消費者庁　RIZAPにステマで措置命令、SNS投稿に「広告」明記せず

 　消費者庁は8月8日、RIZAPグループ子会社のRIZAPが運営する、廉価ジム「chocoZAP(チョコザップ)」のウェブサイトで「ステルスマーケティング(ステマ)」を行ったなどとして、景品表示法に基づく措置命令を行った。同社がインスタグラマーに依頼して投稿してもらったチョコザップに関するくちコミについて、同社が運営するウェブサイトに、広告であることを明記せずに転載したことがステマとされた。

　同庁によれば、例えば今年3月28日、「セルフでも簡単!　毎日をもっとキレイに!　完璧つるすべ肌へ　業務用脱毛マシン採用」という同社ウェブサイトの「SNSでも話題!　絶賛の口コミ続々」という欄において、サングラスをかけた女性がセルフ脱毛の機器を使用する画像とともに、「気になっていた『chocoZAP』ついに入会しちゃった」「なんと完全個室のセルフ脱毛が使い放題!!↓これにかなり惹かれた感ある」「しかも服装自由・シューズの履き替え不要で来たままの服装でメチャクチャ気軽に通える!」などと、インスタグラムのアカウント名を表示した上でくちコミを転載していた。

　同庁では「表示内容全体から一般消費者にとって事業者の表示であることが明瞭になっているとはいえない」とし、ステマと判断。一方RIZAPでは「一般消費者にとって、当該表示内容が弊社広告であることは判別できるものと考えていたため、自社広告であることを改めて明確に示す表記は抜粋せずに表示していた」と説明。インフルエンサーにSNSに宣伝投稿を依頼する際には、「chocoZAP_officialとのタイアップ投稿」など、広告であることが明確にわかるような表示を付与してもらっているという。

　また同庁では、チョコザップの広告において、ホワイトニングや脱毛など8つのサービスについて「24時間使い放題」と記載していたにも関わらず、実際には利用時間が限られていたとして、優良誤認表示も認定。

　「＼＼1回たった10分で//理想の白い歯へ」という同社サイトにおいて3月28日と29日、「追加料金なしで　全サービスも24時間使い放題!」、「ボディメイクや美容ケアはもちろん、リラクゼーションやワーキングスペースも好きな時にご利用可能です!」など、24時間使えるかのような表示をしていた。また、2月16日以降のインスタグラムの投稿においても同様の優良誤認表示を行っていた。

　これについてRIZAPでは「チョコザップの店舗やジムが24時間いつでも利用できることを伝えるものとして表示物を制作している」と釈明。今回問題視された、8つの派生サービスについては「予約が必要であることやメンテナンス時間があること等は表記していた」としたものの、「誤認を与える可能性があったことを認め、修正・改善が必要なものと捉えている」とした。

　消費者庁では、ステマや優良誤認表示を行ったこと関して、一般消費者に周知徹底することや、再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること、今後、同様の表示を行わないことを同社に命令した。

　RIZAPでは「措置命令を厳粛かつ真摯(しんし)に受け止め、社員教育のさらなる徹底、掲載前の社内審査など、景品表示法をはじめとするコンプライアンス及び管理体制を強化し、適正な広告表示を順守し信頼回復に努める」とコメント。消費者庁に指摘された表示物については、現時点で該当表示を削除、修正しているという。