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流行のその先へ、ソ・ジスが紡ぐ「COYSEIO」のイノセントな世界

COYSEIOディレクターソ・ジス

Image by: FASHIONSNAP

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流行のその先へ、ソ・ジスが紡ぐ「COYSEIO」のイノセントな世界

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 「ウィッシュコア」「日本感性」「ガーデンコア」……。韓国発のファッショントレンドは、目まぐるしく更新されていく。そんななか、今一際強い存在感を放っているのが、モデルとしても活躍するソ・ジス(Seo Jisoo)がディレクションを務めるブランド「コイセイオ(COYSEIO)」だ。

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 控えめなカラーパレットで構成されたドリーミーなデザインと、儚く幻想的なヴィジュアルが特徴の同ブランドは、2022年に「スマートアーバンユースフル(smarturbanuseful)」としてスタート。2024年春夏コレクションを機にブランド名を「コイセイオ」に変更した。リブランディング直後からK-POPアーティストのNewJeans(現NJZ)が着用するなど注目を集め、瞬く間にファンを獲得。その勢いは韓国国内にとどまる所を知らず、今年9月には渋谷パルコに海外初店舗をオープン。初日には、100人を超えるファンが列をなし、その人気を証明した。新しくもどこか懐かしさを感じるコイセイオのデザインは、なぜ今人気を博しているのか?その求心力の理由を、日本進出を機に来日していたソ・ジスに話を聞いた。

自分の心にぴったりと合う服を見つけたくて

──ソさんはモデルとしても活動されていますが、ブランドを始めたきっかけを教えてください。

 幼い頃から服が好きで、漠然と「いつか作りたい」という想いを持っていました。モデルとして活動する中でさまざまな洋服に触れるうちに、自然とファッションへの関心が高まっていって。そんな中で、自分の心にぴったりと合う服を見つけることに難しいと悩み始めたんです。「それなら、自分が思い描く服を自分で作って着たい」と思ったのが始まりでした。

──2022年夏にコイセイオの前身「スマートアーバンユースフル」を立ち上げたそうですね。

 コロナが落ち着き始めた2022年夏頃に、一緒にクリエイションをしたいと思える仲間に運よく出会えたことがすべての始まりです。仲間との対話を通じて「ブランドを始めるなら今しかない」と確信し、これまで勇気が出ずに挑戦できなかった夢を叶えようと決心しました。

 実は、ブランドを始めようと決めるまでファッションデザインを学んだ経験が無かったんです。なのでまず、周りのデザイナーから色々に教えてもらいながら頭の中のイメージを具現化していくところから始めました。初めて挑戦するこのプロセスは想像以上に難しく、多くのクリエイターに助けてもらいました。

ブランドを“埋葬”して見つけた新たな光

──2024年にリブランディングを実施した理由は?

 実は、ローンチ直後に中国の方に商標を盗用されるトラブルが発生して。取り戻すために何度も相談を重ねたのですが、最終的に金銭を支払って買い戻すしかなく、まだブランド初期だったこともあり、それならということで思い切って名前を変えてリブランディングに踏み切りました。

──リブランディング後は少しデザインのテイストが変化したように感じます。

 新しいスタートを機に、より私自身の好きなスタイルを意識的にデザインに反映させるようになりました。スマートアーバンユースフルでは、当時のトレンドに合わせて、ナイロン素材のセットアップやウエストポーチ付きスカートなど、いわゆるゴープコア的なムードのアイテムを中心に展開していました。そこからコイセイオでは、よりヴィンテージ感のあるムードへと方向転換を図ったんです。最初は変化することへの不安もありましたが、「自分が着たいと思えない服は作れない」という気持ちが強くなり、今は心から惹かれる服づくりに専念できています。

──顧客からの反応は?

 突然のリブランディングになってしまったので、最初は驚かせてしまいました。でも1~2シーズン経つにつれて、既存のお客様にも新たな方向性を前向きに受け止めていただけるようになりましたし、新たな客層の獲得にも繋がりました。

──ブランディングにはポジティブな側面もあったんですね

 そうとも言えます。デザイン以外のことだと、リブランディングに合わせて、ショートムービーを制作したんです。「SMARTURBANUSEFUL」を埋葬する様子を映したものと、「SMARTURBANUSEFUL」を模ったバターを「COYSEIO」と書かれたトーストに塗って食べるもの。制作のきっかけは想定外のリブランディングでしたが、これを機に素敵なクリエイションを生み出すことができました。

着ることで自信が湧いてくるような服

──「COYSEIO」という名前の由来は?

