平田典之
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Fashionセールスの仕事

【セールスの仕事】vol.2:フリーランスセールス平田典之

平田典之 Image by FASHIONSNAP.COM
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 国内外の百貨店やセレクトショップといった店舗のバイヤーに営業を行い、ブランドのビジネス拡大の一旦を担うセールス(営業)という職種。ブランド規模が大きければ、社内で営業担当者を雇うことができるが、中小規模のデザイナーズブランドは外部のセールスエージェントに委託することが一般的だ。

 本企画ではそんなブランドの実売に繋げる重要な役割を果たす、セールスエージェンシー・フリーランスセールスを紹介。卸から直売(D2C)へ、ファッションのビジネスモデルが移行していく中、国内のトップセールス達は今何を思うのか?第2回はフリーランスセールスの平田典之。

平田典之:フリーランスセールス
大学を卒業後、渡仏してショールームロメオに3年間勤務。帰国後「08サーカス」で営業を担当し、2011年に独立。「ミュベール」「ウィーウィル」「ヨシオクボ」をはじめとするブランドの国内・海外のセールス&コンサルティングに携わる。

一般的なセールスの業務とは?
百貨店やセレクトショップなど、小売業者に商品を取り扱ってもらうために営業活動を行うことが主なミッション。具体的な業務にはセレクトショップなどに向けた商品提案、受発注業務、納期管理、展示会での営業活動、取扱店舗の新規開拓などがある。

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平田さんのセールス担当ブランド

 平田さんは「キミノリモリシタ(kiminori morishita)」や「08サーカス(08sircus)」のセールスを経て2011年に独立。外部セールスとして様々なデザイナーズブランドのサポートを行う。

 現在セールスを担当しているのは、

ミュベール(MUVEIL)
ウィーウィル(WEWILL)
ヨシオクボ(yoshiokubo)」※海外営業
ミュラーオブヨシオクボ(muller of yoshiokubo)」※海外営業
アンデコレイテッド(UNDECORATED)」※海外営業
「アストラット(ASTRAET)」
ハリカエ(Harikae)」など

 「カワキィ(KA WA KEY)」などを抱えるパリの老舗ショールーム「ショールームロメオ(SHOWROOM ROMEO)」で経験を積んだ平田さんは、英語やフランス語が堪能なことから海外営業も同時に担当できるのが強み。パリをはじめ、中国や韓国といったアジアのバイヤーとも交渉を行う。過去には「ダブレット(doublet)」や「ターク(TAAKK)」のセールスを担当したこともある。

kiminori morishita 2016-17年秋冬コレクション Image by FASHIONSNAP.COM
kiminori morishita 2016-17年秋冬コレクション Image by FASHIONSNAP.COM

「アイデンティティがしっかりあるブランドは売れる」

 セールス依頼を受ける基準について、平田さんは「作っている人達が言いたいことが言える環境や人柄の良さがあって、モノも良く、会社組織としてしっかりと運営できているか。人・モノ・会社の3つが良いブランドとは仕事がしやすい。3つの内、最低2つ以上クリアしていたら引き受けようと思っている」と説明。セールス依頼を受けた際にはそのブランドの強みを必ず聞くようにしており、その背景には「アイデンティティがあり、それをちゃんと自身で理解し、他者に伝えることができるのが売れているブランドの共通点」という考えがあるからだ。

 平田さんがセールスを行う上で大切にしていることは探究心。「ブランドが売れている理由・売れない理由をしっかりと突き詰めてあげることが大事。突き詰めていくことで、売上を伸ばす方法が自ずと分かってくる」という。

 平田さんは単に営業に徹するのではなく「ブランドが売れるために行うことは全てセールスの業務」という考えから、営業以外のことも"なんでもやる"方針。語学が堪能であるという長所を生かし、時には担当ブランドの取引先である地方のセレクトショップの海外輸入業務なども手伝う。「どこかで売上を立てれば、回り回って担当ブランドに売上が入ってくる。ファッション業界全体が良くなるのであれば、セールスという概念に囚われずに便利屋のような立ち位置でも良いのではないか。SNSやECのおかげで商品を売るハードルが下がってきている時代に、私たちがデザイナーズブランドの売上を伸ばす際、単に営業だけするというのは時代遅れ。これからは卸売や小売、PRなども含めて、ブランドのビジネス全体を見られる人が業界でさらに必要になってくる」と話す。

今後の展開について

MUVEIL 2021SSコレクション
MUVEIL 2021SSコレクション

 今後について平田さんは「最初から一緒に作ってブランドの成長過程を見たいので、20代の若い人のブランドのセールスを担当したい。自分の知見を活かして若い人たちに上手く伝達し、売れるようにできたら。良心的な価格で引き受けられると思う」という。

<デザイナーコメント>
 現代アート、民芸、茶道、歴史など様々な壁を越え、柔軟で個性を持った平田さんならではの考え方が魅力的です。彼の考える服の道が、海外バイヤーさんにも響き、頼りにされていると思います。
(MUVEILデザイナー 中山路子)

■平田典之
メールアドレス:nori@tracksinc.jp

■セールスの仕事 バックナンバー
vol.1:ハルミショールーム松本智人

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