Fashion買ったモノ

【2018年ベストバイ】繊研新聞 小笠原拓郎が今年買って良かったモノ

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AVINO Laboratorio Napoletano ビスポークシャツ

F:同じビスポークでも、次はシャツですね。

小笠原:はい。90年代半ば〜後半くらいに、クラシコイタリアと呼ばれるクラシックなイタリアのテーラリングがブームになったんです。そのときに自分も「男たるもの最終的にはビスポークが最もエレガントなものであろう」と思って、シャツとスーツを何着か仕立てたりはしていました。それから20年経って、久しぶりにシャツを作ろうかなとなったわけなんですが、きっかけはやっぱり靴。

F:2着とも少し似た感じのピンクストライプですが、これは?

小笠原:好きなシャツの柄が昔からピンクのストライプなんですよ。ネイビーのチョークストライプやピンストライプのジャケットに合わせるのが好きで。あと、ボタンダウンのボタンを閉めずにネクタイをするのも好きな着方。なのでボタンダウンにして、袖の形やギャザーとかを選んで作ったのがこれなんです。最初にコットンに決めた後に、リネンの感じも良いなと思いはじめて、追加でリネンも頼んでしまった。だから2着の仕様は全く同じで。

F:ボタンがかなり厚めなんですね。

小笠原:最初は開け閉めが大変なんだけど、生地が柔らかくなってくると快適。あとはシェイプが体に合っている感じがビスポークならではですよね。これ本当は秋冬に出来上がる予定だったんですけど、春夏に出来上がったんです。あまりにも早かったから、秋冬物も作ることにしちゃいました。

F:ハマっていますね。

小笠原:今度はグリーン系の新しい素材を勧められたので、それならと、また2枚作って。

F:結局また“2つ買い”!

小笠原:またやっちゃいました(笑)。それも早く作ってくれたから秋には届いて。色がミントっぽいグリーンなので、春に着ようと思っています。

 

VALENTINO ボディバッグ

小笠原:この企画でカバンはあまり出していなかったんですが、今年は2つばかり気に入っているものがあるので持ってきました。

F:ではまずヴァレンティノから。

小笠原:今年はウェアよりこれが気に入りましたね。春夏シーズンのもので、繊細なビースの刺繍が存在感あっていいなと。持っているとだいたい「それ何?」と言われます。

F:下のベルトのようなものは?

小笠原:これは夏とかに暑かったりすると上着をここにかけられたり。雨の日は傘をかけたりできる。便利ですよね。出張中などはこれがあると凄く助かります。

F:思っていたより機能的。

小笠原:ただ、問題は本体のサイズが小さいもんだから、取材用のノートが入らないんですよ。インビテーションも一部入らないものがあって、曲げて入れることに。ちょっとした苦労はあるんですが、モノとして美しいので気に入っています。

 

JW ANDERSON リュック

F:続いてバッグの2つ目は、JWアンダーソン。

小笠原:彼のアイコン的なピアスバッグなんですけど、リュックバージョンをフィレンツェで開催されたピッティのショーで出したんです。それが今年の春夏に発売になったんですが、出張はこれとトランクだけでいくことが多かったですね。

F:容量的にはどうですか?

小笠原:ノートパソコンと着替えをちょこっと入れるくらいかな。サイドに独立したポケットが付いていて、使い勝手は良かったです。銀座のドーバーストリートマーケットで買いましたが、確か日本には2個くらいしか入っていないらしくて、あとどういう人が買ったのか気になっています。

F:こういったハート柄は、メンズではあまり見ませんね。

小笠原:あとリュックってジップが多いんですが、海外だとスリにあう危険がある。過去に財布を取られかけたことがあるので、こういう複雑な作りのものは少し安心です。紐がこんなに長い必要があるのかは不明ですが(笑)。

 

sulvam パンツ

F:サルバム昨年の「買ったもの」にも登場していましたね。

小笠原:頑張っている若手の一人なので、良いなと思えば買うことにしています。これはラメ入りのグレンチェックで、彼のアイコンでもある裏地を切りっぱなしで見せているのが特徴ですね。

F:シルエットはどうですか?

小笠原:サイドに切れ目を入れているのとテーパードがかかっているのですが、履くとちょっとフレアっぽく開いて見えるんです。これを履いて他の展示会に行くと、よく女性のデザイナーから「どこのパンツですか?」とか、「どこで売っているんですか?」と聞かれましたね。評判が良かったです。

F:他に何か購入しましたか?

