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【決算おさらい】国内アパレル関連大手12社の注目トピックを解説 2025年度上期版

【売上規模別】国内アパレル大手12社の売上高ランキング 2023年度上期版

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【売上規模別】国内アパレル大手12社の売上高ランキング 2023年度上期版

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【売上規模別】国内アパレル大手12社の売上高ランキング 2023年度上期版

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 大手アパレル企業の2025年度上期決算が出揃いました。2025年度の上期では、円安の進行で訪日外国人旅行者数が増加し、インバウンド需要が活発化したことや、賃上げによる消費マインドの高まりなどを受け、多くの企業が増収増益を記録。上期として過去最高業績を達成した企業も少なくありませんでした。一方で、中国の市況低迷で海外事業が不振に陥るなど、減収または減益となる企業も見られました。

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 刻一刻と移り変わる経済状況の中で、更なる成長戦略を描く各社の業績傾向は? 今回はアパレルに関連する大手12社をフィーチャーし、決算を売上規模順で紹介。2025年度上期の主な取り組みと下期の注目トピックもまとめました。

1兆円台

ファーストリテイリング(2025年8月期上期)1兆7901億9800万円

2025年8月期第2四半期(2024年9月〜2025年2月)
売上収益:1兆7901億9800万円(前期比12.0%増)
営業利益:3042億1700万円(同18.3%増)
親会社の所有者に帰属する当期利益:2335億6600万円(同19.2%増)

<主なトピック>

  • 全社として大幅な増収増益で、上期として過去最高の業績を達成。
  • 国内ユニクロ事業は、気温に合わせて戦略的に商品を供給したことや、インバウンド売上が寄与して売上収益は前年同期比11.6%増、営業利益は同26.4%増。業績予想を大幅に上回り、同期として過去最高業績を更新した。
  • 海外ユニクロ事業では事業改革の途中にあるグレーターチャイナが減収減益だったものの、東南アジア・インド・豪州地区、北米、欧州は増収増益。全体として大幅な増収増益で着地した。
  • ジーユー事業は、バレルレッグパンツなどがヒットし同3.9%の増収。一方で、米国の旗艦店出店に伴う賃借料や本部費の増加に加え、日本でTVCMを増やしたことで広告宣伝費がかさみ同9.3%の減益だった。
  • グローバルブランド事業はセオリー事業が苦戦し減収も、粗利益率、販管費比率が改善したことで営業利益は黒字転換。
  • クリエイティブディレクターにデザイナー クレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)が就任
  • グローバル旗艦店「ユニクロ 新宿本店」がオープン
  • 2025年版の日本企業のブランド価値ランキングでユニクロが4位にランクイン

<通期のトピック>(※通期はすでに終了しているため、その主なトピックスをピックアップ)

  • 増収増益で、4期連続で過去最高業績更新。アパレル小売業世界2位のH&M(2024年11月期で売上高約3兆7800億円)を視界に捉えた。
  • ユニクロの国内売上高が初めて1兆円を突破し、前年同期比10.1%増の1兆260億円で着地。
  • 海外事業は北米や欧州、韓国、東南アジア・インド・豪州が大幅な増収増益。グレーターチャイナは減収減益だったが、事業利益は改善傾向で、構造改革は順調に進捗。
  • ジーユー事業は増収も、業績予想を下回り大幅な減益。報酬引き上げに伴う人件費の増加や、米国出店の費用増が響いた。
  • グローバルブランド事業は、セオリー事業の苦戦と、コントワー・デ・コトニエ事業で事業構造改革に伴う減損損失が発生したことで減収減益を記録。
  • 従業員の年収を最大で54%引き上げ。新入社員の年収は500万円強に。
  • ジーユーの柚木治社長が退任。新社長に黒瀬友和氏が就任。
  • ユニクロが俳優 ケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)とグローバルブランドアンバサダー契約を締結

2025年8月期通期業績
売上収益:3兆4005億3900万円(前期比9.6%増)
営業利益:5642億6500万円(同12.6%増)
親会社の所有者に帰属する当期利益:4330億900万円(同16.4%増)

2000億〜4000億円

良品計画(2025年8月期上期)3820億2300万円

2025年2月期第2四半期(2024年9月〜2025年2月)
売上高:3820億2300万円(前期比19.4%増)
営業利益:361億500万円(同49.8%増)
親会社株主に帰属する当期純利益:254億円8200万円(同61.6%増)

