Fashion インタビュー・対談

【インタビュー】オオスミタケシが語る「フェノメノン」離脱とこれから

オオスミタケシ
オオスミタケシ
Image by: Fashionsnap.com

 「フェノメノン(PHENOMENON)」のデザイナーを退任することを決めたオオスミタケシ氏。「スワッガー(SWAGGER)」を経て2004年にブランドを立ち上げて以来、約12年にわたって手がけてきた「フェノメノン」の第一線から身を引く。その決断の裏には何があるのか。音楽がベースにあるという独自のファッション観からストリートカルチャー、そして今後についてまで、オオスミ氏は今何を考えているのか。

 

―驚きました。フェノメノンで12年、スワッガーの立ち上げからだと17年目ですよね。率直にまず、なぜ辞めるのでしょうか。

 自分のファッション観とビジョンが、ブランド運営の方向性と違ってきたからです。特に、クリエイションの後の扱いだったり表現の部分がイメージと一致しなくて、その溝が埋まらなかった。基本的に会社とはいい関係だったので、話し合いによって任期満了で辞めることが決まりました。

―最近は特に海外の売上が伸びていたと聞いているので、ビジネス面では順調だったかと思います。  

 ここ何年かの間に会社が変わったり不安定な部分もあったんですが、クリエイティブ面では思うようにやらせて頂いて、確かに売上は伸びてきていました。なので正直、自分でもジャッジするのは難しかったですね。

phenomenon_v16ss_0101.jpgオオスミ氏が手がけるラストシーズン PHENOMENON 2016年春夏「FOOTSTEPS IN THE DARK」

―オオスミさんが離れた後の「フェノメノン」は、次の秋冬コレクションの発表が未定だそうですね。

 もし未定のままだったら、残念じゃないといったら嘘になるかもしれません。毎シーズン見てくれている方々がいたので。でも実際にその後の継続については、どうなるかわからないんです。僕にとってはブランド=器のようなもので、自分のものではない。なのでもし続いていくとしても、今後携わることはないと思います。

―もう6年ほど前になりますが、2010年の「フェノメノン」のファーストショーは衝撃的なインパクトでした。東京のストリートブランドを飛躍させる一端を担って、影響を与えてきたのではないかと思っています。

 僕らのようなストリート系がショーをやって思い切り振り切ったことで、何か変わったかもしれません。今「ミスター・ジェントルマン」を一緒にやっている吉井雄一さんとか、それまで接点がなかった人とつながったのも、あの時のショーがきっかけでした。

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2010年3月に国立霞ヶ丘競技場敷地内で発表された PHENOMENON 2010-11年秋冬コレクション

―「フェノメノン」はエッジの効いたクリエイティビティが際立っていて、「ミスター・ジェントルマン」はスタンダードでフレッシュ。2つのブランドは同じようで違いますね。

 僕の中では、音楽に例えると「フェノメノン」はヘッドフォンで1人で聞きたい曲。でも「ミスター・ジェントルマン」はみんなで聞く曲なんです。

―やはり、オオスミさんのベースは音楽なんですね。

 そうですね。音楽とストリートが結びついて生まれてきたものって、ファッション以外でもたくさんあると思っていて。特にヒップホップは今の時代も進化していて、大きなパワーを持っているなと感じます。


mrgentlman_16ss-20151023_t.jpgMR.GENTLEMAN 2016年春夏コレクション

―モード界でも、徐々にストリートやカルチャー色が強くなっている気がします。

 特にメンズだとキム・ジョーンズとか、エディ・スリマンもそうですよね。そういう彼らって日本好きが多い気もする。90年代の東京のストリートカルチャーが元気だった頃にルーツがあるのかもしれないですね。

―今のストリートファッションについて、どのように見ていますか。

 ストリートを含めて、大体がルーズでラフでカジュアルな感じがします。モードの人たちがストリートに注目し始めて、デカいカジュアルなスウェットが超高く売られていますよね。

―様々な側面で、ファッション界が変わっているのかもしれません。

 たしかに変わってはいるけど、今はまだ流されているだけなんじゃないかなとも思います。表現や見せ方の違いだけで。でも、最近だと「バーバリー」はすごいなと感じました。ショーの時間になればいいタイミングでLINEで通知が来て、つい見ちゃったり。そういう新しいことを伝統的なブランドがやっていると、他も影響されるだろうなと思っています。

―最後に、これからまたブランドを立ち上げたり、新しいことに取り組む予定などはありますか。

 今のところ「ミスター・ジェントルマン」の活動に専念して、それ以外だと先のことは全くわかりません。でも何かやる可能性もあるかもしれない。人生にもリズムがあって、そういう節も来るとは思っています。

■TAKESHI OSUMI(オオスミタケシ)

 2004年 PHENOMENONを立ち上げる
 2010年 FWより東京コレクションに参加
 2012年 THE CONTEMPORARY FIXオーナー・吉井雄一とデザイナーデュオを務めるブランド「MR.GENTLEMAN」をスタート

【ニュース】オオスミタケシが「フェノメノン」デザイナーを退任
【ラストコレクション】PHENOMENON 2016年春夏コレクション

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