ユニクロが、デザイナー クレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)手掛けるウィメンズの新ライン「ユニクロ : シー(UNIQLO : C)」を9月15日に発売する。約2年の準備期間を経て発売に至ったという同ラインの秋冬コレクションでは、ユニクロ価格はそのままに、洗練されたデザインと快適な着心地、機能性を共存させたアイテムを製作した。これまでメゾンのデザインを手掛けてきたクレアは、なぜユニクロと手を組んだのか。
クレアは2017年秋冬シーズンまでの6年間、「クロエ(Chloé)」のクリエイティブディレクターを担当した後、リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)の後任として2017年3月に「ジバンシィ(GIVENCHY)」のアーティスティックディレクターに着任。メゾンで初の女性デザイナーとなり、約3年間ブランドを率いた。
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ユニクロ : シーのデビューコレクションでは、「The sophistication of everyday」をテーマに、イギリス・ロンドンのハックニー・ウィック地区に建てられた新しい地下鉄の駅や新しいショップ、グラフィックアートなどのカラーリングから着想を得たアイテムを展開。アウターやジャケット、ニット、ボトムス、バッグ、シューズなど計34型をラインナップする。クレアはユニクロ : シーにおいてカラーパレットを重要な要素に位置付けており「カラーバリエーションが白、黒、グレーならスタイリングもしやすいが、多くの色を使いたかった。カラフルでありながらも、それぞれが組み合わさって補完しあえるような色を採用した」と語っている。
Image by: FASHIONSNAP
ウィメンズウェアの強化を課題に掲げるユニクロは、メンズ服からキャリアをスタートしたことでメンズ・ウィメンズ両方の基礎を備えつつ多面的なデザインのアウトプットを持つクレアに協業をオファー。10年以上前にデザイナー ジル・サンダー(Jil Sander)とのコラボコレクション「+J(プラスジェイ)」を購入していたクレアは「ジル・サンダーがやってきたようなことを一緒にできたら面白い」と感じタッグが実現した。
クレアは、「タイムレスであること」「長くワードローブに留まり続けること」を自身のクリエイションの軸として掲げている。かつては「安かろう悪かろう」といったイメージもあったユニクロだが、10年以上前に購入した「+J」のアイテムが現在も良い状態でクレアのワードローブに残っていることで、品質には信頼を置いており「パートナーシップを組む相手として最適だ」と考えたという。
これまでクレアが手掛けてきたジバンシィやクロエなどとユニクロでは価格帯でも大きな違いが見られるが、手に取りやすい価格帯もユニクロと手を組む一つの理由になったようだ。「メゾン時代の私のクリエイションを好んでくれた人は多かったが、全員が買えるわけではなかった。ユニクロはメゾンに比べ非常に安価なので、より多くの人に私の服を届けることができると思った」とクレア。「品質やシルエットには妥協できない」と話す彼女が提案した服のアイデアはコストが高くなりすぎることもあったというが、ユニクロが素材の代替案を提示するなど両者で試行錯誤を重ねてインラインと変わらない価格を実現した。
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今回だけのコラボレーションではなく、今後も取り組みを継続していく予定だというユニクロ:シー。デビューコレクションではウィメンズのみのラインナップだが、クレアはユニクロ:シーのメンズラインにも興味があるという。「メンズラインを作ることで、メンズウィメンズの服をミックスさせたスタイリングが可能になる。ジェンダーレスなファッションの楽しみ方を提案する自分にとって、男女ともに幅広いリーチを持つユニクロのブランド力は魅力だった」とクレアは語る。デザイナー クレア・ワイト・ケラーとユニクロの物語は、まだまだ始まったばかり。今後の展開に注目したい。
■UNIQLO : C 2023年秋冬コレクション
発売日 : 2023年9月15日(金)
取り扱い店舗:フルラインナップは68店舗とオンラインストアで発売。
※一部商品を国内全店舗で展開
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