アダストリアが新たに低価格カジュアルブランドを開発した。
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グローバルワークが地域密着型の新業態を出店 ベーシックで低価格なアイテムを提案
アダストリアが、「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」の新業態「グローバルワーク・スマイルシードストア(GLOBAL WORK Smile Seed Store)」をオープンする。3月15日12時からアダストリアの公式オンラインストア「ドットエスティ(.st)」で展開をスタートし、3月17日に1号店をイーアス高尾店、3月24日に2号店をイオンモール船橋店に出店する。
オフシーンで着用できるベーシックでシンプルなファッションアイテムを提案。「永く愛される日常着」をコンセプトに、グローバルワークの顧客層である20~30代の男女と子どもをターゲットにしたインナーやルームウェアをグローバルワークよりも低価格で展開する。価格帯は、シャツが1790〜2970円、スウェットが1980〜3960円、ボトムスが1980〜3960円、アンダーウェアが660〜1980円(いずれも税込)。
とのことで、価格帯はジーユーとユニクロの中間くらいだといえる。
ジーユーと同等か数百円高く、ユニクロよりも少し安い、そんな感じである。早速、3月15日にドットエスティで商品をざっくりと見てみたが、かなりベーシックな感じである。
あと、ブランド名はちょっと覚えにくく言いにくいと感じる。そして長い。そのうちに「スマシー」とか略されるようになると思う。(笑)
5年で150店舗規模の出店を目指す。
とのことで、1店舗平均で年間1億円の売上高ならブランドトータルの売上高では150億円、1店当たり2億円の売上高なら300億円、3億円なら450億円規模になる。
実際の売れ行きがどのように推移するのかは今後の成り行き次第だが、事業計画としては5年後150店舗で300億円くらいを目指しているのではないかと推測する。
「ユニクロとガチンコ」と煽り気味のメディアもあるが、国内のユニクロの売上高が8000億円なので、仮に150店舗450億円体制と見積もっても、17分の1にすぎず「ガチンコ」にはなり得ない規模感である。
逆にこのブログのコメントにもあるように「ユニ被り、ジーユー被りが恥ずかしい」という嗜好の人もおられるので、そういう人たちの選択肢の一つとして最低でも年間150億円くらいの売上高を稼ぐことは可能なのではないかと思う。
ちなみに当方は全くユニ被り・ジーユー被りを恥ずかしいとは思わなくなり、何なら「お!お揃いですね」とさえ思うようになっている。
今後は、地域密着型ショッピングセンターを中心に、総合スーパー(GMS)やショッピングセンターの衣料品売場、パワーセンター、ロードサイドなど、これまでグローバルワークを含むアダストリアが出店してこなかったチャネルに進出
という出店計画が伝えられるが、これまでアダストリアはファッションビルか大型ショッピングモールへのテナント出店がほとんどだったが、新たに総合スーパーやショッピングセンターの衣料品売り場(恐らくはテナント出店ではなく平場売り場でのコーナー展開だと推測される)などの新規出店先が想定されているところに注目してみたい。
先日、イトーヨーカドーの「自社アパレル事業撤退」が大きく報道された。しかし、その具体的な中身はまだ不明である。確実にいえることは、「アイワイベーシック」「グッデイ」「ピービーアイ」などの自社企画アパレルPBは確実に消滅するということで、現在のイトーヨーカドー内の衣料品平場にはそれなりの空白地帯が生まれる。
中にはイトーヨーカドーの衣料品平場自体を無くすのではないかという予測もあるが、一部の報道では肌着類は自社企画も継続するということも伝えられていることもあるので、衣料品平場自体は廃止しないのではないかと考えている。
そうなると、現在の主要な取引先である量販店向けアパレル企業各社からの仕入れ品を増やして売り場を産めるほかないが、それでは穴埋めはできても売れ行きんの好転はあまり見込めない。なにせ商品自体はこれまでとほとんど変わらない。
今回、アダストリアが掲げた新規出店先の総合スーパーやショッピングセンターの衣料品売り場(多分、衣料品平場)への出店というのは、自社PBが消滅したイトーヨーカドーあたりを想定しているのではないかと当方は推測する。
奇しくもイトーヨーカドーの「自社アパレル撤退」の発表からわずか数日後にアダストリアの新ブランドと新販路の発表である。
あらかじめ話ができていたとか、そこまでは思わないが、イトーヨーカドーの自社アパレル事業の先行きが極めて危ういこと、またイトーヨーカドー以外の大手総合スーパー各社のアパレルPBがあまり芳しくない環境を見据えて、時にはもしかして意見交換などした結果、今回の新ブランド立ち上げとそれに伴う新販路である総合スーパー進出という計画が練られた可能性はあるのではないだろうか。
ただ、原材料費・燃料代・光熱費の高騰は続いている中で、新たに低価格ブランドを開始するのは製造背景がどのようになっているのか興味深い部分である。
先日、久しぶりに合繊メーカーのベテランたちとお会いしたが、例えばユニクロやジーユーもこれまでの商社のOEM部隊からだいぶと離れて独自のルートで生産することが増えたという業界の噂話を聞いた。商社のOEM部隊ですら、最早、店頭価格を現状維持で抑え続けることは収益が苦しくなっていると言われている。
同様の噂はワークマンについても耳にする。
もちろん噂話に過ぎないが、この噂話が事実ではなかったとしても、すでに大手商社のOEM部隊にそのような雰囲気が漂っていることを反映している可能性が高い。
そんなわけで、今回立ち上がった「スマシー」が大手総合スーパー各社とどのように絡んでいくのか今後も観察したい。
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