 英語で“控えめで上品な”を意味する「Coy」と、ラテン語で波を意味する「Seio」に由来しています。静かに、しかし確実に広がっていく波のように、さりげなくも確かな存在感を持つブランドになりたいという思いを込めています。名前そのものが一つの物語のように、ブランドが志向する姿勢や感性を宿しているんです。

──日本語の「恋せよ」と響きが似ていますね。

 それがまったくの偶然なんです(笑)。でも結果的に、日本語が分かる方に向けて「自分らしく愛しながら生きよう」というメッセージを伝えることもできるネーミングになりました。ブランドのイメージとも合っているので、我ながら良い名前を付けられたなと思っています。

──ソさんは主にディレクションを担当されているとのことですが、具体的にはどのようなことをされていますか?

 今ブランドはクリエイティブチーム・オペレーティングチーム・生産チームの3つの主要チーム体制で運営しているのですが、私は全体を統括しています。デザイン面でのディレクションはもちろん、定期的に店舗へ足を運び現場のスタッフと直接コミュニケーションを取るなど、ブランド内のコミュニケーションハブとしての役割も担っています。広報としてさまざまなメディアへ出演するのも仕事の一つです。

──デザインのインスピレーションは何から得ていますか?

 「自分自身への想像」です。例えば、「次の夏に自分がどういう服を着たいか」というイメージを持って製作したり。新たな服を着た自分のイメージを固める過程で、過去に観た映画や旅行で出会った人々などさまざまな要素が混ざりあって、そのときの自分が一番着たいと思う服が浮かび上がってくるような感覚です。こうして出来上がったイメージを、デザイナーに絵やムードボードで伝えて、デザインを固めています。

──ソさんが理想とする服は?

 着ることで自信が生まれるような服です。私自身、好きな服や素敵な服を着ると自信が湧いてくるタイプなので、コイセイオの服を着た方々にも同じように自信を持ってもらえるのが理想です。

──ブランドの認知度が高まったきっかけは、やはりK-POPアーティストが着用した影響が大きかったですか?

 ローンチ初期にアーティストのNJZさんが着用してくださったことは、大きな認知拡大のきっかけとなりました。そのおかげで多くの方に早く知っていだけたと思います。

 ただ、最近では有名人が着用しただけで爆発的に人気が出る時代ではないとも感じています。ブランドが成長するためには、美的方向性や世界観、感性が時代のムードと呼応し、さらにブランドを構成するすべての要素に統一感があることが欠かせません。コイセイオが認知を広げられたのは、この両輪がしっかりと機能していたからだと考えています。

──コイセイオの世界観を構築する上でのこだわりは?

 店舗のディレクションとSNS運用に特にこだわっています。今回オープンした渋谷パルコ店を含めて、すべての店舗空間はブランドの世界観を体現したデザインになっているんです。制服を着たブランドキャラクター「GO SIO」のオブジェの設置や、リボンなどのデザインを施した床板、ブランドらしい淡いカラーの壁紙など、店舗に足を踏み入れた瞬間からコイセイオの世界観を体感できる空間を目指しています。

渋谷パルコ店店内

 インスタグラムでは、ブランドの公式アカウントと、店舗スタッフの着こなしを紹介するアカウントの2つを積極的に運営しています。スタッフのコーディネート投稿は、ディレクションをしっかりと組んだキャンペーンヴィジュアルよりも、リアルで親近感のあるスタイルとしてお客様に届けられるのが魅力です。現在のフォロワー数も6万人以上と、日々多くの方に見ていただけています。

──今年9月に発売した2025年秋冬コレクションについて教えてください。

 コレクションのテーマは「City Pieces」。異なる形や質感を持つパズルのピースがひとつの絵を完成させる様子をイメージしています。今回は、日本人のイラストレーターShimadaさんとのコラボレーションアイテムも展開していて。ShimadaさんのグラフィックをあしらったカウチンジャケットとロングスリーブTシャツを製作しました。どちらもアイコニックなグラフィックが目を惹く、個性的な仕上がりになっています。

2025年秋冬コレクションより

Image by: COYSEIO

2025年秋冬コレクションより

Image by: COYSEIO

──キャンペーンヴィジュアルは日本で撮影されたそうですね。

 そうです。駅やトンネル、マンションの通路など、多くの人の日常を切り取ったような場所をローケーションにして、異なる生き方をする3人の人物が都市という空間の中で交差しながら生きる姿を描きました。日本のノスタルジックな雰囲気がアイテムともマッチしていて、どのカットもお気に入りです。

2025年秋冬キャンペーンヴィジュアル

Image by: COYSEIO

──コイセイオといえば制服セットアップのイメージがあります。

 そうですね。ブランドのシグネチャーアイテムでもある制服セットアップは、毎シーズンデザインをリニューアルして発表しています。今季は素材にコットンを採用することで、より柔らかで日常に溶け込むようなデザインに仕上げました。

2025年秋冬コレクションより

Image by: COYSEIO

2025年秋冬コレクションより

Image by: COYSEIO

日本進出への決断、理由は

──今年3月に日本でポップアップストアを出店。反響は?

