今年のお買い物を振り返る「2022年ベストバイ」。4人目は、ファッションエディターの大平かりんさん。「365日同じコーディネートはしません?」をモットーにインスタグラムに私服を投稿し、多くのファンを獲得しています。大平さんにとって2年ぶり2度目となるベストバイへのご出演。2022年に買ってよかったモノ9点は?
目次
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KIDILL ワンピース
FASHIONSNAP(以下、F):1点目は「キディル(KIDILL)」のワンピースですね。
大平かりん(以下、大平):キディルは初めて買いました。表参道「ジャイル(GYRE)」内のトレーディング ミュージアムでは「コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)」のアーカイヴを取り扱っているのでよく買い物に行くのですが、そこで3月くらいに偶然見つけて一目惚れしたんです。多くの男性著名人が着ていたのでおそらくメンズの商品だと思うんですが、可愛くて素敵なので女性含め色々な人に勧めました。
F:ワンピースと言っても前が開いていて、レイヤードを前提にしたアイテムですね。
大平:通常のスタイリングにプラスワンで着られる「アクセサリー感覚の服」が好きなんです。「実際これがなくても成り立つけど、1着プラスすると違った見え方になる」みたいな。今年のキディルはこのほかにもアクセサリーパーツのようなアイテムを多く出していたので、そういった意味でも注目しています。
F:デザインが凝っているだけあって価格も高そうです。
大平:それが思っていたよりもお手頃で。正確な価格は忘れてしまったんですけど、確か5、6万円くらいだったと思います。既存の生地を上手に使っているんじゃないかな。
F:普段はどんな服装に合わせているんでしょうか?
大平:個人的にグランジファッションがすごく好きなので、カート・コバーン(Kurt Cobain)をイメージさせるようなパンク寄りの服装に合わせています。Tシャツとデニムのコーディネートに差し込むとか、ニットと組み合わせるとか...。ワンピースの上に更に重ね着するのも面白かったので、意外に着こなしの幅は広いです。まさに今年のベストバイといったアイテムですね。
Meryll Rogge ネックアクセサリー
F:2点目は「メリル ロッゲ(Meryll Rogge)」のネックアクセサリー。アントワープ王立芸術アカデミー出身者が手掛けるベルキーのデザイナーズブランドですね。
大平:メリル ロッゲは日本に入ってきたシーズンから大好きで。デザイナーが「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」と「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」で経験を積んだだけあって、クリエイションの節々にエレガントさを感じるんですよね。大人っぽいんだけど遊び心とパンクっぽさを兼ね備えていて、ちょっと「プラダ(PRADA)」らしさもある。
F:デビューして5シーズン目ながら、国内外でじわじわと注目を集めている印象です。
大平:ここ最近はウィメンズウェアのトレンドがドレッシーなものから、1990年代のアントワープブランドのような「ベーシックなものを壊していく」ようなものに変わってきていると感じていて。その流れが今年発売したアイテムとか、この前発表したメリル ロッゲの2023年春夏コレクションにも反映されていると思います。ちょっと変形したデニムスカートとか、ビッグサイズのシャツとかは、まさに「時代が帰ってきた感」がすごくあって。多分、ファッション好きな人はみんな欲しいと感じるブランドなんじゃないかなと思います。私はその中でも「アイテムとしての強さ」に惹かれてこのイエローのネックアクセサリーを買いました。
Image by: FASHIONSNAP
F:確かにインパクトのあるアイテムですね。これはどうやって着用するんでしょう。
大平:輪になっている部分に頭を通して着用します。Tシャツとかシャツのシンプルなスタイルに合わせるだけで、全く違った印象を与えてくれるのですごくお気に入りで。はじめは大阪の「ヴィジットフォー(VISITFOR)」でイエローを購入したのですが、チェックしていたら「ゾゾヴィラ(ZOZOVILLA)」の別注でレースがついていないブルーも発売されたので迷わず購入しました。
F:レース付きとレースなし、両方使用してみて違いはどのようなところにありますか?
