「シャネル(CHANEL)」が、マチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)がアーティスティックディレクターに就任して2シーズン目の2026年秋冬コレクションを、パリのグラン・パレで発表した。プレタポルテコレクションのデビューとなった前回の2026年春夏では、創設者ガブリエル・シャネルとの時空を超えた「対話」をテーマに、メゾンの根源にある"愛と自由"を体現。ファッションウィーク期間中の3月5日には、そのデビューコレクションがパリの店舗で先行ローンチとなり、どの店舗も熱狂的な賑わいを見せていた。
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そして今シーズンのテーマは、前回に続き「対話 – Part Two」。対極にある二つの側面を捉え、シャネルのパラドックスを鮮やかに描いた。
「ファッションは毛虫であり、蝶でもあるのです。昼は毛虫、夜は蝶になりなさい。毛虫ほど気楽なものはないし、蝶ほど愛される存在もありません。体にまといつくドレスも、ひらひらはためくドレスも必要なのです。蝶は市場に行かないし、毛虫は舞踏会に行かないのですから」 ——ガブリエル・シャネル
「シャネルとはパラドックスです。シャネルとは、機能であり幻想でもあり、感性であり魅惑でもあるのです。シャネルは昼であり、シャネルは夜でもあります。つまり、毛虫と蝶のどちらを選ぶか、いつでも自由でいられるということです。私は、女性たちが自分らしく、そしてありたい自分でいられるキャンバスを創りたいと願っています」 ——マチュー・ブレイジー
「構築」を象徴する色彩のクレーン
ランウェイに惑星が浮かぶ宇宙を表現した前回を引き継ぎ、さまざまな色が混ざり合った銀河のような床が広がる。そこに立ち並ぶのは、赤、青、黄とカラフルに彩られた巨大なクレーン。「The functional and the artificial. The construction of a new suiting language.(=機能と人工。新たなスーツの言語の構築)」という公式インスタグラムの投稿のとおり、新たなシャネルを"構築"していくマチューのアプローチと重なる。

Image by: CHANEL
革新的なツイードとローウエスト
コレクションの核となったのは、先シーズンに続き大胆に再解釈したスーツだ。ガブリエルが体現した女性服の機能性と、ファッションがもたらす高揚感という二つの側面を称えた。
コンフォタブルなリブニットのファーストルックにはじまり、多彩な素材とフォルムのスーツを提案。ツイードは多彩な素材を織り交ぜたテクスチャーが特徴で、生地の上に樹脂を垂らして織り目を表現するなど、革新的な技法を取り入れている。






Image by: CHANEL
ニットとスカート、デイドレスといったワードローブには、ガブリエルがラグジュアリーの世界に取り入れた実用性と、女性の解放という概念が宿る。1920年代を想起させるローウエストの直線的なラインをベースに、ベルトでマークして現代的にアップデートした。ブークレツイードのオーバーシャツや、メンズウェアから着想を得たブルゾンなど、幅広いスタイルを提案している。




Image by: CHANEL
コートやドレスは夜の蝶
ショーの終盤は、蝶の羽を思わせる柄や、玉虫色に輝く光沢のコートやドレスが幻想的なムードを高める。流れるようなラインのコートやドレスは、軽やかで優雅なシルエット。繊細なレースや花の装飾が、その美しさを引き立てる。






Image by: CHANEL
絵画のようなアクセサリー
エナメルとレジンのアクセサリーは、印象派の絵画のような輝きを放つ。パステルカラーで展開された、セカンドスキンのようにフィットするソフトレザーのバイカラーブーツも印象的だ。
バッグは実用性と遊び心を取り入れ、ガブリエルのソファから着想を得たスエードバッグ、キネティックなクラスプをあしらった最新バッグなど、幅広く提案。ザクロ型のイヴニングバッグは、遊び心と色気をまとう夜の装いを完成させた。














Image by: CHANEL
「女性たちが自分らしく、ありたい自分でいられるキャンバスを創りたい」と語るマチュー。自由な選択こそ、新たなシャネルの美学と言える。前回は探求的だったアプローチが、2シーズン目にしてより確信を持った表現へと深化し、マチューのヴィジョンが一層鮮明になった。
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