今年のお買い物を振り返る「2022年ベストバイ」。20人目はロックバンド、[Alexandros]のボーカル・ギター 川上洋平さん。バンドではほぼ全ての楽曲の作詞・作曲を手がけ、昨年は俳優としてドラマ初出演、今年9月には初のエッセイ「余拍」を発売するなど多岐にわたって活躍。現在、全国ライブツアー「But wait. Tour? 2022」の延期に伴う振替公演が控える中、出演する2023年1月スタートのドラマ「夕暮れに、手をつなぐ」(TBS系)の撮影で忙しい毎日を送られています。ライブなどでの衣装も自ら選んでいるという川上さんの今年買って良かったモノ11点。
目次
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COMME des GARÇONS ロングコート
FASHIONSNAP(以下、F):ベストバイ1品目は「コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)」のロングコートです。
川上洋平(以下、川上):ファッション関係の友達と「『ギャルソン』のあのコートがかっこいいよね」と話していて。実際に目にしたとき、フォルムの良さはもちろんボタンもなにもついていない、余計なものを削ぎ落とした潔さがかっこいいなと感じましたね。
F:あまりギャルソンっぽくないデザインですね。
川上:そうなんですよね。ここ最近のロングコートの中でも一番かっこいいです。
F:もう着用しましたか?
川上:11月にニューヨークに行ったときに着ましたね。ブルックリンの街並みにも合うんじゃないかなあと思ってたんです。このコートはヴィンテージぽさもあってすぐになじんで。やっぱりブルックリンの街並みにすごく合ってた気がしたし、チケット売りのお兄ちゃんなど街行く人に一番褒められた服です(笑)。地下鉄で前に座ってるおばあちゃんがなんかじろじろ見てくるから何だろうなあ?って思ってたら、「I LOVE YOUR COAT!」と言われたり(笑)。
F:それはすごいですね!おばあさん、そこ(コート)に目が行ったんですね。
川上:やっぱり素敵なコートなんだなと実感しましたね。ニューヨークはめちゃくちゃ寒くて本当はダウンぐらい着た方がいいくらいでしたが、そこは頑張ってヒートテック二枚重ねでこのコートで乗り切りました(笑)。
F:このコートに合わせたスタイリングは?
川上:このコート、ブラウンなんだけど黒に合うようになっていて。フレアパンツやタイトめのニットだったり。デニムでも合うし、使い勝手もいいし優秀です。
F:「ギャルソン」のアイテムは他にも持っている?
川上:昔、財布は「ギャルソン」のゴールドのを使ってましたし、あとは、衣装でセットアップを着ることもありましたね。ちょっとキュートなニュアンスを出したいときは「ジュンヤ ワタナベ マン(JUNYA WATANABE MAN)」のパンツにお世話になっていますね。
ATTACHMENT パンツ
F:続いては「アタッチメント(ATTACHMENT)」のパンツです。2022年春夏コレクションで熊谷和幸デザイナーが退任して榎本光希デザイナーが就任しましたね。
川上:単体で見るとすごく目立つデザインですけど、穿いてみると控えめな雰囲気もあって。今年はよく穿いてましたし、衣装でも着てました。そう、本を出したんですが、その宣伝のときもよく使ってました。
F:アタッチメントはよく着るんですか?
川上:好きなんですけど、[Alexandros]メンバーの白井(眞輝)くんがよく着ているブランドなので、なんとなく手が出しづらいなと思っていたんです(笑)。でもそろそろいいかなと思って。
F:いつ買われたんでしょうか?
川上:夏ごろですかね。ジャージー素材ですごく穿きやすくて、私服としても衣装としても、ちょっと贅沢ですが部屋着としても着ています。
(イギリスのバンド)イージー・ライフ(Easy Life)に会ったときも真っ先に「そのパンツ超かっこいいね」って褒められて。
F:どういうスタイルに合わせていますか?
川上:かなり薄めのグレーのシャツとよく合わせています。足元はぼてっとしたボリュームのあるスニーカーやブーツと合わせることが多かったですが、サンダルにも合いますね。ちょっとアイテムを選びそうだけど、本当になんでも合う。僕はグレーのシャツが一番しっくりきましたね。あえてヒールブーツもありだと思います。
F:普段、服を買うときのポイントはありますか?
川上:あまり決めこまないようにしています。ただ、選ぶときの基準が全く無いわけではなくて。ためらうときもあるんですけど、でもすごく欲しいから買ってしまって、なんとなくそれをワードローブの中に寝かせておく。そうするとほかのアイテムたちがそれに近づいてくるというか、それでやっと着れるようになるという。
F:ラジオで買った1年後に着はじめるものがある…とおっしゃってましたね。少しずつ周りがなじんでいくということですか?
