Nobuyuki Hayashi

デザインとアートのはなし ― 生まれ変わった銀座駅と吉岡徳仁の光の彫刻「Crystal of Light」

林信行

ジャーナリスト/コンサルタント

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銀座駅が今日の始発からリニューアルオープン。

Ginza station, the oldest metro station in Japan has a fresh new look. Shiseido has donated a public art called “Crystal of Light” by Tokujin Yoshioka to the station that represents “decency, elegance and luxury.”

「上品さ、優雅さ、高級感」をキーワードにした、この駅に吉岡徳仁さんによるパブリックアートが、この地で創業した資生堂からの寄贈という形で設置されることになった。

 吉岡さんが2年半かけてつくったのは、636個のズッシリと重いクリスタルがきらめく重さ2トンの光の彫刻「Crystal of Light(光の結晶)」。

 「地球に生きるものとして世界がひとつになる」という平和への願いを込めた同作。クリスタルはいくつか形のパターンがあり、これを並べるときに、メルカトル図法の日本でお馴染みの世界地図をモチーフに配置を考えたというもので、目を凝らしても世界地図が浮かび上がってくるわけではないが、背景を聞いて一つ一つのきらめきが世界中に散らばったステキなことに取り組んでいる人たちのようにも感じられた。

 銀座と言えば、1934年、日本最古の地下鉄、銀座線の名前にもなっている駅で、今日でも東京メトロの駅で乗降者数は4番目。

 この駅を終電から始発までの、わずかな時間などを使ってコツコツとリニューアルを行ってきて、ようやく今日公開されたのだが、まだ出入口などリニューアルが終わっていない箇所もあり、すべてのリニューアルが終わるのは2023年の予定とのこと。

 では、今回のリニューアルで何がどう変わったのか?この駅に乗り入れるのは銀座線、丸の内線、日比谷線の3路線。今いるのがどの路線の駅かわかりやすいように、銀座線は「GINZA」の「G」の文字を元にした丸く黄色いロゴ「レモンイエロー」、丸の内線は「M」の真ん中を切り取った三角形をモチーフにしたチェリーレッド、そして日比谷線は「H」をかたどった四角いシルバーホワイトという模様をつくり、これが柱などに散りばめられ、天井も丸、三角、四角の形が埋め尽くすという頭上のサインを見ても迷う海外からの訪日観光客らにもわかりやすく、バリアフリーな駅にすることを目指している。

 その1つの象徴とも言えるのが、各路線の一番大きい改札のところにある「オリエンテーション」という頭上絵。これが頭上にどんな建物が立っているかを表しており、銀座の地上の様子には詳しいが、地下街は苦手という人にも良い空間認識のヒントを与えている。

 また日本でもっとも歴史がある地下鉄駅ということもあり、銀座線のホームでは壁一面に、この駅の歴史がわかる写真年表が掲げられるようになった。

 この他にも、壁を無駄なポスター広告で埋める代わりに、ところどころに創業当時の銀座駅の躯体(くたい)を覗かせる光箱を用意したり、地上の出入口も、その出入り口から一番近い地下鉄のラインカラーでライトアップするなどの変化が。

 私が好きな地下通路のギャラリーも少し広くなり、ビジネスマンが立ち止まってメールなどを書けるスタンディングのワークスペースも設置されている(天井と床に不燃木を使った優しい見た目になっている)。

 今日、銀座に出勤の人は、ぜひ少し早めに出発して新しい駅を眺めてみよう。

 なかなか銀座に行く機会がない人は、これをいいわけに帰りに寄り道をしてみよう。

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