<主なトピック>

<通期のトピック>(※通期はすでに終えたため、通期のトピックスをピックアップ)

  • 大幅な増収増益で、全利益段階において過去最高業績を達成。
  • 海外事業が中国大陸、欧米を中心に好調に推移。全地域で増収増益を記録。
  • 無印良品の会員制アプリ「MUJI passport」を刷新
  • 取締役会長 堂前宣夫氏の退任を発表。

2025年8月期通期連結業績
売上高:7846億2900万円(前期比18.6%増)
営業利益:738億4000万円(同31.5%増)
親会社株主に帰属する当期純利益:508億 4600万円(同22.3%増)

しまむら(2026年2月期上期)3435億7700万円

2026年2月期第2四半期(2025年3月〜2025年8月)
営業収益:3435億7700万円(前期比3.9%増)
営業利益:314億6100万円(同0.2%増)
親会社株主に帰属する当期純利益:229億100万円(同3.6%増)

<主なトピック>

  • 上期として、売上高だけではなく各段階の利益で過去最高を更新。
  • 全事業で前年同期の営業収益を超過。各事業で天候に左右されにくい売上づくりに注力したことが奏功。
  • しまむら事業では、前下期に実施した「超サプライズセール」を上期で初めて開催。初日の客数が100万人を超えるなど好評。
  • バースデイが新ブランド「アンドミニョン」を始動。

<通期のトピック>

  • グループの公式オンラインストアおよびアプリを統合。「しまむらパーク」としてリニューアル。
  • グループとして東南アジア市場への進出を計画。タイ・バンコクの大手ショッピングセンターでポップアップを開催するほか、同時期に現地ECサイトをオープン予定。

2026年2月期通期連結業績予想
営業収益:6926億4000万円(前期比4.1%増)
営業利益:606億9000万円(同2.4%増)
親会社株主に帰属する当期純利益:428億5800万円(同2.3%増)

1000億〜2000億円

アンドエスティ/前アダストリア(2026年2月期上期)1493億4500万円

2026年2月期第2四半期(2025年3月〜2025年8月)
売上高:1493億4500万円(前期比3.6%増)
営業利益:79億7300万円(同19.4%減)
親会社株主に帰属する当期純利益:59億8700万円(同13.7%減)

<主なトピック>

<下期の注目>

2026年2月期通期連結業績予想
売上高:3050億円(前期比4.1%増)
営業利益:190億円(同22.5%増)
親会社株主に帰属する当期純利益:124億円(同29.0%増)

ワールド(2026年2月期上期)1369億1600万円

2026年2月期第2四半期(2025年3月〜2025年8月)
売上収益:1369億1600万円(前期比24.3%増)
営業利益:93億1700万円(同18.1%増)
親会社の所有者に帰属する当期利益:56億4000万円(同20.8%増)

<主なトピック>

<下期の注目>

  • ナルミヤ・インターナショナルがポートフォリオに加わったことで、通期として大幅な増収増益を計画。
  • 再建進めるライトオンが業績を大幅改善。2026年8月期は黒字転換を見込む。

2026年2月期通期連結業績予想
売上収益:3000億円(前期比32.9%増)
営業利益:195億円(同16.5%増)
親会社の所有者に帰属する当期利益:120億円(同8.6%増)

オンワードホールディングス(2026年2月期上期)1126億3600万円

2026年2月期第2四半期(2025年3月〜2025年8月)
売上高:1126億3600万円(前期比18.4%増)
営業利益:57億3600万円(同9.1%増)
親会社株主に帰属する当期純利益:48億2200万円(同17.4%増)

<主なトピック>

<下期の注目>

2026年2月期通期連結業績予想
売上高:2300億円(前期比10.4%増)
営業利益:115億(同13.3%増)
親会社株主に帰属する当期純利益:100億円(同17.4%増)

500億〜1000億円

ワークマン(2026年3月期上期):761億3700万円

2026年3月期第2四半期(2025年4月〜2025年9月)
営業総収入:761億3700万円(前期比15.7%増)
営業利益:144億4400万円(同21.1%増)
中間純利益:92億2700万円(同22.5%増)

<主なトピック>

<下期の注目>

  • 1500店舗体制に向けて出店強化。新規で49店舗の出店を計画。
  • 初のスマホアプリをリリース。
  • 上期の業績が上振れたため、通期予想を上方修正。営業総収入で前年同期比13.2%増の1550億円、営業利益で同15.6%の282億円と大幅な増収増益を見込む。

