デザイナー林陸也が手掛ける「シュガーヒル(SUGARHILL)」が、2024年春夏コレクションをショー形式で発表した。ブランド2度目のランウェイショーとなった今回は東京オペラシティを舞台に、英国バンド アークティック・モンキーズ(Arctic Monkeys)の楽曲「Star Treatment」をBGMにスタートした。
シュガーヒルは2017年にデビュー。2021年に岡本大陸の「ダイリク(DAIRIKU)」、寺田典夫の「ヨーク(YOKE)」らとファッションアワード「TOKYO FASHION AWARD 2022」に選出され、2022年3月の「Rakuten Fashion Week TOKYO 2022 A/W」で初のランウェイショーを開催した。
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2024年春夏コレクションのシーズンテーマは周回軌道を意味する「Orbit」。立派な人間になりたいと願い、情熱と探究心を持って転がる石のように過ごした20代前半から始まり、少しスローダウンした20代後半を経て、また新たに情熱へと向かい始めた自身の現在地を表現した。
ショーは、メッシュのように編み上げたローゲージのカーディガンと、ウェスタン調のデザインをあしらったデニムのルックからスタート。風に揺れる柔らかな素材にヴィンテージ風のチェックをあしらったロングシャツや、網のようなダメージ加工を施したデニムアイテム、ロゴをバックプリントしたバーシティジャケット、ルーズシルエットのスウェットパンツなど、ウェスタン調やグランジテイストを基調にしつつ、軽やかな素材やリラックス感のあるシルエットをバランス良く組み合わせた。
Image by: FASHIONSNAP
また、拘束具をモチーフにしたようなフェティッシュなアイテムが随所に登場。パンツやシャツの上からスタイリングしたレザーのペニスバンドは、AV監督さもありからオファーを受け製作したコラボレーションアイテムで、このアイテムから派生して、他のルックで登場したハーネスのようなキーホルダーやアクセサリーをインラインで考案したという。林は「デザイナーが勝手にモチーフを使うのではなく、実際に仕事道具として使う人とコラボすることで、アイテムにリアリティが生まれる」とコメントしている。
Image by: FASHIONSNAP
ショーには業界関係者をはじめ、文化服装学院、ここのがっこう、武蔵野美術大学の学生を含む300人以上が集まった。2度目のショーを終えた林は「前回のようにアワードに向けて企画したものではなく、ショーに向けてゼロから自発的に、コレクションを制作できたことはすごくいい変化だった」とコメント。今後の目標については「まずはこの夜が明けてみないと分からない」としながらも「今はチーム編成含めてブランドに必要なものが全て揃った状態。闇雲に量産するのではなく、プロダクトのクオリティをより引き締めて、密度の高いプロダクトを生み出していきたい」と語った。
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