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「ステラ マッカートニー」動物たちと共生する2020年ウィンターコレクション

ステラ マッカートニー(中央)
ステラ マッカートニー(中央)
Image by: STELLA McCARTNEY

 「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」2020年ウィンターコレクションのショー会場はパリのオペラ座。エントランスでは着ぐるみの動物たちがファニーなポーズで招待客を迎え、ショーへの来場によって排出される炭素を相殺するための苗木を配っていた。余った苗木は、全てブランド側で責任を持っていずれかの場所に植えるという。思わず笑顔になるような朗らかなムードの中、ショーのスタートを迎えた。

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エルテの作品を大胆なモチーフに

 コレクションのインスピレーションは、現実に根差しながらも自由なスピリットを持ち、力強い意志に満ちた女性たち。カラーパレットは、ミネラルやクレイ、サンド、チャコール、ウォルナット、ネイビーといった地球を感じさせる色彩をベースに、ライラックやジンジャーを加えた。ランバージャックチェックやレイヤードチェック、ビーズとテープで編んだフリンジがミニマルなシルエットに端正なアクセントを添えている。

 ステラが得意としているテーラーリングをベースとしながら、大胆なタッチを取り入れているのが今シーズンの特徴。後半にプリントや刺繍で表現されたアール・デコ調のモチーフは、ロシア生まれのフランス人デザイナーでありイラストレーターとしても活躍したエルテ(Erté)のアーカイブ作品を取り入れた。1990年に97歳で亡くなっているが、ステラは幼少の頃にエルテと初めて会い、記憶に残っているという。ファンタジックで少しミステリアスなモチーフが視線を集めた。

 

"アニマルフリー"が最も多いコレクション

ファッションのためのファーやレザーの使用 ─ 動物にとって残酷で、地球に有害である習慣を終わらせるため、これほどまでに強い希望を持ったことはありませんでした。
設立以来、私たちはエシカルなブランドであることにコミットし、責任を持つことを約束してきました。
実際に私たちは、ランウェイでリアルレザーを一切使用しない世界で唯一のラグジュアリーファッションブランドであることに誇りを持っており、賛同するファッションの世界に生きる友人たちを心から歓迎します。 X STELLA
ーーSTELLA McCARTNEY 2020 WINTER ECO FACT SHEETより

 先シーズンのコレクションではショー会場の壁に交尾する動物たちを映したステラ マッカートニーだが、今回のE-インヴィテーションにも交尾する牛のGIF素材を使用。生命の営みが象徴する愛とエコの取り組みは、今シーズンもコレクションの随所で引き継がれ、さらに進化していた。

E-インヴィテーションに添付されていたGIFより

 アニマルフリーのヴィーガンレザーは、これまでのシーズンに比べて最も多く提案され、品質の向上と共にバリエーションが豊富に。装飾的なパンチングを施したヴィーガンレザーや、毛足の長いシャギーパイルのアニマルフリー シアリングのコートが発表された。また、クルエルティフリーやソルベントフリーなど、あらゆる"フリー"の素材はアクセサリーまで拡大している。

 特徴的だったバッグは、アイコニックなファラベラチェーンがチャンキースタイルであしらわれた、アニマルフリークロコダイル製のジオメトリックなバッグシリーズ。首や胸元を飾るゴールドやシルバーのアニマルモチーフは、古代象形文字やミッドセンチュリースタイルからインスピレーションを得たという。

 ショーの前にエントランスで迎えてくれた動物たちは、ランウェイにも登場した。牛やウサギ、ワニなどが、フィナーレでモデルに混じって愛嬌を振りまきながら行進。よく見ると、動物たちはそれぞれの肌や毛並みとよく似た素材(アニマルフリー)のバッグを持っている。シュールで陽気なフィナーレから、共生することの純粋でピースフルな楽しさが伝わった。

Image by: STELLA McCARTNEY

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