Fashioninterview

【同世代対談】ホワイトマウンテニアリング相澤陽介×ファセッタズム落合宏理 〜デザイナー達のリアル〜

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―2016年春夏のメンズシーズンは、ホワイトマウンテニアリングはパリ、ファセッタズムはミラノで発表でした。

落合:僕は「東京ファッションアワード」を受賞して、パリのショールームで合同出展して、そしてミラノの若いデザイナーたちが羨望するような場所でショーができたことは素直に感動した。いい形でデビューすることができたと思う。

facetasm_milan_02.jpgFACETASM 2016年春夏メンズコレクション>>全ルック

相澤:今回のコレクション、派手さが抑えられてた気がしたけど、それはあえて?

落合:前回までに比べるとそうかもね。メンズの王道の地でファセッタズムならではの"今"の感覚を見せようと思って作った。メンズだけのショーだったから演出も変えたし。もちろん「まだまだやれる」と思うこともたくさんあるよ。海外バイヤーは見方が違ったりもするし、発表時期も納期も早いから、やり方を変えていかなければいけないとは感じてる。盛り上げるだけじゃなくて、しっかりと実績を作らないと。

相澤:そうだね。僕も、セールスやブランドのポジショニングを理解した上でちゃんと実績を積み上げて、ブランドがどの地に立つべきかを考えてる。それが、パリで発表するという必然の流れになっているのかな。ホワイトは今、すごくいい状態なんだよね。パリのプレゼンテーションは一から作っているから大変だけど、構造ができてきた。来る人数が多くないけど、見てほしい人に来てもらえてる。これをすぐに大きな物にしようとは思っていないけど、情報を提供していかないと話題になりにくい側面があるから、常に新しいことをやろうとは考えていて。今回発表したアディダス オリジナルス(adidas Originals)とのカプセルコレクションとかね。

■"メーカー"になっていけばいい

―海外でビジネスを広げるにはいろいろな選択肢がありますよね。ショールーム、PRやセールスのエージェント、展示会も単独なのでしょうか。それとも合同なのでしょうか。

落合:先シーズンからパリのショールームと契約していて、ドーバーストリートマーケット全店舗を含め、海外の取り引きが広がり始めたところ。毎シーズン、うちの規模で対応できるMAXまで増やしてきたつもり。海外はブランドを純粋な感覚で評価する方たちが多いよね。もちろん今後も続けていくつもりだけど、次シーズンについてはどういう形で出展するかはまだ考え中。

相澤:うちは今、パリとミラノでショールームに入ってる。ニューヨークで展示会をしていた頃からそうだけど、ショールームは他のデザイナーと交流するのも面白いし、世界中のバイヤーやマーケットの情報を得てコミュニケーションできるのがいいと思う。何か海外でアプローチしようとする時に、視野が広がるから。

wm_16ss_bk_01.jpgWhite Mountaineering 2016年春夏コレクション>>全ルック

―セールス面ではどこも厳しい時代。結果を出し続けるということは、大きな課題ではないかと思います。

相澤:ブランドを設立して、ショップを作ったり比較的早い段階で色々な経験ができていたけど、 その過程で様々な失敗を重ねていることもあって、セールスについての比重を大きく考えるようになったのは今の代官山店に移転してきた時期からかもしれない。地方のディーラーさんのリクエストに応えたり、コラボレーションする場合も相手任せだけじゃなくて「自分たちで売ってこう」って形でやってる。上代についても、僕はサンプルが上がったら一旦、全て見た目で値付けしていて、それに原価がはまるように生産面で工夫するとか。全体的にもっと価格を下げたいんだよね。

 そういう積み重ねもあって、今メンズで数字を取る事が難しいと言われている中で、着実に伸びてきているのだと思う。昔と最終的な着地点は変わってないんだけど、過程が随分と変わったかもしれない。それはクリエイションという部分ではなくて、単純にプロダクトを作る意味という事で。でもそうすると、どんどん普遍的な服が多くなるから、コレクションをやる時に困ることもあるんだけどね。

落合:僕はクリエイションを第一に考えてるから、逆に後からベーシックなものを組み合わせていく形かも。でも、もちろんこれが世界の市場に出た時にフィットするかどうかも考えているし、セールスに関しては大きな課題もある。うちもいよいよショップの計画が進んでいるから、色々な意味で次のステップに進めそうな段階かな。

相澤:今はお店やお客様の目線が大事。そして、アウトプットの方法論の両翼がないと上手く進まない。ブランドが本当にいいチームに成長してるからスタッフを信頼してるし、その中で自分の役割とかできることはなんだろうって考えながらやっていくスタイルに変わっていった。だから今は決して"相澤のホワイトマウンテニアリング"ではないんだよね。もっと普通に、"メーカー"になっていけばいいと思って。

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