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「ヘラルボニー アートプライズ 2026」の展覧会が開催、受賞作品の魅力を体感

展示風景

Image by: FASHIONSNAP

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 「ヘラルボニー(HERALBONY)」が、同社が主催する国際アートアワード「HERALBONY Art Prize 2026 Presented by 東京建物|Brillia」の受賞作家および最終審査進出作家の作品を展示するアート展「HERALBONY Art Prize 2026 Exhibition Presented by 東京建物|Brillia」を、東京・丸の内の三井住友銀行東館1階 アース・ガーデンで開催する。期間は5月30日から6月27日までで、入場料は無料。

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 開幕に先駆け、5月28日には報道関係者向けの内覧会を実施。ヘラルボニー代表の松田崇弥氏と松田文登氏をはじめ、審査員を務めた同社最高芸術責任者(CAO)の黒澤浩美氏や、グランプリ受賞作家のカー・ハン・ムイ(Kar Hang Mui)が登壇し、同アワードの意義や受賞作品について語った。

(左から)カー・ハン・ムイ、黒澤浩美、松田文登、松田崇弥

 「HERALBONY Art Prize」は、障がいのイメージ変容と福祉を起点に新たな文化の創出を目指すヘラルボニーが、2024年に創設した国際アートアワード。世界中の障がいのある表現者を対象に、その創作の力を発表する場を提供し、キャリアの芽吹きを後押しすることを目的としている。3回目となる今年度は、77の国と地域から1342人の作家が参加。審査員は、ヘラルボニー黒澤CAOのほか、東京藝術大学長の日比野克彦氏、アート・パートナーシップディレクターのハリエット・サーモン(Harriet Salmon)氏、EUWARDアーカイブおよびアトリエ・アウグスティヌム ディレクター兼キュレーターのクラウス・メッヘライン(Klaus Mecherlein)氏が務めた。

 同展では、全2943作品の応募の中から選出された、グランプリおよび企業賞、審査員特別賞の受賞作品とファイナリストの作品を含む、56作家・計62点の多彩な作品を展示。グランプリに輝いたカー・ハン・ムイの作品「Zonder titel(無題)」をはじめ、審査員特別賞を受賞した鳥山シュウの「つみかさなる」、カミジョウミカの「イエローで白い黒の進化」、ルイス・フェリペ・ダヴィラ(Luis Felipe Davila)の「HACIA MI DESEO(私の願いの方へ)」、オーシャン(Ocean)の「Time Got Away From Me 1(私から過ぎ去った時間 1)」の4作品、および9つの企業賞に選出された作品は、審査員や各企業からのコメントとともに鑑賞することができる。

カー・ハン・ムイ「Zonder titel(無題)」

 内覧会では「アートクルーズ」と題し、黒澤CAOが審査員特別賞の作品を解説。同氏が選出したカミジョウミカの「イエローで白い黒の進化」については、「ほとんどの作品は紙に画材で絵を描くというスタイルですが、彼女の作品は農業用品の寒冷紗(かんれいしゃ)や不織布、アルミホイル、自身がいつも服用している薬の袋など、身の回りにあるものを再構成して作品にしているのが特徴。外出が簡単ではない日常の中で、日々の素材と向き合う彼女の身体行為そのものがこの画面に凝縮されていて、単に『平面の絵画作品』という紹介では足りないようなエネルギーが溢れています」と、その魅力と評価の理由を語った。

カミジョウミカの受賞作品「イエローで白い黒の進化」を紹介する黒澤浩美氏

 また、オランダから来日したグランプリを受賞作家のカー・ハン・ムイも登壇し、黒澤CAOによるインタビューを交えながら作品を紹介。深みのあるエメラルドグリーンの色彩と緻密な筆致が特徴の受賞作について、特に具体的なテーマやモチーフはなく、そのとき頭の中にあるものを描いたことや、大きな白い紙の上に数百色の色鉛筆を用いて描く制作スタイルであることなどを明かした。

グランプリ受賞作「Zonder titel(無題)」とカー・ハン・ムイ

 内覧会の冒頭で登壇した松田崇弥代表は、過去の受賞者の活躍に触れ、「第1回のグランプリ作家である浅野春香は、受賞後に国連での講演など多角的に活動を広げ、第2回のグランプリ作家であるエヴリン・ポスティックの作品は、先日ヴェルサイユ宮殿で展示されました。これからも、このアワードを受賞した作家たちのキャリアの後押しを当たり前のように応援できる存在になっていきたいと思っています」と話した。

 また、自身の原点である障がいのある兄のエピソードを交えつつ、「『障害』と語った瞬間に支援や貢献の文脈に乗り、アートそのものが正当に評価されない土壌がある難しさを感じています。本アワードを通じて『障がい』という言葉が持つイメージや価値観を変え、見えないボーダーを見つめ直すことが、豊かな社会をつくるきっかけになると考えています」と思いを語った。さらに、同展の特徴である「企業賞」については、受賞作家に対して、企業との連動を通じて正当な対価が支払われ、作家を持続的に応援できる仕組みを構築していくことができるという強みを強調。その仕組みをより強化し拡大していくことの重要性を示した。

松田文登と松田崇弥

 続いて松田文登代表が登壇し、直近ではパリ日本文化会館での受賞作家による展示や、ポンピドゥー・センターをはじめとした美術館との連動など、国内外で多様な取り組みが進んでいる現状を紹介。同社の活動は、展覧会の開催やその場での作家のフィーチャーにとどまらず、作品を広く展開し世界に届けていくことで、「障がい」という言葉がもつイメージや価値観を変化させるような「社会運動」を作っていくことが目的だと説明した。報道陣に対しては、「『障がい者アート展』としてではなく、純粋に一人の作家としてすごく面白い作品が、私たちが生きる社会に存在しているという事実を伝えていただけたら」と呼びかけた。

最終更新日:

■HERALBONY Art Prize 2026 Presented by 東京建物|Brillia Exhibition
会期:2026年5月30日(土)~6月27日(土)
場所:三井住友銀行東館1階 アース・ガーデン
所在地:東京都千代田区丸の内 1-3-2
時間:10:00〜18:00
入場料:無料
キュレーション:黒澤浩美
主催:ヘラルボニー
展覧会特設サイト

FASHIONSNAP 編集記者

佐々木エリカ

Erika Sasaki

埼玉県出身。早稲田大学国際教養学部卒業後、国内大手アパレルメーカー、ケリング傘下ブランドのMDなどを経験した後、2023年にレコオーランドに入社。現在はウィメンズファッションをメインに担当。ファッションやカルチャーへの熱量と同様にジェンダーや社会問題にまつわるトピックにも関心があるため、その接点を見出し、思考や議論のきっかけとなるような発信をしていけたらと願っている。

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