川上:そうですね。家具もなんですけど、今の家のインテリアには合わないな、でもそれだけで買わないのはもったいないから、一応買うんですよ。そうすると、だんだん周りがフィットしてくるんですよね。時代や気持ちの変化からだと思うんですが、ちゃんと寄ってきてくれて。だから、服でも家具でもためらわない方がいいと考えています。
BED j.w. FORD フレアパンツ
F:続いてもパンツですね。日本のメンズブランド「ベッドフォード(BED j.w. FORD)」。
川上:これは超好き。めちゃくちゃ好き。実はこれもジャージー素材で、かなり細身なんです。
F:あまりに好きすぎて自分でお直しもしたとか。
川上:そうなんですよ。裾の後ろ半分が折り返しがあって折り目がついてて、その部分を縫ってアレンジして。かなり穿いてて伸びちゃうからクリーニングにもたびたび出しているんですけど、だからこそ愛着もすごく湧いています。
それそこ今こういうデザインが流行ってるし、デザイナーの山岸(慎平)くんは先取りしてたんだなって。
F:これを手に取った理由は?
川上:もう単純に、気分がこういうものを求めていたというのと、見た瞬間に穿いたときのステージ映えする姿が想像できたからです。ヘビロテしてるので、あと2着は欲しいくらいです。
F:どんな服と合わせているんですか?
川上:それこそ最初に紹介した「ギャルソン」のコートも絶対に合いますし、今着ているニットでも、バンドTシャツとスニーカーを合わせてもいい。ヒールのあるブーツが一番似合うと思いますね。
F:ベッドフォードの好きなところは?
川上:語弊を招く言い方かもしれないけど、お客さんを選んでいる感じがいいですよね(笑)。敷居を下げないところがすごく好き。その貫き方や攻めている姿勢は群を抜いてる。その名の通り、日本にいる感覚を忘れさせてくれるというか。その感じに僕はすごく共感を覚えますね。
F:妥協しない姿勢があると。
川上:山岸くんと話していて刺激を受ける部分は多くて。面白くて話しやすい人なんですが、作品やファッションへの情熱に対する熱量は怖いぐらいすごい。そして自分にとても厳しい。そこは服にすごく現れていますね。だからこそ信頼できるブランドです。
F:服選ぶときは、デザイナーのキャラクターというか、そういうことも加味した選び方をするんですか?
川上:基本的にはお店に行って、手に取って、着て、いいなと思ったら買うという感じですかね。
LCD SOUND SYSTEM バンドロンT
F:次はLCDサウンドシステム(LCD Soundsystem)のロンT。(ブルックリンを拠点とするダンス・パンクバンド)LCDサウンドシステムは、日本でもフジロック・フェスティバルに出演したりしてますね。
川上:ニューヨークでライブを見に行ったんですが、そのライブのグッズなんです。とにかくライブが良かったので、その興奮度を含めて購入したんですが、グッズがオシャレで。
さっき調べたんですけど、LCDサウンドシステムのオンラインストアでは売ってないんですよ。多分、ノア・バームバック(Noah Baumbach)監督の最新作「ホワイト・ノイズ(White noise)」のサウンドトラックに、彼らの楽曲が提供されていて、そのジャケットのデザインがこれ(ロンTのデザイン)だと思うんです。だからライブ会場では売られてたけど、オンラインでは売ってないのかもしれません。
F:バックプリントは公演のスケジュールですかね?
川上:ブルックリン公演が20公演くらい続いていますね(笑)。
F:本当ですね。毎日のようにやってますね。
川上:ジェームス・マーフィー(James Murphy)は、本当に音や照明にうるさくて。だから調整を毎日毎日していて、あんまりいろんな場所でやると調整が難しいからかな。音とライトのシンクロ具合がやばいんです。音のダッ、ダッ、ダッに、ライトがポン、ポン、ポンと光って、本当に寸分の狂いも許されない。彼は演奏しないんですけど、ライブ中にズレがあったら演奏中でも勝手にバンド仲間のアンプをいじり出すんですよ。そんなの普通は怒られますよ(笑)。
F:これを着て日本に帰ってきたんですか?
川上:いや、着て帰って来れなかった理由があって。海外ってライブグッズを買っても袋に入れてくれないんですよ。そのまま、「はい」って渡されて。手に持ってライブを観てたから、床に落としたんです。そしたらこぼれていたビールとかで汚れちゃって…。日本に帰ってきてから洗濯して、まだ一度も着ていないんです。
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