2023年も残りわずか。コロナも落ち着き、街は訪日外国人も含め人があふれる状況に。消費行動も活発化し、ビューティ業界もその波に乗って多くの新製品の登場で売り場も活況を呈していました。そこで今回は2023年のビューティを振り返り。第1回は、プロダクトにフォーカス。スキンケアではプレステージのよりラグジュアリーになったアイテムの登場や、機能性の進化が止まらない商品が続々登場し、ベースメイクではファンデーションが豊作。マスク後の肌の“質”にこだわり、ファンデーションでもスキンケア発想のアイテムが目立った。
スキンケア
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スキンケアはハイプレステージブランドのよりラグジュアリー感が高まった新製品の登場や、人気製品のリニューアルが相次いだ。コロナ禍からマスクによる肌荒れによる、スキンケアを見直す動きが活発だったが、2024年は3月からのマスク着用が任意となり、露出面が増えた肌印象がより気になるように。エイジングサインにアプローチするだけでなく、より透明感やなめらかさといった肌本来の美しさに導く商品の登場が多く見られた。
よりラグジュアリーに進化するハイプレステージスキンケア
「ディオール(DIOR)」は、スキンケアライン「ディオール プレステージ(DIOR PRESTIGE)」から美容液「プレステージ ル ネクター プレミエ」を発売。ディオール サイエンスのすべてを集結したウルトラ プレミアム美容液で価格は30mLで税込8万8000円だ。開花後と比較して2倍に濃縮された再生因子を含むグランヴィル ローズの「初つぼみ」に着目。肌構造や質感、顔色を整え、内側からふっくらとした、なめらかでツヤのある肌へと導き、肌表面、表皮、真皮の3層で肌を修復しエイジングサインの“巻き戻し”を促すというもの。
「シャネル(CHANEL)」はウルトラ プレミアム ライン「サブリマージュ レクストレ」のプレミアムクリームと夜用美容液をリニューアルした。両アイテム共通で、肌の修正力を高める希少な成分スウェルティア(チレッタセンブリエキス/保湿成分)を新たに配合。さらにクリーム、美容液それぞれに配合した成分が、保湿や肌の保護機能にアプローチし、理想的な睡眠が取れたときのようなうるおいに満ちた肌に導く。クリームが50gで同8万9100円、美容液が30mLで同10万4500円。
「ポーラ(POLA)」の最高峰ブランド「B.A」が、エイジングケア美容液「B. A グランラグゼ」の4代目となる「B. A グランラグゼ Ⅳ」(50g 税込7万9200円)を発売。生命の本質である静と動の「連続性」や「循環」といったコンセプトを基に、これまで動に注目していたのに対し、細胞の休止期「静の時間」に着目したアイテムだ。「ゲラン(GUERLAIN)」は、ブランド最高峰のスキンケアライン「オーキデ アンペリアル」のリッチクリームを刷新し、独自処方のノウハウや希少な原料の蘭の知見を取り入れた「オーキデ アンペリアル ザ リッチクリーム N」(50mL 税込6万6000円)を発売。
そのほか「ヘレナ ルビンスタイン(HELENA RUBINSTEIN)」は、エイジングケアライン「プロディジー CELグロウ」を進化させ、美容液と乳液のハイブリッドアイテム「プロディジー CELグロウ エッセンス エマルジョン」(50mL 同4万4000円、100mL 6万6000円)を登場させ、カネボウ化粧品のグローバルプレステージブランド「センサイ(SENSAI)」は最高峰スキンケアシリーズ「ユーティーエム(UTM)」(化粧水、乳液、クリーム、価格帯同2万8600円〜7万8000円)を刷新した。「ジバンシイ(GIVENCHY)」は最高峰スキンケアシリーズ「ソワン ノワールN」から、藻類から抽出した貴重な成分を配合した新美容液「ソワン ノワール セラム コンサントレ」(30mL 税込6万500円)を発売した。
ディオール
人気製品のリニューアルも相次ぐ
「SHISEIDO」のアルティミューン「アルティミューン™ パワライジング コンセントレート IIIn」が進化して4代目に。これまでの肌免疫を高めることに加え、“睡眠”にも着目し、肌リズムを長時間に渡り整えることで肌の免疫を回復させ、肌の明るさ・ハリ・なめらかさが備わった、うるおいが湧きあがるような肌へと導く。睡眠不足が顕著な日本人にターゲットを絞った、日本限定商品だ。
コーセーはブランドを象徴するライン「AQ」をリニューアルした。「心の幸福感を最大限に美に変換」する新アプローチを採用し、先行乳液、化粧水、ナイトクリーム、デイクリーム、アイクリームを揃え、ツヤ、ハリ、弾力のある肌へと導く。
さらに花王の「エスト(est)」が、炭酸(噴射剤、炭酸ガス)泡美容液を刷新し、シワ改善とシミ予防にもアプローチする「エスト セラム ワン アドバンスド」を発売。また同じ花王の「ソフィーナiP」は先端皮膚科学研究に着目したブランドへリブランディングし、ロングセラーの土台美容液を4年ぶりに刷新、ブランド初の化粧水を発売した。さらに俳優でモデルの高橋文哉をブランドパーソンに起用したことでも話題を集めた。
