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髙島屋26年2月期は営業収益1兆円を堅持 インバウンド18%減を国内富裕層がカバー

 髙島屋が、2026年2月期(2025年3月〜2026年2月)の通期連結業績を発表した。売上高に相当する総額営業収益は前年並みの1兆323億円と、引き続き1兆円規模を確保。営業利益は同6.9%減ながら期初計画を上回る535億円で着地した。純利益は転換社債(CB)の買入消却に伴う一過性の特別損失が響き82億円の純損失(前期は395億円の黒字)となったが、CB買入消却に伴う特損影響を除いた実質的な純利益は、昨年10月時点で計画していた400億円を上回る約420億円となった。

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 セグメント別では、国内百貨店業の営業利益が同12.9%減の249億円となり、全体の利益を押し下げた。特にインバウンド売上高が同18%減と大きく落ち込んだが、足元では中国以外のアジア諸国や欧米からの需要が高まっており、「この傾向は続くと見ている」(村田善郎社長)。国内消費は下期から持ち直しており、特に高市政権発足後の株高を背景に外商を中心とした富裕層の売上が堅調に推移しているという。高額品は富裕層に加え中間層や若年層にも好調な一方、「アパレル全般は足踏み状態」だと村田社長は捉えている。

 海外百貨店業では、シンガポールは長引くインフレ下の消費停滞やコスト増加により小幅な減益、上海とタイは景気低迷や通貨高の影響で赤字が続いた。一方、ベトナムは化粧品等の改装効果やコスト抑制により増収増益となり、累積損失を解消した。

 商業開発業は、国内が外部委託費などの増加により減益、シンガポールは施設運営費増加で減益となったが、ベトナムは増収増益で着実な成長を示した。金融業はカード取扱高の伸長や年会費収入の増大により増収増益、建装業も受注増とコスト管理強化による利益率改善で増収増益となった。

 2027年2月期は、営業収益で同2.2%増の1兆550億円を見込む。国内百貨店業については、中東情勢などの地政学リスクによる先行き不透明感があるものの、営業収益として同2%増の3285億円を計画。内訳は国内顧客が6%増、インバウンドは11%減を見込む。海外百貨店は上海とタイの黒字転換を想定する。

 2027年2月期を最終年度とする中期経営計画の進捗も発表した。同社は成長ドライバーとして「次世代型SCへの転換」「ベトナム事業」「金融事業」の三つに重点投資を行っている。「百貨店の存在意義は高まっている」と語る村田社長が今後の成長戦略の要として挙げたのが、2027年秋に改装グランドオープン予定の玉川髙島屋S・Cに代表される次世代型SCだ。「多様な来店動機を則す斬新なコンテンツ」「地域社会のインフラコミュニティ形成」「百貨店と専門店とのシームレスな融合」を特徴としており、同業他社が持たないアドバンテージを最大限に活かして、館の価値の最大化を目指すという。

 ベトナム事業では2027年度にハノイ高島屋ショッピングセンターの開業、2030年度以降にホーチミン高島屋の第三期増床を予定。2026年度はホーチミンでの住宅分譲プロジェクトへの参画も進め、短期回収型事業モデルによる資本効率向上を図る。資本政策では、保有不動産をコア・準コア・ノンコアの三区分に整理し、基幹事業に直接貢献しない賃貸物件等のノンコア資産については基本的に売却を進める方針を示した。創業200周年となる2031年度には、各領域で100億円規模の事業利益を創出し、グループ全体の事業利益750〜800億円を目指す計画だ。

FASHIONSNAP 記者

山田耕史

Koji Yamada

1980年神戸市生まれ。関西学院大学社会学部、エスモードインターナショナルパリ校卒。ファッション企画会社、ファッション系ITベンチャーを経て、フリーランスとして活動した後、FASHIONSNAPに参加。ファッションを歴史、文化、経済、世界情勢などの多角的な視点から分析し、知的好奇心を刺激する記事を執筆することが目標。3児の父。

最終更新日:

■髙島屋2026年2月期連結業績
売上収益:1兆323億円(前期並み)
営業利益:535億円(前期比6.9%減)
純利益:82億円(同79.2%減)

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