謹んで年頭のごあいさつを申し上げます。時代の最先端をゆくZ世代たちの動向には、引き続き注目が集まっていますが、今年はどのような消費が見込まれるのでしょうか。
ADVERTISING
等身大で楽しめる
15~24歳女性327人のアンケートをもとに作った「SHIBUYA109lab.トレンド予測2023」では、彼らの消費マインドの傾向が見えてきています。今年のZ世代消費は「等身大」がキーワードとなりそうです。
たとえば、ファッション・コスメ部門では、ロサンゼルスやニューヨークなどを中心としたアメリカのファッションスタイルを指す、「海外ガール」に注目が集まっています。22年にトレンドとなったY2Kスタイルにみられたカラフルさだけでなく、ヘルシーな要素もあり、体形を問わず楽しめることも魅力です。
またカフェ・グルメ部門でも、「クラブっぽ居酒屋」や「イギリス風カフェ」など、「○○風」「○○っぽい」という表現が目立ちます。
ここから、Z世代たちの背伸びしすぎずに等身大の自分で楽しめる消費を求める意識がうかがえます。無理して頑張りすぎることから少し離れたいという空気感の中にいるのです。またSNSで周りの目を常に気にして行動している彼らの生活環境だけでなく、物価高騰などの社会情勢も影響していると考えています。
鼓舞できるもの
社会全体のどんよりした空気に対抗するために、エネルギッシュなマインドを取り入れたいという動きもみられています。
たとえば、モノ・コト部門には「昭和アイドル」が挙げられました。当時のアイドルが発端となりトレンドになっていた「聖子ちゃんカット」や「ソバージュ」、「チェッカーズのファッション」をまねしたいなど、ファッションスタイルとしても注目が集まっています。
この理由として、彼らは「昭和アイドル」を他人の目を気にせずに個性を発揮している象徴として捉えており、当時のスタイルを取り入れることで、エネルギッシュなマインドを自分にインストールしたいという声が聞かれています。
毎年、トレンド予測ではZ世代の未来に対するわくわく感を感じられるのですが、23年のトレンド予測からは、Z世代たちが不安定な社会に対応できるよう自己防衛したり、負けないように自分の気持ちを鼓舞したいという、彼らの耐え忍ぶ姿勢もみられました。
彼らは変化の多い時代に生まれ育ったことから、このような状況対しても、悲観するより適応して楽しみ方を見いだしていくスピードが速いように感じますが、彼らのそのスキルに甘えることなく、若者が安心して、未来にわくわくできる社会になっていくことを切に願います。
シブヤ109ラボも少しでも貢献できるよう邁進(まいしん)してまいります。本年もどうぞよろしくお願いいたします!
●長田麻衣(おさだ・まい) シブヤ109ラボ所長。総合マーケティング会社で、主に化粧品・食品・玩具メーカーの商品開発・ブランディング・ターゲット設定のための調査やPRサポートを経て現職。毎月200人の若者と接する毎日を過ごしている。好きなものは、うどん、カラオケ、ドライブ。
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【繊研plus】の過去記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング