Image by: Didi Rojas

Fashionインタビュー・対談

バレンシアガやテルファーを描いて着る ディディ・ロジャスが提案するバーチャル世界のホームスナップ

 その日のファッションを人に見せる機会は一気に減ってしまった。新しく手に入れた服やバッグも、身に着ける先は近所のスーパーか、ZoomやSNSくらい。しかし制限されているからこそ、新しいファッションの見せ方や、リアルとバーチャルを融合した斬新なスナップスタイルも生まれ始めている。

 ニューヨークを拠点とし「グッチ(GUCCI)」などと仕事をした経験もあるアーティスト、ディディ・ロジャス(Didi Rojas)。彼女がインスタグラムに投稿している写真は、一見すると人気アイテムを身に着けた、よくあるコーデ写真。でも目を凝らすと、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のハローキティモチーフのバッグや、「テルファー(Telfar)」のトートバッグ、「グッチ」の髪留めといったアイテムは実物ではなく、ペイントだということがわかる。"描いて着る"というユニークな作品はどのようにして生まれたのか、またロックダウンが続くニューヨークで何を考えて活動しているか、メールを通じてインタビューした。

Image by Didi Rojas
Image by: Didi Rojas
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― これまで「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のシューズなど、ファッションアイテムをセラミックで表現した作品で注目を集めてきました。家でのコーデをペイントするアイデアはどこから?

 自分のスタジオにあまり行けないので、普段のセラミック作品に取りかかれないフラストレーションが溜まっていたんです。ペインティングなら私の小さなアパートでも作りやすいなと思い、始めたのがきっかけ。今はダイニングスペースがホームスタジオと化しています。ペインティングをすることは、今の期間、精神を正常に保つ上でも助けになっています。

ロジャスがこれまで制作してきたセラミックのアート作品。

 

― 少し違和感を感じながらもリアルとバーチャルが融合したコーデ画像は、どのようにして制作しているのでしょうか?

 作りたいアイテムを実物大でドローイングして、ネットにある実際のアイテムの写真を参考にしながら、アクリルペイントで色をつけていきます。その後、紙からペインティングを切り抜いて、プロップとして身につけて撮影しているんです。スマホの10秒タイマーでセルフ撮影していて、フォトショップでの編集はほとんど加えていません。

― 「テルファー」や「スーザン・アレクサンドラ」「バレンシアガ」など、ペインティングするアイテムはどのように選んでいるんですか?

 セラミック作品で作ってみたかったアイテムか、今私が好きなブランドやデザイナーのものです。

― 今後ペイントしようと思ってるアイテムは?

 今は「プラダ(PRADA)」のブロッサムバッグを作っているところで、その後はシューズをやりたいなと思っています。「ミュウミュウ(MIU MIU)」か「グッチ(GUCCI)」のプラットフォームシューズが良いかな、なんて思っています。

― ニューヨークをはじめ多くのアーティストが活動を制限せざるを得ない状況かと思いますが、新型コロナウイルスの影響で生活はどのように変化しましたか?

 毎朝、すぐにニュースを見ることをやめました。まずはストレッチをして、ワークアウトをして一日を始める。それから、今日自分がどのように感じているか、その日のフィーリングと向き合います。ペインティングをしたり、次のセラミック作品のためのリサーチをしたり、友人や家族とビデオ通話したり、犬と遊んだり。過去3週間で、彼女(犬)はとてもたくさんのトリックを覚えたんですよ。外出は少時間の散歩のみに制限していて、日々自分の忍耐力と向き合っていますね。

― ファッションやアートの楽しみ方も変化していると感じますか?

 ファッションもアートも、元々クリエイティブでフレキシブルな世界。VOGUEイタリアの真っ白な表紙や、フォトブースやフェイスタイムを使って撮影を行うモデルはとても素敵だと思います。アート業界はデジタルのスペースに素早く移行して、より多くのオーディエンスにリーチできるようになったのは素晴らしいですね。

― ロジャスさん自身のクリエイティブ面には、どのような影響を与えていますか?

 臨機応変に、工夫せざるを得なくなりました。一方で、これまでの日常では、クリエイションに関してパラメーター(範囲)を自ら設けていたのかもということ、そしてそれはいつでも自分で壊して良いんだということに気がつきました。

■ディディ・ロジャス:インスタグラム「@0h_heck」

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