小笠原:ニットとダウンを買いました。でも今年はこのパンツが1番気に入っています。黒いヴァンズと合わせてよく履きました。

F:小笠原さんかなりヴァンズ好きですね。

小笠原:この5年ほどヴァンズばっかり履いてます。世の中ダッドスニーカーブームですが、自分は全く興味がない。履いてる人に重くない?って聞いてます。

 

Maison Margiela スーツ

小笠原:ジョン・ガリアーノ(John Galliano)の「メゾン マルジェラ」を見ていて、彼の才能には改めて驚かされました

F:まず6月に「アーティザナル」コレクションのメンズウェアを発表しましたね。

小笠原:そのコレクションはテーラリングが多く、モデルのキャスティングはアンドロジナスなムードだったんです。それで、秋冬のプレタポルテから彼の本格的なメンズのラインがスタートするという流れ。春夏のウィメンズコレクションでは、女性なのか男性なのか、それともアンドロジナスなのか、色々なモデルをキャスティングをしているんだけど、その人たちが男っぽい服とか女っぽい服をミックスして着るような感じで、格好良かったんです。やっぱり彼は凄いなと思いましたね。

F:それでなぜこのアイテムに?

小笠原:その中のワンルックで、男性の魅力も女性の魅力も両方持っているモデルがいたんですが、これと同じ形のダブルサテンの黒いスーツを着ていて、めちゃめちゃ格好良かったんです。それで店に行ってみたら、チョークストライプのウール素材も売っていたのでこっちを買いました。

F:襟の形が独特ですね。

小笠原:ダブルなんですけど、ゴージの位置が結構下になるんですよ。だから変わった襟の形になっていて。元々はガリアーノが持っている50年代の古着からイメージを広げて作ったと聞きました。ちょっと男っぽい感じがあって、シェイプを効かせてる。パンツはストレートで、これもビスポークの靴を合わせようとしたんですが、シェイプが効いてシュッとしているから靴が小さく見えるんですよね。なのでヴァンズにしてみたら、同業から好評です。

F:こちらのベストは活用していますか?

小笠原:こっちは着ています。白のTシャツにジャケットが多くて、ちょっと寒くなって着たときにベストを追加して合わせる。オフィスだとジャケットを着ていると暑かったりするので、Tシャツにベストで仕事しているんです。ちなみにこれを着ているときは社内で「一世風靡セピアじゃねえの」って言われています(笑)

F:意外といじられるんですね(笑)。ボタンは赤い糸で「M」と縫われています。

小笠原:これ、僕あまり好きじゃないんですよ。この赤のMをアイコンにするみたいなんですが、こんなとこ目立たないほうが良いと思ってるんですけどね。でもまだ黒で縫い直すのはやめとこうかな。

F:ジョン・ガリアーノの才能はどのあたりで感じますか?

小笠原:創業デザイナーのマルジェラが作ったフォーマットをなぞってるだけに思えたシーズンがあったんです。それって何の意味があるのかなと疑問で。その後2シーズン目か3シーズン目くらいから、マルジェラが作ったフォーマットやクリエイションに、技術的なことを用いながら違うジョン・ガリアーノの視点を入れ始めた。今のマルジェラはかつてのマルジェラではないけど、第二幕が始まったと感じたんです。それはそれですごく面白くて、パリの中でも好きなショーの筆頭になってきたかなと思っています。

 

今年のお買い物を振り返って

F:今年のお買い物を振り返ると、どんな1年でしたか?

小笠原:やっぱりスーツが戻ってきたことが大きいですね。来年の春夏はウィメンズのテーラードも増えていますから、そういうムードなんだと思います。加えて個人的に、ビスポークの気分で。でも今年は買いすぎた感があるなあ。1つ1つが高かったですね。靴もそうですし、確かマルジェラのスーツも40万円くらいしましたから。

F:ボリューム的には変わっていないんですか?

小笠原:例年これくらいなので、値段だけ上がっています。

F:2019年春夏のアイテムも、結構オーダーしていそうですね。

小笠原:最近、買わないと決めていた「コム デ ギャルソン」の封印を解きまして。コートを1着つけているんですよね。あとトーガで革ジャンも。すでに来年も、かなり買ってしまいそうな雰囲気です。

■小笠原拓郎
1966年愛知県生まれ。1992年にファッション業界紙の繊研新聞社に入社。1995年から欧州メンズコレクション、2002年から欧州ウィメンズコレクションの取材を担当し、20年以上にわたり世界中のファッションを取材執筆している。
繊研プラス: http://www.senken.co.jp/


・繊研新聞社 小笠原拓郎のベストバイ
2013年】【2014年】【2015年】【2016年】【2017年】【2018年】【2019年

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