2023年のビューティを振り返る。第2回はポイントメイクアップと、コロナ禍から勢いを増すフレグランスについて。ポイントメイクはスキンケアと同様にラグジュアリーなアイテムの登場に注目が集まり、また人気ブランドの刷新も続いた。フレグランスはニーズが拡大。日本に初上陸したブランドも多く、話題の商業施設はフレグランスブランドが席巻した。
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ポイントメイクアップ
ラグジュアリーなポイントメイクアップが、ファッションブランドから登場。よりラグジュアリーなブランドの世界観が表現されたポイントメイクは、持っているだけで高揚感が高まると人気を集めている。一方で人気アイテムの刷新も続いた。長時間続く発色やつけ心地よの良さに加え、サステナブルを意識したリニューアルが目立った。
ラグジュアリーメイクアップの登場
「シャネル(CHANEL)」は、ガブリエル・シャネルの信念を受け継ぎ、美のオブジェに昇華させたリップスティック「トランテアン ル ルージュ(31 LE ROUGE)」を発売した。メゾンの歴史からインスピレーションを得た12色を展開。メゾン初となるガラスケース入りでジュエリーのように優雅な輝きと重厚感を兼ね備えている。価格は各税込2万5300円と2万円を超えるが、リフィル(各同1万1550円)を揃えるところは、ラグジュアリーでありながら、サステナブルな時代に合わせた提案だ。
「エルメス(HERMÈS)」からは、“美の探求”の最終章の幕開けとなるコレクション「ルガール エルメス」が登場した。アイシャドウパレットオンブル ドゥ エルメス パレット クワテュール」(6種)は1万4300円。原材料の72〜98%に天然由来成分を配合し、ナチュラルカラーから印象的な色彩、メゾンを象徴するカラーが配置されているところもラグジュアリーさを際立たせている。またブラシコレクション「レ パンソー エルメス」の新作はアイラッシュ・アイブロウブラシ、アイシャドウブラシ、アイライナーブラシーを揃え、価格同1万2320〜1万3750円での登場となった。
さらに今年日本に上陸した「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」のビューティラインのリップスティック(サテン15色、マット10色、シアー5色)とクリアバーム(1色)は、リフィル(価格、各同5610円)とケース(全5種、各同5500円)を組み合わせるというもので、まずは合わせての購入で1万1110円と1万円を超える。またリップアクセサリーとしてリップブラシ(同1万450円)も用意。“欲望を刺激するような魅力的なアイテムを考えた”という、ドリスらしい世界観が現れた1品だ。また「クレ・ド・ポー ボーテ」は9年ぶりにアイシャドウ「オンブルクルールクアドリ」を刷新。全12種類で、リフィル同6380円、ケース同3300円、チップ同880円・チップ&ブラシ同880円で、揃えると同1万560円となる。
シャネル ©CHANEL
人気ポイントメイクアイテムが進化
ディオールは、人気のアイメイクシリーズ「ディオールショウ」をよりナチュラルな処方を採用して刷新した。2つの自然由来有用成分を新たに配合したアイシャドウ「サンク クルール」(全16色、各同9130円)や、リフィル式を採用したマスカラ「アイコニック オーバーカール」(全5色 うち限定2色、各同5610円)、アイライナー「オンステージ クレヨン ウォータープルーフ」(全8色、各同3960円)、自然由来成分90%配合のアイブロウ ペンシル「ブロウ スタイラー ウォータープルーフ」(全5色、各同4950円)を揃える。またチーク「ディオールスキン ルージュ ブラッシュ」(全16色、各同7150円)もリニューアル。自然由来成分に進化したフォーミュラで、肌の内側から上気したような自然な血色感を叶えるアイテムだ。さらにネイルカラー「ディオール ヴェルニ」(全21色 各同3960円)をケア効果をアップしてリニューアルした。
ディオールショウ
シャネルはネイルカラー「ヴェルニ」が、独自の自然由来成分カメリア セラミドの配合でケア効果がアップしてリニューアルし、アイコニック シェード7色に新たに17色が加わって登場。発売に先がけ、ネイルカラーにネイルステッカーをセットした「ヴェルニ セット」も話題となった。
