「ナイキ(NIKE)」が、フライイーズシリーズから初めて手を使わずに着脱できるスニーカー「ナイキ ゴー フライイーズ(NIKE GO FlyEase)」を発表した。価格は税別1万3000円で、全3色を用意。2月15日から一部のナイキメンバーに招待制の先行販売を行い、一般発売は2021年後半を予定している。
フライイーズシリーズは、障がいを持つアスリートの意見や思いを受けて、シューズの着脱を容易にすることを目的に2015年から販売開始。これまでベルクロ付きのストラップとジッパーによって、片手で着脱が可能な技術を取り入れた「エア ジョーダン 1」や「エア ズーム ペガサス 36」「エア ズーム UNVRS」など様々なモデルを展開してきた。今回、構想から数年に渡る製作期間を経て、初の完全ハンズフリーで着脱ができる技術を取り入れた新作モデルを開発。ライフスタイル向けシューズとして、アスリートをはじめ、手に障がいがある人や妊婦など幅広い層に向けて提案する。
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ナイキ ゴー フライイーズは、特許申請中の双安定性ヒンジ(蝶番)によって屈曲するソールが特徴。前足部と後足部が組み合わさり、起き上がったソールに重心をかけることでヒンジが伸び、ミッドソールにあしらったアウトソールと同素材のテンショナー(張力調整装置)がシューズをホールドするため手を使わずに着用できる。シューズを脱ぐ際にはヒールにあしらわれたキックスタンドを逆の足で踏むことでヒンジが閉じ、着用前の状態に戻るという仕組みだ。
ナイキ ゴー フライイーズの開発は「誰でも履けるシューズを作る」といったテーマのもと社内のコンペディションからスタートした。これまでアスリートと商品開発を行ってきたナイキが、「体があれば全ての人がアスリート」と捉え、トップアスリートや学生、妊婦をはじめ、靴の脱ぎ履きが多い日本の文化などからインスピレーションを得て製作。体重をかけるだけでシューズが足にフィットするため、シューレースを閉める動作や時間が不要で、両手に荷物を持っていたり、急いでいる場合などあらゆるシチュエーションでの利便性を考慮した。ヒールのキックスタンドは多くの人が靴を脱ぐ際に習慣的に行っている動作に着目し、デザインに落とし込んだ。ハワイの長距離トライアスロン「アイアンマンレース」を世界で初めて義足でゴールしたパラリンピックトライアスリートで、5年以上ナイキフライイーズイノベーションチームに携わっているサラ・レイネルトセン(Sarah Reinertsen)氏は「手がない人のために技術を開発すれば、その技術を用いて手がある人にとっても利便性の高いシューズが製作できる。トップアスリートと同様に、障がいのある人など様々なニーズに応えながらイノベーションを行っていく」と話し、「改良は一時的な通過点(BETTER IS TEMPORARY)」と考えていることから、現段階では未定だが今回発表したナイキ ゴー フライイーズの技術を取り入れた別モデルの展開も示唆した。
NIKE GO FlyEase
Image by: NIKE
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