「次世代を育て、日本文化を繋いでいく一端に」 コシノヒロコの展覧会が東京都現代美術館で開幕

「(UN)KNOWN HIROKO KOSHINO ー新説/真説 コシノヒロコー」展示風景、東京都現代美術館、2026年
Image by: FASHIONSNAP(Kazuki Ono)

「(UN)KNOWN HIROKO KOSHINO ー新説/真説 コシノヒロコー」展示風景、東京都現代美術館、2026年
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東京都現代美術館で、ファッションデザイナー コシノヒロコの過去最大規模の展覧会「(UN)KNOWN HIROKO KOSHINO ー新説/真説 コシノヒロコー」が開催される。会期は、5月26日から7月26日まで。開幕前日の今日、会場ではプレス向け内覧会が行われ、開会セレモニーにはコシノヒロコ氏や小池百合子東京都知事らが登壇した。
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「(UN)KNOWN HIROKO KOSHINO ー新説/真説 コシノヒロコー」展示風景、東京都現代美術館、2026年
コシノヒロコは、森英恵や三宅一生ら同時代に日本のファッション文化の形成期を牽引し、ローマのアルタ・モーダ(オートクチュール)やパリ・ファッションウィークをはじめとした国際的な舞台で作品を発表。幼少期から親しんできた日本の伝統文化を起点とした美学を国際的なファッションの言語へと翻訳することで、西洋中心に語られてきたモードの歴史に新たな視座をもたらしてきた。
同展では、コシノヒロコのコレクション作品約200点と絵画作品約130点をはじめとする展示物を披露。同氏の創造的実践と、既存の人物像やブランドイメージを超えた表現者としての姿を、5つの章を通して紐解く。半世紀を超えるキャリアの中で生み出されてきた膨大な作品群の中から、現代の感覚や価値観と共振するものを厳選し、コシノ氏が活動してきた各時代の社会状況や文化的文脈、同時代の芸術表現との関係性を重ね合わせながら、その表現が立ち現れた理由や、現在にもたらす意味を問い直す機会を提供する。

「(UN)KNOWN HIROKO KOSHINO ー新説/真説 コシノヒロコー」展示風景、東京都現代美術館、2026年
第1章 「原体験と想像力──コシノヒロコの世界」では、同氏の創作の原体験である、幼い頃に祖父に連れられて見た歌舞伎や文楽、浄瑠璃の世界のマキシマリズムな美学と、「絵を描くこと」を軸に、半世紀以上にわたって手掛けてきた歴代のコレクションの数々を、多様なアート作品とともに展示。1978年に日本人として初めてローマのアルタ・モーダで発表したオートクチュールコレクションをはじめとした多彩なコレクションに加え、コシノ氏が手掛けた墨絵やアクリル画、油彩によるペインティング作品や、タペストリー、歌舞伎座公演での舞台幕、長唄の映像など、領域横断的な表現を披露する。



「(UN)KNOWN HIROKO KOSHINO ー新説/真説 コシノヒロコー」展示風景、東京都現代美術館、2026年
第2章「交錯する美学──コシノヒロコと日本的モダニティ」では、コシノ氏の歴代のコレクションとともに、日本のクリエイションが国際的な存在感を高めていった、同時代の多様な領域の表現を参照。田中一光の「冬季オリンピック札幌大会'72[試作]」や、石岡瑛子が制作した1979年のPARCOの広告ポスター、倉俣史朗の「ミス・ブランチ」、村上隆の「そして、そしてそしてそしてそして」などの作品と並列することで、コシノ氏の表現史と時代精神の関係を浮かび上がらせる。

「(UN)KNOWN HIROKO KOSHINO ー新説/真説 コシノヒロコー」展示風景、東京都現代美術館、2026年
第3章「コラボレーション──群像」では、建築家 安藤忠雄氏をはじめ、演出家や音楽家など、これまでファッション領域以外のさまざまなアーティストとの協働を重ねてきたコシノ氏の活動を踏まえ、フランス・パリを拠点に活動する現代アーティスト マティルド・ドゥニーズとの新たなコラボレーション作品「Where Stories Linger」を公開。廃棄されたオブジェクトや自身の過去の絵画を用いる「コスチューム・ペインティング」の手法で知られる同氏が、コシノ氏の過去のコレクションで用いたテキスタイルや衣服を再構築した、2つのインスタレーション作品を披露する。

