Fashioninterview

【同世代対談】ホワイトマウンテニアリング相澤陽介×ファセッタズム落合宏理 〜デザイナー達のリアル〜

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■「こいつ何かやりそうだ」と思われなかったら終わり

―落合さんが受賞してパリ出展したのは「東京ファッションアワード」がきっかけでしたが、他のコンテストやデザイナー支援については興味ありますか?

相澤:僕は、自分たちの事業の中で出来ることをやってみたいっていう普通のスタートだったから、支援とかコンテストとかに縁がないな。メンズデザイナーって、日本では特に賞とかあまり選ばれてないでしょ。

落合:デザイナー支援に関して言えば、これまで日本で成功例があまりなかったのかなとも思う。支援を受けて、その後が大事なんだけど結果が出せてないとか。ショーかゴールになっちゃってたり。

相澤:支援ありきで考えてしまうのはよくない。経験が浅すぎたり可能性を見出しにくい人たちが支援を求めても、結果出せないよね。支援する側もどうしたら良いかわからなくなるだろうし。支援があるから何かアクションを起こしてみようじゃなくて、目的を達成するための過程として必要なサポートだったら、結果が出せるんじゃないかな。すでに売上を持ってるところが更に飛躍するための支援もあったらいいし、枠組みがわかりやすくなるといいと思う。

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10月のファッションウィーク東京や、その次のシーズンのことは何か考えてますか?

相澤:落合くん、東コレはギリギリで何かやりそうだよね。

落合:まだわからないけど「こいつ何かやりそうだ」って思われなかったら終わりでしょ? 自分でもそう思って作り込んでると、急にスゴイことが出来たりすることもあるし。ギリギリでなんとかなるって、アンリアレイジ(ANREALAGE)の森永くんと近いかもね。

相澤:森永くんも海外でがんばっているけど、なんとなく落合くんの方が堅実派なのかな?

facetasm_15aw_w01.jpg前回ファッションウィーク東京のトリを飾った FACETASMの2015年秋冬コレクション(ウィメンズ)

落合:世界に出てアクションを起こす機会を頂いた今は、どこにお金を使うかということを考える段階。これまで見ていたところが狭すぎたということも感じたし。自分たちの選択肢が広がった中で、ミラノも良かったけどビジネスとしてはパリなのかなと思ってる。相澤くんは凱旋ショーとかやらないの?

相澤:パリでやってる限り、資金の問題もあるしできないな。サポートや環境があったら、日本でもやりたいと思うけどね。まあでも立ち位置的にフジロックで言えば、ホワイトステージの昼間あたりで。

落合:やっぱりホワイトなんだ(笑)。僕だったらグリーンステージを目指したいかな。

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White Mountaineering × adidas Originals 2016年春夏の新作スニーカー

■東京五輪を手がけるデザイナーは誰?

―いま何かとパブリックデザインが話題です。相澤さんはロンドン五輪の時にミズノで公式ユニフォームをデザインしていましたが、2020年の東京五輪に興味は?

相澤:ロンドン五輪のユニフォーム(=2012年8月の記事参照)は評判よかったけど、やはり国を挙げて作り上げて成功していたと思うのは英国チームで、ステラ・マッカートニーの仕事は素晴らしかった。全部アディダスがフォーマットで作れていたから、包括的なグランドデザインができていたんだよね。なんか今の日本は誰がやってもデザインが批判されるような状況になっているけど、一連の問題を見ていると、パブリックデザインに対してプロセスが見え難いと思う。だから、もう少しクリアにしていく必要はあるように感じてる。

落合:そうだね。僕は、世界的なイベントだし出る幕があったら関わっていきたいとは思ってる。陸上をやってたし興味あるよね。でも、東京五輪に関しては大先輩デザイナーの方々にやって頂くべきじゃないかな。

相澤:それがいいと思う。でも、冬季五輪はいつか何かやりたい。

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―最後になりますが、率直に今、デザインをしていて楽しいですか?

相澤:楽しいです。"ファッションで夢を与える"とかはドライな自分にはあまり響かないんだけど、落合くんが熱くやってるのをみるとそういうのもいいなって思う。

落合:僕もデザインしている時間が一番楽しい。ファッションは自由だから面白がってもらいたいし、楽しさを伝えていきたいと思ってるから。

相澤:大学で講師をしているから生徒達とよく話すんだけど、みんな将来に不安を持っているんだよね。次の授業は落合くんにも来てもらう予定だから、その熱を若い子達に伝えてよ。

落合:そんなに熱血じゃないって(笑)。

(聞き手:小湊 千恵美)

■相澤陽介 Yosuke Aizawa / White Mountaineering デザイナー
 1977年埼玉県生まれ、多摩美術大学の染織デザイン学科を卒業
 2006年 White Mountaineeringを創立
 2009年 代官山に路面店をオープン
 2009年9月 2010年春夏コレクションで初のランウェイショー
 2013年1月 ピッティ・ウオモのゲストに選ばれ海外で初のランウェイショー
 2013年 Moncler Wのデザイナーに就任

 2014年秋冬から BURTON THIRTEENのデザイナーに就任
 2015年春夏から Barbour Beacon Heritage Rangeのデザイナーに就任
 2015年1月 2015-16年秋冬 パリでプレゼンテーション
 2015年6月 2016年SS adidas originalsとのカプセルコレクションをパリのプレゼンテーションで発表

 「White Mountaineering」のブランドコンセプトは〝服を着るフィールドは全てアウトドア〟 デザイン、実用性、技術の3つの要素を一つの形にし市場には屈しない姿勢でのものづくり >> 公式サイト

■落合宏理 Hiromichi Ochiai / FACETASM デザイナー
 1977年東京生まれ
 1999年 文化服装学院卒業
 2007年春、自身のブランド「FACETASM」を始動
 2012年春夏 初のランウェイショー開催
 2013年10月 「毎日ファッション大賞」の新人賞・資生堂奨励賞を受賞
 2014年10月 第1回「TOKYO FASHION AWARD」受賞
 2015年6月 2016年SS ミラノでアルマーニ支援プログラムに選出されランウェイショー開催

「FACETASM」は造語で、「facet」は宝石の切り子面を意味し、「様々な顔」「様々な見え方」という意味が込められている >> 公式サイト

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