ユニクロとジーユーのロゴ
Image by: FASHIONSNAP
ファーストリテイリングは4月14日、2022年8月期上期の決算説明会を開催した。会見には柳井正代表取締役会長兼社長が登壇。ロシアによるウクライナ侵攻に言及し、「あらゆる戦争に強く反対する。人々の人権を侵害し、平穏な生活を脅かすいかなる攻撃を非難する」とコメントした。
ファーストリテイリングが展開する「ユニクロ(UNIQLO)」は、2010年にロシアに進出し、2月末時点で50店舗を出店。同社はユニクロのロシア事業を3月21日に停止した。同社のロシアでの事業を巡っては、ウクライナ侵攻が続く中で当初ロシア国内の事業を継続する方針を示したことから、SNS上で「#boycottuniqlo」「#ユニクロ不買」などのハッシュタグと共に、同社の方針を非難する声や不買を呼びかける動きが広まっていた。
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会見に登壇した柳井会長は「私たちの服の産業は平和産業。人々の暮らしをより豊かに楽しく快適にする産業です。私たちの使命は快適な、普段着を継続的に人々に提供することにあります。現在のように混迷した状況であっても、平和な社会の実現のために、一つ一つの企業、一人一人の個人が最大の努力をするべきです。平和は黙っていてもやってはきません。世界がひとつにつながっている現在、『違う国のことだから』『自分は民間人だから』と、傍観者になることはできません。服を変え、常識を変え、世界を変えていく。私たちの提供するLifeWearや、そしてその基本となる『MADE FOR ALL』の革新は、服を通じて社会を変え、より良い世界を作っていく、そのこと自体にあります。平和な世界が実現しない限り、グローバルな企業として、私たちが成長することは不可能です。豊かで安定した社会の実現を他人任せにするのではなく、世界中のあらゆる人々との協調を通じて自分たちの力で未来を作り出す。そのような考え方に立って今後も積極的に行動していきます」とコメント。企業として果たすべき役割、企業だからこそ可能な取り組みを積極的に推進していく姿勢を示した。
ロシア事業停止の理由については「商品が着かない、紛争が非常に激しくなったなど、さまざまな面で事業継続が困難になった。総合的に判断した上でこのような決断に至った」(柳井会長)。岡﨑健 取締役 グループ上席執行役員CFOは「我々の使命は一般の人々に日常着を提供することであり、現地の従業員に対する責任というものがあり、状況を注視しながら出来得る限り営業を継続するということが当初からの我々のスタンスだった。状況を注視する中で、紛争の深刻化が進み、物流上の問題や、人々の平穏な日常が脅かされる状態を踏まえる中で、これ以上営業を継続するべきではないと判断した」と説明した。
なお、ユニクロのロシア事業が海外ユニクロ事業の連結に占める割合は、
売上、営業利益ともに2%程度。海外ユニクロ事業の2022年8月期通期の業績予想は大幅な増収増益となる予想で、下期も好調な欧州、北米、その他アジア・オセアニア地区が同事業をけん引していく見込み。事業を一時停止しているロシア事業の下期は赤字を見込むという。
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