Fashionデザイナー奮闘記

【連載:デザイナー奮闘記!新ブランドが出来るまで】まず何から始める?先輩デザイナーへの相談篇

 千万無量にあるファッションブランド。様々なブランドがSNSなどを通してコレクションを発表できる昨今ですが、ふと疑問に思うのは「どうやってブランドをスタートするのか?」「どうやってサンプルを依頼する工場や生地屋を見つけるのか?」「資金はどれくらい準備する必要があるのか?」など知ってそうで知らない事が沢山あります。そこで連載「デザイナー奮闘記」では、実際にこれからブランドの立ち上げを目指す私たち(佐藤百華と宮崎)が、新しいブランドがスタートするまでの道のりを赤裸々に綴っていきます。色々な壁にぶち当たりながらにはなるかと思いますが、これからブランドを始めようとしてる方の参考になれば幸いです。

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Designer Profile

佐藤百華

文化服装学院卒業後、ベイクルーズにデザイナーとして入社し、ファッションコンテストでの受賞を機にイギリスへ留学。帰国後アシードンクラウドでウィメンズのデザインを担当する。

宮崎
文化服装学院卒業後、イトキンにニットデザイナーとして入社。その後イギリスでファッションデザインを学び、帰国後にデザイナーズブランドでニットアイテムのデザインを担当する。

Instagram

まず、私たちのこと

 宮崎と私は、現在「HUNDRED FLOWERS PROJECT」と題したデザインプロジェクトを行っています。プロジェクトでは魅力的なお仕事や生活をなさってる方から、過去の大切なお話を伺い、記憶の花のレースの編み手と織り手として、大切な記憶を守って新しい未来に導く修道服(守導服)を作り、お贈りしています。

 プロジェクト第1弾では、イラストレーターのMomoko Nakamuraさんにお話を伺いました。幼い頃からお母さんとおばあさんと彼女の3人で姉妹のように一緒のお家で暮らしたり旅行に行ったりして過ごしたことから、2人にとても影響を受けたという彼女。イラストレーターのお仕事をしているのも、お母さんが同じお仕事をしていることが影響しているそうです。

 昨年おばあさまを亡くされ、彼女と彼女のお母さんで棺桶に絵を描いてお見送りしたというお話などを伺い、そんな素敵な3人の関係性をこれからも三位一体となって身に纏えるよう、3つのアイテムで1着のドレスのように着られる服を作りました。話してくださった記憶にその後の未来に繋がりそうな曲を添えてカセットテープもお贈りしてます。

先輩デザイナーoyuiさん、ブランドを立ち上げるためには何が必要ですか?

 新ブランド立ち上げの第1歩として、初回に若手デザイナーでブランドだけでなく古着屋なども営み、様々な活動をしている「シーロン(SIIILON)」のデザイナーoyuiさんに相談しました。展示会準備にあたりどういったことをするべきかや、今後ブランドを続けるためにどういった工夫をするべきかなど、これからの私たちの活動の参考となるお話を聞いてきました。

ブランドを始めるまでの経緯を伺いたいです。

 そもそもシーロンは牛山(牛山正英)と一緒に始めたので、デザイン、生地、付属、パタンナーさんとのやりとりなどは私。その他の仕事を彼が担当するといった感じです。いきなり2人でブランドを始めるのは金銭的にも難しかったので、立ち上げ当初は彼は違う職種で働きながら、休日にブランドの準備をしてもらっていました。半年かけて準備したのですがあっという間でした。

デビュー時は何型発表したんですか?

 私は当初、厳選したアイテムしか作りたくなくて、8〜9型位で考えていたんですが、牛山はコレクションブランド出身なので30型ほど作るべき、と。最終的には20型程度だったはずです。その時は忙しすぎて、覚えてない事が多くて(笑)。

資金はどうまかなったのですか?

 ブランドを始める前までのお仕事で貯金をしていたのでそれを使いました。サンプルも全て工場などに依頼して作りましたが、工夫して予算内におさめることができました。

はじめての展示会を色んな方に見てもらうために何か工夫したことはありますか?

 特別なことは何もしませんでした。ただ、2年半ほど古着屋さんで販売員として働いてた時期があったので、その時に自分やブランドに興味を持って頂いて、はじめての展示会には多くのお客様がいらして下さいました。Instagramがちょうど流行り出していた時期だったので、SNSでの拡散などもしてもらえて。今思うととても幸運だったかもしれません。

ブランドのデザイナーでありながら古着屋&セレクトショップのAPRILも並行してやっているという事にとても興味を持っているのですが、足の草鞋になった理由は何なんですか?

 自分が持っているシーロンのイメージと、買ってくださる方のシーロンのイメージに少しギャップがあるなと感じていたのがきっかけです。ブランドコンセプトにもあるように100年後にヴィンテージのアイテムとして残っていて欲しいという思いが根本にあるので、APRILはブランドのバックボーンを説明しなくても感じてもらえる場になればと思い運営しています。これからも興味があることが出てくれば、服だけに限らず色んなことに挑戦するつもりです。

ファーストコレクションでのデザインで意識したことはありますか?

 ファーストコレクションってすごく特別なコレクションですよね。全てのアイテムが120%可愛いと思うものが作れるのがファーストコレクションだなって。定番とか売れそうなものというものに、私はつまらなさを感じてしまうので、どんな人に着てもらいたいかを一番に考えた上で作ることが大切だと考えています。デビューの時は、その後ブランドをどう続けていくか考える方が大切かも。

何かアドバイスがあったら伺いたいです!

 始めたばかりの段階で、何か気をかけてくれたりお取引をしてくれる方々を、本当に大切にした方がいいと思います。私たちは始めた時から、ほとんどの生地を同じ会社にお願いしています。始めたての時期って相手からしたらメリットがない事ばかりなのに、それでも助けてくれたからこそ、感謝しながら少しでも恩返しを出来たらなと思っています。

まとめメモ

 初めての展示会を行うまでの事を色々と詳しく教えてくださったのはもちろん、何事に対してもパワフルに挑戦し続けていて、関わる全ての方に思いやりを持って関係が続くように行動してるoyuiさんの人柄があってこそ、ブランドも愛されているんだなとインタビューを通して知ることができ、学びもたくさんありました。

 私たちがこれから作るブランドも、様々な方から愛されるようになって欲しいなと思います!

 次回は桐生で生地屋探しの旅です!

連載:デザイナー奮闘記
まず何から始める?先輩デザイナーへの相談篇
どこでオリジナル生地を作る?機屋探し篇
ブランド名はどうやって決める?事業計画編
展示会で何を発表する?サンプル作りのフロー

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