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エアークローゼットがメンズに参入 12年越しの構想の裏側

メンズローンチ発表会ではタレントのユージ(左)と天沼代表のトークセッションも披露された

Image by: エアークローゼット

メンズローンチ発表会ではタレントのユージ(左)と天沼代表のトークセッションも披露された

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メンズローンチ発表会ではタレントのユージ(左)と天沼代表のトークセッションも披露された

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 エアークローゼットが、男性向け⽉額制ファッションレンタルサービス「エアクロメンズ(airCloset Menʼs)」を開始した。2014年の創業当初から構想にあったというメンズ事業。なぜ、実現までに12年の歳月を要したのか。ウィメンズ市場で培ったノウハウとテクノロジーを武器に、新たな市場に挑むエアークローゼットの現在地と未来像について、天沼聰(あまぬま さとし) 代表に話を聞いた。

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黒字化とシステム開発を足がかりにメンズ参入

 女性向けの普段着に特化した日本初のファッションサブスクリプションサービスとしてスタートしたエアークローゼットだが、サービス開始当初のプレスリリースにはメンズ展開の構想が記されていた。天沼代表は当時からメンズのファッションサブスクにはウィメンズと同程度のニーズがあると考えており、どちらから先に始めるか「相当迷った」という。結局、ファッション全体の市場はウィメンズの方が大きいことから、ウィメンズを先行させたが、その後メンズのローンチまで12年の年月がかかったのには、2つの大きな理由があった。1つ目はビジネスモデルの確立だ。「上場してからずっと投資フェーズが続いていました。2022年に東京証券取引所グロース市場に上場したタイミングで、ファッションサブスクがビジネスモデルとして成立できることを証明をしてからメンズに広げようと考えました。そこから黒字化に時間がかかってしまったことが主な理由ですね。2025年6月期に黒字化を達成したタイミングで、満を持してメンズ参入を発表しました」と、天沼代表は語る。エアークローゼットのメンズ参入は多くのメンズブランドから要望の声があったものの、「ウィメンズを成功させてからメンズに参入する」と伝えていたという。

メンズのスタイル例

Image by: エアークローゼット

 2つ目は、サービスを根幹から支える基盤づくりだ。同社のサービスは、レンタル品がユーザーから返却されるため、通常のEコマースとは異なり、検品やクリーニング、メンテナンスといった工程が不可欠となる。この独自の「循環型物流」を安定稼働させることが、事業拡大の前提条件だった。「クリーニングや倉庫の循環物流を安定させるのにも時間がかかりました。最初はレンタルから返ってきた服がどのアイテムなのか、倉庫の画面に映し出した写真を人が見て確認しており、一点一点IDを突合させるのも大変だったんです」(天沼代表)。この煩雑なオペレーションを解消したのが、独自に開発したテクノロジーとシステムだ。現在は、洗濯が可能なRFIDタグを全商品に縫い付けて管理しており、台の上を通すだけでどのアイテムが返ってきたかを瞬時に判定できるという。こうしたタグやシステムを自社で開発・導入できたことも、メンズ参入の大きな足がかりとなった。

衣服の裏側にRFIDタグが縫い付けられている

Image by: FASHIONSNAP

パーソナルスタイリングを裏側で支えるAI技術

 同社が実施した調査では、男性の約9割が「いつも同じ服装になってしまう」と感じており、その理由として「似合う服が分からない」「新しい服を探す時間がない」といった悩みを抱えていることが明らかになった。こうした課題に対し、同サービスはプロのスタイリストによるパーソナルスタイリングで応えようとしている。そのパーソナルスタイリングを裏側で支えるのが、AI技術だ。同社は2017年から産学連携でAI開発を進めており、現在は「AIスタイリストアシスタント」として実用化している。これは、ユーザーが登録した好みに関する情報と、選んだ画像のテイストに矛盾があった場合、AIがそれを検知し、どちらを優先すべきかを確認するものだ。AIの活用に関しては現在も開発検討を進めており、着用画像生成の開発も進めているが、画像認識の精度などの観点からまだ実用化には至っていないという。

メンズスタイリングのサンプル

Image by: エアークローゼット

 AIは、ユーザーの目に触れる面だけでなく、サービスの裏側でも活躍するだろうと天沼代表は考えている。「服は、見る角度を変えると見えなくなるくらい小さなシミが付くことがあり、現状は人の目で検品しています。しかし、工業製品の異常検知などでAIを活用している例があるように、将来的にはシミなどの検品でも活用できればと考えています。同じく、現状は人の手で行っている採寸にも、AI活用の余地はあるでしょう」。

 事業の根幹であるスタイリングの領域でも、最終的にはかなりレベルが高いところまでAIが担うだろうと天沼代表は考えており「私たちはパーソナルスタイリングにおいて、トレンドだけを追うのではなく『その人に似合うかどうか』を最も重視してきました。今後もそういったニーズを意識してAIを活用していきたいです」と語った。

最終更新日:

FASHIONSNAP 編集記者

山田耕史

Koji Yamada

1980年神戸市生まれ。関西学院大学社会学部、エスモードインターナショナルパリ校卒。ファッション企画会社、ファッション系ITベンチャーを経て、主夫業と並行してフリーランスとして活動した後、FASHIONSNAPに参加。ファッションを歴史、文化、経済などの多角的な視点から分析し、知的好奇心を刺激する記事を執筆することが目標。

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