Fashioninterview

代々木が変わる〜小林武史が「代々木VILLAGE」を作ったワケ〜

小林武史
小林武史

 東京・代々木に、634坪の新商業施設「代々木VILLAGE by kurkku(代々木ビレッジ バイ クルック)」が誕生した。コンセプトプロデュースは、小林武史氏が率いる「kurkku(クルック)」。その他、音楽プロデューサー大沢伸一氏やインテリアデザイナー片山正通氏、プラントハンター西畠清順氏、イタリアンシェフの笹島保弘氏といった各界のプロフェッショナルが集結している。音楽家として活躍しつつ、サステナブルな暮らしをテーマに幅広く活動してきた小林氏に、初の商業施設に挑んだワケと4人のキーマンとの出会い、今後のビジョンについて聞いた。

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 小林武史氏は、「Mr.Children」をはじめサザンオールスターズやレミオロメンなど、数多くのアーティストのプロデュースや編曲、ライブ演出などを手がけてきた音楽プロデューサー。「kurkku」は、小林氏と「Mr.Children」の櫻井和寿氏、坂本龍一氏によって設立された非営利組織「ap bank」のコンセプトプロデュースで2006年に始動したプロジェクトだ。食や物の消費を通じて「快適で環境にもよい未来に向けた暮らし」を追求している。野外音楽フェス「ap bank fes」やレストランの運営、農業事業を実践する「株式会社耕す」の設立など、活動の幅を広げている小林氏だが、大規模な商業施設は初のプロジェクトとなる。


小林武史 インタビュー

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代々木VILLAGE by kurkku

――小林さんと「kurkku」にとって、10店舗以上が集まった商業施設を手がけたのは初めての経験だと思います。以前から構想はあったのでしょうか。実際にプロジェクトが立ち上がった時期や、そのきっかけを教えてください。

 これまでにも色々な構想はあったのですが、都心にこんなかたちで出来上がるとは考えていませんでした。かれこれ2年以上前、代々木ゼミナール本部校の旧校舎跡地の有効利用として、都市デザインシステムから相談を受けたのがきっかけです。

――代々木という街への印象と、ここを選んだ理由を教えてください。

 代々木ゼミナールに象徴されるように"受験塾の街"という印象がありましたが、立地は山手線の原宿と新宿の間の駅から徒歩1分。しかも634坪というまとまった土地が使えるというのが魅力的でした。また「代々木という街が変わったら面白いことになるな」という思いもありましたね。

 それと同時にプロジェクト規模の大きさがプレッシャーだったのも確かです。相談を受けた当初は、「人々が『楽しむ』ために代々木駅へ乗り降りするようになることは簡単ではないな」という思いもありました。

――各界を代表する小林武史、大沢伸一、片山正通、西畠清順、笹島保弘の5人による夢のコラボレーションとしても注目が寄せられています。4人にオファーした理由と、プロジェクトの歩みについて教えてください。

 はじめに一緒に取り組むことになったのは音楽プロデューサーの大沢伸一さんです。僕と同じ音楽畑の人間とはいえ、僕とは違うセンスとプロデュース感覚を持っています。彼と一緒に音楽を作っているとき、ふとしたきっかけで大沢さんがお店作りに興味を持っているということを知りました。僕がイメージしている中で欠けているものが、大沢さんを入れることで補えるような気がしたんです。つまり、東京にこれまでなかったポジティブな意味で「ホットスポット」のようなものが作れるかもしれないと考えました。

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最高峰の音質にこだわった「BAR」

 3.11の震災が起こり、ボランティア活動に明け暮れていたのもあって、僕らはこのプロジェクトにポーズボタンを押していました。しばらく経ってからポーズを解除したとき、結果よりも、魅力を掘り下げていくことや、クリエイティビティを発揮していくことに必要性を感じました。

 次に、大沢さんの紹介で出会ったのがインテリアデザイナーの片山正通さん。サステナビリティやエコ意識はもちろん、経済性などのバランスをとっていたプロジェクトでしたが、「大人の視点や遊び心のある目線から見ても、十分に楽しめるものにしよう」という意志が、片山さんとの出会いでより明確になったように思います。

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片山正通氏が手がけたインテリア

 生花や園芸植物のプロフェッショナルでもある西畠清順さんは、片山さんからの紹介でした。出会ったときは、西畠さんの魅力が雪だるまのように一気に膨らみながら、僕の目の前に出現した印象でしたね。

 この感覚は、今現在も進行中。西畠さんは植物の力強さや不思議さを、とにかく面白がって、丸ごと伝えようとする大らかさがあります。西畠さんと植物の持っている魅力で「代々木VILLAGE」はファンタジックな空間になりました。時空を越えた様々なものと繋がったような気がします。

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西畠清順氏が手がけた植栽

 料理人の笹島保弘さんは、「ap bank fes」のフードエリアに出店者として参加してくれた人で、有名な京都のイタリアンシェフということで僕のスタッフの間でも話題になっていました。僕が実際に彼の料理を食べたのは今年の震災後のこと。震災のために延期になってしまった「Mr.Children」の振替ライブが関西であり、その時にふと思いついてランチを食べに行ったのがきっかけでした。

 声をかけたのは、彼のお弟子さんが作ったのにもかかわらず、あまりにも美味しかったから。それまで考えていたプランを変更して笹島さんにフードメニューをお願いしたところ、快諾していただきました。本当にクイックなやり取りでした。

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笹島保弘氏がフードプロデュースを手がけた「code kurkku」(コース料理の一部)

――「代々木VILLAGE by kurkku」のオープンに寄せる思いや、今後目指していく姿は?

 代々木VILLAGE by kurkkuは、5人のメンバーが集まって『とある場所に自分たちの居心地のいい巣を作ったらこんなことになった』という感じ。人工的で都会的なものと、野性的でロックなもの、全てが入り混じったような空間になりました。エスケープできるけれど決して特別ではなく、日常の延長線上にある場所。そのイマジネーションを訪れる人に繋いでいければ、ここはすごいことになるのではないでしょうか。これからは、訪れるみなさんとも一緒になって、ここを創り上げていきたいと思っています。

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カフェやギャラリー、アパレルショップなどが出店しているコンテナゾーン


■全ショップを網羅
 小林武史プロデュース「代々木VILLAGE by kurkku」都会のオアシス大解剖

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