2026年3月期通期業績予想
営業総収入:1550億円(前期比13.2%増)
営業利益:282億円(同15.6%増)
当期純利益:197億円(同16.6%増)

ユナイテッドアローズ(2026年3月期上期):737億1300万円

2026年3月期第2四半期(2025年4月〜2025年9月)
売上高:737億1300万円(前期比8.0%増)
営業利益:23億7800万円(同19.5%減)
親会社株主に帰属する四半期純利益:11億2700万円(同40.6%減)

<主なトピック>

<下期の注目>

2026年3月期通期連結業績予想
売上高:1656億7700万円(前期比9.8%増)
営業利益:90億円(同12.7%増)
親会社株主に帰属する当期純利益:50億8400万円(同18.7%増)

TSIホールディングス(2026年2月期上期)661億6700万円

2026年2月期第2四半期(2025年3月〜2025年8月)
売上高:661億6700万円(前期比12%減)
営業利益:6億4000万円(前年同期は2億2100万円の赤字)
親会社株主に帰属する当期純利益:42億円(前年同期は1億6700万円の赤字)

<主なトピック>

<下期の注目>

  • デイトナ・インターナショナル買収による連結影響を踏まえ、通期業績予想を上方修正。売上高で修正前比160億円増の1690億円を見込む。
  • ウォーターフロントを完全子会社化。レインウェア事業新規参入へ。

2026年2月期通期連結業績予想
売上高:1690億円(前期比7.9%増)
営業利益:57億円(同248.4%増)
親会社株主に帰属する当期純利益:42億円(同72.4%減)

100億〜500億円

三陽商会(2026年2月期上期):270億4200万円

2026年2月期第2四半期(2025年3月〜2025年8月)
売上高:270億4200万円(前期比3.1%減)
営業損失:2億1300万円(前期は5億9900万円の黒字)
親会社株主に帰属する四半期純損失:2億9900万円(前期は4億5700万円の黒字)

<主なトピック>

<下期の注目>

  • 百貨店・直営店・アウトレット合わせて17店舗の新規出店を計画。売上高は通期で前年同期比1%減の599億円を見込む。
  • 販管費は、経営戦略「選択と集中」の実行、店舗および社内の運営効率化等により、前年から3.3億円削減した348億円を計画。

2026年2月期連結業績予想
売上高:599億円(前期比1.0%減)
営業利益:23億円(同15.3%減)
親会社株主に帰属する当期純利益:41億円(同2.3%増)

バロックジャパンリミテッド(2026年2月期上期):248億100万円

2026年2月期第2四半期(2025年3月〜2025年8月)
売上高:248億100万円(前期比10.5%減)
営業損失:7700万円(前期は1億600万円の黒字)
親会社株主に帰属する四半期純利益:1100万円(前期は3億9000万円の赤字)

<主なトピック>

<下期の注目>

2026年2月期連結業績予想
売上高:576億200万円(前期比1.0%減)
営業利益:22億2700万円(同174.1%増)
親会社株主に帰属する四半期純利益:13億3800万円(前期は25億7500万円の赤字)

TOKYO BASE(2026年1月期上期):102億9300万円

2026年1月期第2四半期(2025年2月〜2025年7月)
売上高:102億9300万円(前期比13.0%増)
営業利益:7億9500万円(同52.0%増)
親会社株主に帰属する当期純利益:4億6300万円(同80.5%増)

<主なトピック>

  • 上期として売上高、各段階の利益高ともに過去最高を更新。通期業績予想を上方修正。
  • 「コンズ(CONZ)」やスーベニアショップ「グッドエディション(GOOD EDITION)」といった新業態が売り上げに貢献。インバウンド売上が好調で、コンズは事業全体の売上に対し47%、グッドエディションは60%を占める。
  • 海外では、展開開始から10年を迎えた香港事業がノウハウ蓄積により成長基盤が整い回復。
  • 中国事業は不採算店舗の退店が完了。
  • スターセールスは過去最多の63人を輩出。

<下期の注目>

2026年1月期連結業績予想
売上高:230億円(前期比13.8%増)
営業利益:19億円(同29.0%増)
親会社株主に帰属する当期純利益:12億円(同54.6%増)

最終更新日:

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