COMME des GARÇONS HOMME PLUS
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Image by: COMME des GARÇONS

Fashion 注目コレクション

「色の抵抗」にギャルソンの真意を見るーーCOMME des GARÇONS HOMME PLUS 2020AW

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 パリで発表された「コム デ ギャルソン オム プリュス(COMME des GARÇONS HOMME PLUS)」2020-21年秋冬コレクションに付けられたタイトルは「Color Resistance」。テーマ通りランウェイには色と柄が溢れると同時に、黒服がほとんど見られなかった。ギャルソンの代名詞とも言える黒を封じた「色の抵抗」の真意は?

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 ショー会場となったのは、パリ8区にあるコンサートホールSalle Pleyelのロビー。先シーズンのウィメンズコレクションのショーと同じ場所で、高い天井と太い柱が印象を残す。他のブランドに比べて少ない客席と混雑した立ち見スペースは、ギャルソンの慣例ともいえる。スタートしたのは定刻から25分ほど過ぎた頃。軽快な音楽を合図に、一度に複数のモデルが現れた。

 真っ先に気付くのは、過剰なまでの色使いの多彩さ。チェック、ストライプ、迷彩、レオパード、スター、フラワー......あらゆる色で柄が構成され、無尽蔵なまでに次々と異なるモチーフがランウェイに現れる。本来なら反発し合う色と色が、違和感を与えながらも一着の服の上でひしめき合い、複雑な融合と拮抗を見せる。

 その特徴は、服の構造でも見られた。例えばジャケットとショーツはプリュスの定番とも言えるスタイルだが、今回はパターンの一部がカットアウトされた3着のジャケットをレイヤードし、さらにレギンスを合わせる。かと思えば、実は一着に繋がっているレイヤード風のフェイクも混ざり、見る者を謎解きのように惑わせる。唯一のアクセサリーとしてカラフルなウィッグが首からチェーンで下げられ、難解なスタイルにシュールな遊びを足していた。

 圧倒的なインパクトと技巧を凝らしたクリエイションはプリュスファンの心を掴みそうだが、普段と異なるのは黒服が無いこと。「ギャルソン=黒」と脳裏に刷り込まれた人にとっては、驚きをもって迎えられるコレクションかもしれない。

 コレクションテーマにはもう一つ「fighting back with color」というワードが添えられていた。直訳すると「色で反撃する」。朝日新聞の記事によると川久保玲氏はショーの後、黒が多い世の中に異を唱えたという。

 センセーショナルな黒づくめのボロルックをパリで発表し、ギャルソンがヨウジヤマモトと共に「黒の衝撃」と評されたのは1982年のこと。それから時が経ち、現代のファッションシーンではむしろ、黒そのものが主役になるほどに変化している。常に社会と対峙する川久保氏は、自ら提示した概念も、自ら抗い覆す。異物をぶつけ既存を壊すという手法は、ギャルソンの真骨頂だと改めて感じさせるショーとなった。

追記:後日開催された展示会のラックには一部、黒服も並んでいたのだが、今シーズンの黒は完全に脇役である。

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