装・和・羽の三文字を組み合わせて名付けられた新ブランド、sowahaはSOMARTAなどのデザインを手がけるファッションデザイナー、廣川玉枝と和のグラフィックデザインを手がけるHarajuku Designの柳圭一郎による新しい和装のブランド。
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20世紀初頭、パリ万博でお披露目された着物が、西洋服に影響を与えて女性をコルセットから解放し新時代の洋服を作った。そして21世紀初頭、同じ洋服と着物のマリアージュを、今度は着地点を和装側に構え、着物の課題である着付けの難しさから解放しようとした挑戦なのではないか。ーーこれがブランドデビューのイベントでモデレーターのフリをして実質、公開インタビューをさせてもらって得た印象だ。
絵羽模様、つまり自然からインスピレーションを得た絵柄を描いた一枚布を纏う。アートに包まれるというあり方。複数の衣を重ねる重ねの美しさ、上を淡く、下は濃くという裾濃(すそご)の美意識、上半身と下半身を帯という一本の線で分かつ意匠の美しさなど、着物の文法を引用しながらも現代の生活にあった衣服として再デザインしようという試みは、私は廣川さんと出会ってすぐの2013年頃から始まっていた。当時、彼女が着物づくりに関わるさまざまな生産者を訪問してその課題を洗い出していた話を聞いたのを今でも思い出す。その後、これがさらにブラッシュアップされ、2014年には京都友禅染や西陣織老舗との協業が始まり、2016年にはSOMARTAのkimono coutureというコレクションにまとまる。
実はこれを見た柳圭一郎さんが、ヤエガキ酒造の新ブランド、長谷川栄雅の店舗のデザインをしていた時、廣川さんに制服のデザインを依頼。それがきっかけで、kimono coutureをSOMARTAとは異なる独立したブランドとしてまとめようとしてできたのが新ブランド、sowahaということのようだ。
着物の文化はそれはそれで美しく、着付けができる人は、これまで通り着物の伝統と文化を大事にしてもらうのがステキだと思う。ただ、これまでは着物を着る人と、そうでない人の間には浴衣があるくらいで他に選択肢がなかったが、sowahaが誕生したことで、和装というジャンルにもう1つのオプション、もう1階調のグラデーションが生まれたのではないかと思っている。
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