考える美についてこう語った。「私たちが考える美とは『内と外の調和』。私たちが生み出すプロダクトは、個々が持つパーソナリティの魅力を引き出し、外見の美とのコンビネーションで個性をより輝かせるものなのです」。デビューコレクションになぜリップを選んだのかの答えは「リップは唇に塗る一瞬の仕草によって使う人の内面の美しさまで引き出すことができる」から。また、片手に収まるサイズのリップというオブジェの中にメゾンの哲学や技術を凝縮することで、「私たちが詰め込んだこだわりをひとつずつ発見し、楽しんでもらう」ためだと話した。

カラーシェードの参考となったレザーの例 Image by FASHIONSNAP.COM
カラーシェードの参考となったレザーの例 Image by FASHIONSNAP.COM

 ルージュ・エルメスの質感はマットとサテンの2種類があり、マットはエルメスのスエード素材ヴォー・ドブリスの質感をイメージし、サテンでは牛革のボックスカーフからインスピレーションを得ている。エンブレム・コレクションのカラーラインナップはマットが10色、サテンが14色の合計24色。この数字はパリのフォーブル・サントノーレ店の番地と同じで、メゾンが歴史を語る上で欠かせないものだ。

 「色を決める過程は、色彩から色彩への旅のようなものでした」。ジェロームは、メゾン独自の7万5000色におよぶシルクの色見本と、900色のレザーの色見本から選んだ色を、マットやサテンの質感に落とし込んでいく作業を繰り返したという。中でも真っ先に決まったのは、メゾンのシグネチャーカラーとして親しまれている深みのあるレッド「ルージュ H(Rouge H)」や、1942年に誕生したオレンジボックスのカラー「オランジュ・ボワット(Orange Boîte)」、アイコンバッグのひとつ「ケリー」の代表色で微かにブルーを帯びたレッド「ルージュ・カザック(Rouge Casaque)」。いずれもエンブレム・コレクションに欠かせないカラーとなっている。

エンブレム・コレクション全色 Image by FASHIONSNAP.COM
エンブレム・コレクション全色 Image by FASHIONSNAP.COM

 リップの芯には、「ラグーナの庭」や「ギャロップ・ドゥ・エルメス」を手掛けたクリスティーヌ・ナジェルが調香した香りが施されている。香料はサンダルウッドやアルニカ、アンジェリカフラワーといった植物性のものからセレクト。外見だけではなく使用中の高揚感も演出する。

 ケースにも美に対するフィロソフィーを詰め込んでおり、ホワイト、ブラック、ゴールドというベーシックなカラーをつや消しのメタルと漆を用いて配色したほか、ケース上部にはエクスリブリス(蔵書印)のモチーフを刻印。キャップはマグネットタイプで、独自の構造により閉じる際のカチッという音も心地よく感じるように意識している。中身を詰め替えできる仕様で、長期間使用できるように耐久性のある金属をメインに使い、プラスチックは最小限に抑えた。

 「ルージュ・エルメスはオブジェ、素材、色彩など、五感すべてから個性を際立たせる要素を込めました。ルージュのバリエーションは多彩で、レッドだけでもブルーを帯びたルージュ・ブルー、オレンジを加えたルージュ・オランジュなど様々です。普段使うようなナチュラルなカラーを選ぶのも勿論良いですし、『あれっ』とサプライズのある色に挑戦してみるのもメイクの醍醐味だと思います」(ジェローム)。

 また、この秋の限定色として、ローズをテーマにした限定色3色を9月から販売。11月15日には細やかなステッチや縁どめ加工を施した「レザーケース・コレクション」と、初のホリデーアイテムでとしてエンブレム・コレクション24色が揃い、特別なサイズのオレンジボックスに入った「ピアノ 24色」の発売を控えている。

■ルージュ・エルメス:公式サイト

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