そのほか「タカミ(TAKAMI)」は、ブランドを代表する「タカミスキンピール®︎」を処方はそのままに、時代に合わせよりサステナブルに容器とパッケージを刷新、そのほか12品で厳選した処方も含めリニューアルした。さらに幅広い人気を集める無印良品のスキンケアは、敏感肌シリーズとエイジングケアシリーズを相次いでリニューアル。化粧品の多様化、情報過多、環境への配慮、性別や年齢を超えたボーダレス化などといった現代社会を鑑みた刷新で、2024年春にはクリアケアシリーズのリニューアルを控える。
SHISEIDO「アルティミューン™ パワライジング コンセントレート IIIn」(50mL 価格税込1万3200円)
ベースメイクアップ
ベースメイクアップでも人気製品の再登場や、新製品、リニューアルが相次いだ。2023年はファンデーションが豊作。マスクで需要が縮小していたが、マスクの着用が任意になってから、マスクからの肌荒れやより肌そのものの“質”へのこだわりに、スキンケア発想のファンデーションが続々登場した。
ファンデーションが続々登場
資生堂のグローバルプレステージブランド「SHISEIDO」は、スキンケアエッセンスをぜいたくに配合したリキッドファンデーション「SHISEIDO エッセンス スキングロウ ファンデーション SPF30・PA+++」(全12色、同7590円 リフィル同7040円)を発売した。スキンケアの知見を生かして肌の上で働く美肌菌に着目し、メイクでもありスキンケアでもあるという発想で提案している。また資生堂からは2007年に販売を終了し2023年に再始動した「インウイ(INOUI)」で、本来もつ骨格や血色感、肌の質感も引き立て輝くツヤを叶えるクリームファンデーションを展開する。
資生堂同様によりスキンケア効果が高まったファンデーションが登場する。カネボウは、“素肌に化ける”ファンデ第2弾として、“素肌、晴れわたる”美容液ファンデーション「カネボウ コンフォートスキン ウェア」(全8色 各同6930円)を発売。「ランコム(LANCÔME)」はブランド人気No.1のファンデーション「タンイドル ウルトラ ウェア リキッド」から、スキンケア発想の新フォーミュラで、約90%の美容液成分を配合した新ツヤファンデーション「タンイドル ウルトラ ウェア ケア アンド グロウ」(全6色、各同7590円)を、「ジバンシイ(GIVENCHY)」は、深海の藻類に着目した最高峰のスキンケアシリーズ「ソワン ノワールN」から、ケア効果に優れた美容液ファンデーション「ソワン ノワール セラム ファンデーション」(全4色、各30mL 各同1万6610円)を展開。「イヴ・サンローラン・ボーテ(Yves Saint Laurent Beauté)」は94%自然由来成分配合でスキンケア効果を強化して、クッションファンデーション「アンクルド ポー ルクッションN」(価格同9900円、リフィル同6600円)をリニューアルした。「アルマーニ ビューティ(ARMANI beauty)」もブランドを代表するリキッドファンデーションを、肌のくすみを抑え、透明感と輝きをプラスするスキンケア効果を高めた「デザイナー グロー ファンデーション」(同9790円)として刷新した。
そのほか「スック(SUQQU)」が、“諭吉ファンデ”として人気を博したクリーム ファンデーションを「刷新以上のこだわりで進化」させ、新クリームファンデーション「ザ ファンデーション」(全24色、各同1万4300円)を、「RMK(アールエムケー)」もカバーしながら素肌の質感を演出する新ファンデーション「RMK ラスティング ジェルクリーミィファンデーション」(全9色、同6050円)を発売した。
カネボウ
そのほかにも続々
シャネルは:「ル ブラン」のベストセラーパウダリーファンデーションを進化させ、肌にうるおいと心地よさを与え、透明感のある肌を叶える成分を配合し、「ル ブラン ブライトニング コンパクト」として発売。(全7色、各税込1万230円、リフィル同7590円)
ディオール:クッションファンデーション「ディオールスキン フォーエヴァー クッション」を高いスキンケア効果とUVカット効果はそのままに、2つの質感でアジア人の肌色に対応する新シェードを揃えリニューアルした。(グロウ クッション リフィルSPF50・PA+++、全6色 各税込6050円・クッション リフィルSPF35・PA+++、全7色 各同6050円・ケース同3300円)
「グッチ ビューティ(GUCCI BEAUTY)」:美容成分を配合し明るくマットな質感の美しい肌を叶えるリキッドファンデーション「グッチ エテルニテ ドゥ ボーテ ルミナス マット フィニッシュ」が登場。(10色、各同9900円)
「ボビイ ブラウン(BOBBI BROWN)」:人気の「インテンシブ セラム」シリーズから、アジア限定のクリームファンデーション「インテンシブ セラム クリーム ファンデーション」(SPF25・PA++、全5色、各30ml 各税込1万450円)
「アディクション(ADDICTION)」:肌にハリとツヤをもたらす新ファンデーション「アディクション ザ ファンデーション リフトグロウ」(SPF20・PA++、全11色、各30mL 各税込6600円)
「カバーマーク(COVERMARK)」:4年ぶりの新作ファンデーション「スキンケア ジェリーファンデーション」(30g 税込1万6500円、リフィル 30g 同1万4850円)。美容成分と水分をたっぷりと蓄えたジェリー膜により、メイクアップ効果のハリとスキンケア効果のハリを両立。
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