まだまだ世界各国を自由に往来できる日々は訪れていないが、何とか中国をはじめとするアジア諸外国とコミュニケーションを図っていく中で、最近特に話題に上がることが多くなった事項がある。
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それはブランドや企業のM&Aも含め、特に中国の企業、エンジェル投資家たちの“TOKYO”への展開や投資といった話題。彼等の中には“TOKYO”をグローバル展開を目指す過程の一つ、言わば世界的ブランド及びショップだと誇示する為のブランディングとしての一端と考える者も少なくないと感じている。
アジア諸外国はマーケットが成熟しきっておらず、まだまだ発展途上と言えるであろう。
この勢いに加え、昨今の新型コロナウイルスの蔓延が一つのターニングポイントになっているのは間違いない事実だ。
一人ひとりのダイバーシティが確立され、スマートフォンによって“情報”はもはや共有財産として存在し、絶え間なく消費され続けている。
ヨーロッパの特権階級社会を前提として作り上げられたファッション産業、システムはもはや機能しておらず、コロナウイルスの蔓延により更に浮き彫りなったと言えるであろう。
ヨーロッパ各国のビッグメゾンも続々と中国をはじめとするアジアマーケットに参入し、売上を拡大している。ここで記述しておきたいのは、売上を支えている彼等は決して舶来コンプレックに準じた消費や脅迫性消費ではないということだ。
逆説的に説けば、提供する側が彼等の国民性や価値観を理解し、膨大な量のリサーチを繰り返しマーケットにコミットし続けているからであると言える。
ALANDの進出にみる、アジアを拠点とした企業やブランドの日本展開
アダストリアがライセンス展開する韓国発のセレクトショップ「エーランド(ALAND)」の日本1号店「エーランド トーキョー(ALAND TOKYO)」が先日渋谷にオープンした。
これを日本以外のアジア諸外国と捉えれば、物を作る国からビジネスを行うマーケットへと発展し、今やその国々が“TOKYO”への展開を視野に入れている_____
これは東京のファッション界において一つの転換期といっても過言ではないと感じている。
かつては欧米に拠点を置いていたセレクトショップが東京に進出し、欧米の流行や生活様式に対する憧れ、ある種のコンプレックスから成る消費が隆盛を極めていた。
しかし、昨今はこういったコンセプトのショップやブランドが撤退を余儀なくされたというニュースは周知の通り。
現在は欧米圏からのトレンドではなく、アジア圏から発信されるトレンドに多くの人が敏感であることは間違いないだろう。西洋的な価値観を重視しなくなったアジアのマーケット、自国のマーケットに対しどのようなスタンス、戦略で未来を見据えるのか…。
新たなターニングポイントが訪れた今こそ、再考の余地があるのではないだろうか。
石本 ヨウジ
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