 日本でのポップアップは初めてだったので手探りの部分もありましたが、関係者の方々から「過去最高レベルの反応」と評価をいただくことができました。多くのお客様にご来店いただき、心から感謝しています。特にオープン前の早朝から行列を作って待ってくださった方々の存在は、大きな励みとなりました。

 ただ服を購入するだけでなく、壁面に設置したゲストブックを埋め尽くしてくださるなど、空間そのものを楽しんでいただけたことがとても嬉しかったです。

──ポップアップの成功が日本進出の決め手に?

 ポップアップの成功は間違いなく決断の後押しになりました。イベントを通して、日本はファッションへの関心と理解度が高く、個性を尊重する消費文化が根付いていると感じたんです。日本が持つ市場規模や売上潜在力にももちろん魅力を感じていますが、それ以上にブランドが追求する世界観や感性に共感してくださるファン層が形成されやすいのではと判断しました。海外初店舗を日本で経験することで、グローバルな感覚を広げ、さまざまなスタイルや文化の中でブランドの色を磨いていきたいです。

──日本と韓国のファッション市場では、どのような違いがありますか?

 文化や消費傾向に違いがあると思います。日本は個性や嗜好を尊重する消費者が多く、ブランドが提示する世界観やムードを丁寧に受け止めてくれる傾向があります。一方、韓国はトレンドの移り変わりが速く、新しいスタイルや話題性が消費に大きな影響を与えることが多いです。

 日本ではブランドの感性と哲学を一貫して示すことが重要で、韓国ではその流れの中でどう注目され広がっていくかを戦略的に考えることが必要。どちらもバランス良くできるブランドが、両方の市場で生き残ることができると思います。

──類似するムードの韓国ブランドが増えている中で、コイセイオの差別化ポイントや強みはどこにあると思いますか?

 確かに、最近コイセイオに近いムードを持つ韓国ブランドが増えていると感じています。ただ、そのようなブランドとの差別化はしっかりとできていると思っていて。私たちは単にスタイルを発信するだけでなく、ブランドとしての世界観やメッセージを一貫して築くことに力を入れています。だからこそ、洋服そのものだけでなく、そこに込めた哲学や姿勢こそが、私たちの強みだと思うんです。

──日本に続いて進出を考えている国はありますか?

 まずは日本での展開をさらに充実させることが最優先ですが、良い反応や意味のある成果が出れば、中国やタイ、ベトナムといったアジア都市への展開も検討しています。

 同時に、ヨーロッパや北米市場への進出も長期的な目標です。コイセイオの美的感覚には普遍性があると思うので、地域ごとの文化的文脈をどう解釈し、デザインや空間で表現していくかが今後の課題であり楽しみでもあります。

渋谷パルコ店店内

──スマートアーバンユースフル時代にはサンリオなどとコラボしていました。今後タッグを組みたいアーティストやブランドはありますか?

 多くのブランドがありますが、今思い浮かんだのは「ヒステリックグラマー(HYSTERIC GLAMOUR)」です。彼らの大胆でアイコニックなグラフィック言語と、コイセイオの世界観を掛け合わせることで面白いシナジーを生み出せるのではないかと思います。

──変化の速いファッションの世界で、リブランディングから1年余りのコイセイオが長く愛されるブランドになるための展望は?

 長く続くブランドになるには、人々が時間が経っても「まだ着たい理由」を作り続けられることが重要だと思います。なので、長く愛されるには単に流行に対応するだけでは不十分。コイセイオ独自の世界観と一貫した価値観を持続的に築いていくこと、そして時代が求める機能性やサステナブルな要素を自然に取り入れながら成長していきたいです。

FASHIONSNAP 編集記者

菅原まい

Mai Sugawara

2002年、東京都生まれ。青山学院大学総合文化政策学部卒業後、2025年に新卒でレコオーランドに入社。中学生の頃から編集者を志し、大学生時代は複数の編集部でインターンとして経験を積む。特技は空手。趣味は世界中の美味しそうなお店をGoogleマップに保存すること。圧倒的猫派で、狸サイズの茶トラと茶白を飼っている。

最終更新日:

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