そのほか「イヴ・サンローラン・ボーテ(Yves Saint Laurent Beauté)」(以下、YSL)が、アイコンリップ「ルージュ ピュールクチュール」(全40色、各同6050円)をリニューアル。YSLウリカコミュニティガーデンで栽培したチューベローズエキスなどリップケア成分80%配合。パッケージは100%再生可能エネルギーを使用する工場で生産し、今回からリフィル対応へと変更した。コスメデコルテは人気アイシャドウ「アイグロウジェム」を、ベースメイク発想のスキントーンを採用して肌そのものを美しく演出する「コスメデコルテ アイグロウジェム スキンシャドウ」(全30色 各税込2970円)として刷新した。
YSL
フレグランス
フレグランスニーズは、コロナ禍を経ても拡大する。人気ブランドから新製品が続々発売されたほか、日本に初上陸したブランドも。三越伊勢丹が毎年開催するフレグランスの祭典「サロン ド パルファン」は過去最多の50超ブランドが参加した。さらに年末にオープンした話題の商業施設、麻布台ヒルズに入店したビューティブランドはほぼフレグランスブランドで、フレグランスの需要が高まっていることが伺えた。
日本に初上陸ブランド
日本に初上陸として話題を集めたのが、「プラダ(PRADA)」の新たなアイコンフレグランス「プラダ パラドックス オーデパルファム」(30mL 同1万1550円、50mL 同1万5950円、90mL 同2万2550円、100mLのリフィル 同2万900円)。ブランドを共同で導いるクリエイティブ・ディレクターのミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)とラフ・シモンズ(Raf Simons)がディレクションし、ブランドのクリエイティビティを支えてきた、クラフトマンシップとテクノロジー、伝統とモダニティー、チャレンジ精神と洗練さ、厳格さと幻想性などの相反する要素の「矛盾(パラドックス)」が持つ魅力を表現した香りだ。先ほど紹介したリップスティックと同時に今年、日本に上陸したドリス ヴァン ノッテンのフレグランスはドリスが愛する花や庭園などがインスピレーション源となったオードパルファム10種(各100mL 4万700〜4万4000円)とオードトワレ2種を展開する。
そのほかサロン ド パルファンでは「台湾茶」にインスパイアされた香りのニッチブランド「P.seven茶香水」やベルリンで設立した「モス アンド ラビット(MOTH and RABBIT)」などが初出店。ニッチフレグランス専門セレクトショップ「ノーズショップ(NOSE SHOP)」は、フランス発「Roos & Roos(ロス アンド ロス)」「ドゥシタ(Dusita)」「バスティーユ(Bastille)」「アンソロジー(Anthologie)」「アート ミーツ アート(Art Meets Art)」、オマーン発「アムアージュ(Amouage)」、オランダ発「ハイラム グリーン(Hiram Green)」、イタリア発「メオ フシューニ(Meo Fusciuni)」などを日本初上陸させた。
「麻布台ヒルズ」にフレグランスブランドが集結
11月にオープンし話題を集めた麻布台ヒルズ。ブエノスアイレス発のフレグランスブランド「フエギア 1833(FUEGUIA 1833)」は「ツリーハウス」をコンセプトに、シンボルである「パフュームバー」と同様に構成した「インフュージョンバー」を設置し、創業者ジュリアン・ベデル(Julian Bedel)自らセレクトしたアルゼンチンワインを提供する。
そのほかラグジュアリールームフレグランスブランドとして人気のドイツ発「リナーリ(LINARI)」とベルギー発「バオバブコレクション(Baobab COLLECTION)」を取り扱うフレグランス専門ショップや、イタリア・カプリ島発フレグランスブランド「カルトゥージア(Carthusia)」、ノーズショップの国内11店舗目、旗艦店がオープンした。さらには2024年春には1803年にパリで創業した総合美容専門店「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(OFFICINE UNIVERSELLE BULY)」もオープンする予定だ。
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