大平:やっぱり使う用途、目的が違う感じですね。レース付きの方はフルレングスくらいの長さの装飾がついているので、かなりインパクトがありますが、逆に大袈裟に見えてしまう場合もあって。ネックウォーマーやネックレスのような感覚で楽しみたい時はレースなし、服としてコーディネートに取り入れたい場合はレース付きを着用する感じですね。
F:先ほどの「キディル」のワンピースもそうですが、これもプラスワンのアイテムですね。メリル ロッゲは「難しく考えずに感覚的に楽しむことができる」といった魅力もあるようです。
大平:メリル ロッゲの服は、再構築的なアプローチを取り入れていることもあり作りが複雑なんですが、その「複雑さ」をそのまま楽しめる特長があると思います。自分であれこれ組み合わせを考えなくても、アイテム1つでコーディネートが成立するっていうところは強みですね。ただ複雑にしているのではなく、ベースの部分をしっかりと作った上でブランドらしいアレンジを加えて仕上げているので、大人の女性も楽しめると思います。
美容室 trafficのマスクストラップ
大平:3点目は、「トラフィック(traffic)」で購入したマスクストラップ。
F:自由が丘にある美容室兼アートスペースですね。ポップな手作りアクセサリーを販売していると聞きました。
大平:もともとは伊藤信子さんというスタイリストの方がこのシリーズを着用しているのを見て、可愛いなと思ってこの犬モチーフのものを買ったんです。マスクストラップって、食事中や、外出中必ずしもマスクをつける必要がない時に首にかけておける、すごく便利なアイテムじゃないですか。その中でも、このマスクストラップはとびきりキュートで、使用しているビーズやモチーフはガラス製なんです。しかも、この犬に関して言えば顔がちょっとブサイクなのもポイント。「え、そのワンちゃんどうしちゃったんですか」みたいな(笑)。そこも含めて気に入っています。
F:ブサカワってやつですね(笑)。
大平:そう、ブサカワ。でも、あまりにも高頻度で使いすぎて夏頃に壊れてしまったんですよ。それで修理に出したのですが、マスクストラップがないとどうにも落ち着かなくて。そこでてんとう虫モチーフのものを追加で購入しました。このシリーズはハートがついていたりとファンシーなものも多いんですが、そういったものは自分にはガーリーすぎると思ったので自分らしいモチーフが使われているものを探しました。価格も1つ2000円前後くらいでお手軽なんです。
F:てんとう虫モチーフのものは、犬モチーフのものに比べてインパクトが強いですね。
大平:強いですね。だから、全体的にコーディネートをガチャガチャさせたい時につけています。アクセントに使うというよりは、癖があるアイテム同士をぶつけてごちゃ混ぜにする感じで(笑)。逆に犬モチーフの方は色味がシンプルなのもあって、割と何にでも合わせやすいですね。
F:どちらもすごく可愛いし、話のネタにもなりそうです。
大平:そうなんです、今年一番聞かれたアイテムかもしれない。特に女の子からどこで購入したか聞かれるので、その度に紹介しています。週末にカフェに行ったら同じシリーズのマスクストラップをつけている人がいて「それめちゃめちゃ良いですよね」って意気投合したこともあります。コミュニケーションツールになるという意味でも、非常に重宝しているアイテムですね。
RAF SIMONS スケルトンブレスレット
F:次は、2023年春夏シーズンを最後にブランド終了が発表された「ラフ・シモンズ(RAF SIMONS)」の腕輪ですね。大平さんは以前、毎シーズン1つはラフ・シモンズのアイテムを買うようにしていると話していました。
大平:今回のベストバイで紹介するラフのアイテムは、スケルトンモチーフのバングルです。ドーバー ストリート マーケット ギンザで購入しました。
F:このアイテムはルックで見て知っていたんですが、石がついているタイプもあるんですね。装飾がないタイプしか知りませんでした。
大平:意外と装飾があるタイプは知られていないんですよね。このアイテムは発表時から注目していたんですが、石がついている物の実物を見た瞬間に「買うぞ」と思い即決しました。ジュエリーを身につけている感覚があって気分が上がるんです。
F:ショーではモデルが二の腕部分に着用していましたが、大平さんはどのように身につけているのでしょうか?
大平:私はバングル的なイメージで、手首につけています。でも、特に石の部分がすごく服に引っかかるんですよね。この前もお気に入りのニットにダメージが生じてしまって。そんなところも愛しいんですけどね(笑)。
F:ラグジュアリーブランドならではの遊び心ということで(笑)。
大平:そうですね。やっぱりインパクトのあるジュエリーはファッションブランドの特権みたいなものじゃないですか。ジュエリーブランドも素敵ですが、私には少しベーシックすぎて遊びの要素が足りなかったりする。だから前回のベストバイで紹介した「グッチ(GUCCI)」のピアスとかもそうですけど、ファッションブランドがパンチの効いたジュエリーを出してくれると嬉しいですね。
F:前回のベストバイ出演時に、大平さんはラフ・シモンズのアイテムに関して「小物ではなく服を買いたい」と話していました。今回のベストバイは服ではなくアクセサリーでしたが、何か心境の変化があったのでしょうか。
大平:ないです。経済的都合ですね(笑)。やっぱり円安の影響もあってインポートブランドの価格がどんどん上がってきていると感じています。展示会でオーダーするものも国内ブランドが増えましたね。
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