「(UN)KNOWN HIROKO KOSHINO ー新説/真説 コシノヒロコー」展示風景、東京都現代美術館、2026年
第4章「テキスタイルへの情熱──創作の核心」では、同氏のコレクションの表現を支える重要な要素であるテキスタイルにフォーカス。織りや染め、刺繍、プリント、最先端の過去技術、大胆な色彩表現などを駆使してゼロから生み出された多種多様なテキスタイルを用いた100点以上のコレクションがラックにずらりと並び、その豊かさを実際に手で触れながら体感することができる。また、国内外で活躍するフォトグラファー 岡本充男が同展のために撮り下ろしたヴィジュアルも展示。スタイリングはコシノヒロコのチームが、フォトディレクションはSTUDIO KIGI &が、ヘアメイクは石川ひろ子が担当した。


「(UN)KNOWN HIROKO KOSHINO ー新説/真説 コシノヒロコー」展示風景、東京都現代美術館、2026年
第5章「絵描き少女と子どもたち──未来への恩返し」では、コシノ氏が監修する、公益財団法人東京都歴史文化財団による「ネクスト・クリエイション・プログラム こどもファッションプロジェクト」に参加した子どもたちの作品を展示。「つくってみたい服」をテーマにデザインした洋服や、オリジナルの犬のぬいぐるみのための衣装などを展示する。そのほか、ミュージアムショップでは同展限定のグッズを販売。トートバッグやTシャツ、ポストカードなどに加え、ブランドのアーカイヴのファブリック残反を用いた一点物の小物や、全てパッケージのデザインが異なるコシノ氏が組み合わせを特注した10色のパステルセット(限定100点)などをラインナップする。



「(UN)KNOWN HIROKO KOSHINO ー新説/真説 コシノヒロコー」展示風景、東京都現代美術館、2026年
また、内覧会前に行われた開会セレモニーには、コシノヒロコ氏をはじめ、小池百合子東京都知事や、コシノヒロコ展実行委員の小篠由佳氏、公益財団法人東京都歴史文化財団の二宮雅也理事長が登壇した。
小池都知事は、「日本を代表する国際的なファッションデザイナーであるコシノヒロコ先生は、根本的に『アーティスト』だと思っております。この展覧会でも、ファッションはもちろん、絵画や日本の伝統文化、空間プロデュースまで、この東京都現代美術館をフルに活用してメッセージを伝えようとしていらっしゃいます。常に活発に活動され、若い方たちを引っ張っていらっしゃるコシノ先生ですが、これからも元気で素晴らしい作品を発信していただけたらと祈っております。この度はおめでとうございます」と話し、同展の開催を祝福した。


小池百合子都知事
コシノヒロコ氏は、「こうして私の展覧会のためにお集まりいただきありがとうございます。ファッションは、時代を物語る行為であると同時に、私の人生そのものなんです。私はそれぞれの時代を通じてエネルギーを発揮しながら、約60年間ずっとクリエイションを続けてきました。そのデザインは決して突飛なものではなく、常に人間に寄り添って作ってきたので、一人ひとりがご覧になると、きっと共感していただける作品がたくさんあると思います」とコメント。また、同展の開催意図について「『私の作品を見てほしい』ということではなく、こうして長年作られてきたものの中にあるその時代ごとのエネルギーを若い人たちにも見て感じていただくことで、次世代を育て、日本の文化を繋いでいく一端となれれば大成功だと思っております。ぜひ多くの若い方たちにも見ていただけたら嬉しいです」とその背景にある思いを語った。

コシノヒロコ氏
また、セレモニーの最後には、コシノ氏がライブドローイングを披露。壇上の白いパネルをキャンバスに、墨絵で力強く4人の女性たちの姿を即興で描き、式を締め括った。




ライブドローイングを行うコシノヒロコ氏
最終更新日:
◾️(UN)KNOWN HIROKO KOSHINO ー新説/真説 コシノヒロコー
会期:2026年5月26日(火)〜7月26日(日)
会場:東京都現代美術館 企画展示室 B2F
時間:10:00〜18:00
休館日:月曜日(7月20日は開館)、7月21日(火)
所在地:江東区三好4-1-1観覧料:一般 2200円、大学生・専門学生・65歳以上 1500円、中高校生 800円、小学生以下 無料
公式サイト
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