ジェイク・バートとステファン・クック
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Fashionインタビュー・対談

【インタビュー】"普通の服"をアップデートする「ステファン クック」とは?

ジェイク・バートとステファン・クック
ジェイク・バートとステファン・クック

 ステファン・クック(Stefan Cooke)とジェイク・バート(Jake Burt)が手掛ける、ロンドン拠点の若手ブランド「ステファン クック」。アーガイルニットやクリケットニットなど、誰もが一度は目にしたことのある”普通の服”を、誰も見たことのない新しいピースへと昇華させている。今年8月からは、英ECサイト「マッチズファッション(MATCHESFASHION)」が立ち上げた才能ある若手デザイナーを支援する「The Innovators」に参加。独自の視点からメンズウェアの定義を拡張する2人に、メールインタビュー。

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Stefan Cooke
ステファン・クックと、英セントラル・セント・マーチンズの同窓生でパートナーのジェイク・バートが2017年に創設した、ロンドンを拠点とするメンズウェアブランド。ステファンは、ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク(Walter Van Beirendonck)やクレイグ・グリーン(Craig Green)、ジョン・ガリアーノ(John Galliano)の下でインターンを経験。「アディッション アデライデ」「ムクタ」「ザ・フォーアイド」「吾亦紅」など、日本でも複数の取り扱い店舗がある。2019年にはLVMHプライズのファイナリストに選出された。

― 2人はどんな服を着て育ったのでしょうか?

 2人とも、服選びに関しては折衷主義な子どもだったと思います。ステファンは大家族なので、嫌々ながらも兄姉のお古を着ることが多くて、色々なテイストの服をミックスして着ていましたね。ジェイクはライブ会場でバンドTシャツを買って、古着やデザイナーブランドの服とミックスして着ていました。

― 2020-21年秋冬コレクションは、ニコラ・ジェスキエール時代の「バレンシアガ」にインスパイアされたとか。メンズウェアよりもウィメンズからインスピレーションを得ることが多いのでしょうか?

 ウィメンズ・メンズ関係なくリサーチしています。ジェスキエールによるバレンシアガのデザインには、メンズでも活かせるような、素晴らしいラインやシルエットのものがあります。こういったインスピレーションは、アイデアのスタート地点としてのみ取り入れるようにしていて、そこからフィッティングなどで、ステファン クック独自のものへと仕上げていくプロセス。最近のメンズウェアに見られる、シームや”ファンクショナル”なディテールで複雑に見せるトレンドに逆らいたくて、2020-21年秋冬コレクションはテーラリングをシンプルにしました。シルエットに焦点を置いて、クラシックなディテールと”削ること”の組み合わせを意識したんです。だから、ジェスキエールは今回のコレクションにとって素晴らしいスタート地点だったんですよ。

ステファン クック 2020-21年秋冬コレクション 全ルックはこちら

― メンズウェアとウィメンズウェアの違いは何だと捉えていますか?

 私達は2人とも、ウィメンズウェアを仕事としてデザインしたことはありませんが、たまにウィメンズにしか活かせないな、というようなアイデアが浮かぶことはありますね。生地に関する技術とかが多いです。メンズだともっと「さりげなく」しないといけないですから。

― ウィメンズに比べて、メンズウェアはシルエットや型がある程度決まっているように感じます。メンズウェアの長い歴史のなかで、ステファン クックではどのように「新しさ」を生み出していますか?

 全てからインスピレーションを得る姿勢は大切だと思います。一般的に「メンズウェア=周期的」というイメージがありますが、それはリサーチをSNSに頼りすぎているからだと思います。私たちは、自分の足を使って服やアイデアのソースを調べるようにしているんです。メンズウェアの素晴らしさは、その厳格な歴史にこそあるもの。裏を返せば、目に入るもの全てが、リサーチに活かせるし、メンズウェアのルール内に居場所を見つけられるはずなので。

― 取り扱い店舗の半数近くが日本のショップです。日本の印象は?

  日本は、服に対して他国とは異なるアティテュードがあるように感じます。アイデアやクラフトに対してのフリーダムや評価がある。それに、実験的なアイテムに対しても怖がらない人が多い印象です。

― ガリアーノの下で働き、学んだことで最も大切にしていることは?

 ヴィンテージ/アンティーク/リユースのショップや市場を通りがかったら、必ず入ってみること。

(編注:ステファンは、ジョン・ガリアーノの下でインターンを経験。リサーチやデザイン等のアシスタント業を行い、後々それらがガリアーノの「メゾン マルジェラ」でのデビューコレクションに向けたものだったことを知ったという)

― 普段の私服はどんなスタイルですか?

 2人とも、ずっと持っている服を着てますね。あとはeBayを見ている時間が長くて、そこでよくわからないトレーナーや古いバンドTシャツを買ったりしています。あとステファンは、私たちがデザインしたニットをどれも1着ずつ所有しています。もしお金がたくさんあったら、2人ともセリーヌのバッグを持ち歩きたい。

― ロンドンを訪れたら行くべきお店を教えて下さい。

 ヴィクトリアの「Retromania」、クラパムジャンクションの「Traid」、ハックニー ダウンズの「The Market Cartel」。The Market Cartelは私たちの家から歩いて5分なんですよ。

― インディペンデントブランドとして、今の課題は?そしてMATCHESFASHIONにどのようなサポートを期待しますか?

 一番大きな課題は、全てを自分たちでやらなければいけないということ。そして解決方法が、毎日朝早く起きて、スタジオに8時には着いて始業する、ということしかない(笑)。MATCHESFASHIONは、2シーズン目からサポートしてくれています。私達が発表したボタンのストラップを、変なアイデアだと思うことなく、良いプロダクトとして受け入れてくれて。MATCHESFASHIONのサポートはステファン クックとして新しいことに挑戦する勇気に繋がりましたし、彼らは新しいデザインにも積極的にチャンスを与えてくれるんです。

MATCHESFASHIONにはアイコニックなカットアウトセーターをはじめ2020年秋冬コレクションの新作が揃う

― MATCHESFASHIONの「The Innovators」プログラムは、ブランドの成長にどのように貢献してますか?

 「The Innovators」プログラムに参加してまだ2ヶ月ほどですが、エディトリアル面で資金的なサポートをしてもらったり。友人からは、「インタビューを広告で見たよ」とか「YouTube動画の横に載ってたよ」とか連絡をもらうことも多くて。ステファン クックのプロダクトの露出に貢献してくれていると感じています。

「The Innovators」プログラム
英ECサイト「MATCHESFASHION」が、才能ある新進デザイナーのサポートを目的に、2017年に立ち上げたプログラム。現在は「ステファン クック」のほか、「アートスクール(Art School)」「チョポヴァ・ロウェナ(Chopova Lowena)」「ウェールズ・ボナー(Wales Bonner)」など12ブランドが参加している。支援の内容は、ソーシャルチャネル等を通した各デザイナーのオリジナルコンテンツの配信、優先的支払い条件の提示および180万ポンドに上るマーケティングサポート、メンターシップなど。1年間を通して継続的にブランドの支援を行っている。
https://www.matchesfashion.com/jp/ 

■ステファン クック:公式サイト

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