Mariko Nishitani

コロナと並走するファッションウィーク -vol.3- ファセッタズムの記憶の積層

西谷真理子

ファッションエディター

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10月16日(金)のプログラム最後のファッセタズム。品川の寺田倉庫を使ってのリアルなショーを決行した。私は、残念ながらオンラインでの視聴だったが、ショーもさることながら、オンラインムービーも、おお、このやり方があったね!と開眼した思いで、オンライン続きに食傷気味だった私を見事なだめてくれた。

ファセッタズムは、ここ数年ショーの発表をヨーロッパに移し、2016年には毎日ファッション大賞も受賞している期待のブランドであることは言うまでもない。この2021春夏コレクションも、実はすでに7月12日にパリメンズで発表されたものである。とはいえ、もちろんすでに世界中はコロナウイルスによってパンデミック状態。パリメンズは、初めてのオンラインのみでのファッションウィークとなった。蓋を開けてみると、その発表の仕方は、実に多彩で、パリコレの面目躍如の感があった(見てない人は、ぜひmodemonline.comでチェックを)。リアルなショーでは作れないシュールな映像があったり、制作プロセスを撮影したり、デザイナーが延々と語る動画だったり、クリエーターたちのコロナに負けない思いと、自由闊達さが感じられたものだった。

FACETASM 2021年春夏コレクション

「More memories」とタイトルをつけた2021春夏のファセッタズム。タイトルから連想されるように、様々な記憶、それは個人の記憶もあれば、歴史上の衣服の記憶をも盛り込んであるところが、秀逸で、ベラスケスの絵画に出てくるようなバロック時代のプリーツの襟と現代のスポーツウェアをドッキングしたり、デニムとビジネススーツを形を変形させながらつなげたり、このハイブリッドは、デザインでも、スタイリングでも、ファセッタズムの得意とするところだが、さらにレベルが上がった感じがする。モデルの選び方、特に女性モデルの多様性に目を奪われた。

そして、してやられた!と思ったムービー。パリ版は、ファッションシュートの合間に東京の街の風景を美しくコラージュしていたが(これもmodemonline.comで見られる)、今回は、ショーの記録映像である。と言ってもシンプルな映像でなく、いろいろなカメラ(スマートフォンもある)の記録のコラージュ。これが即興のように目まぐるしくつながっていく。これこそ、落合宏理が見ているファッションであり、東京なんだろうな、と改めて感じたものだった。

【全ルック】FACETASM 2021年春夏コレクション

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