夏のセールもひと段落し、ブランドからは徐々に最新の秋冬アイテムが届き始める時期。まだまだ暑さは続いてますが、ファッション好きであれば新たにワードローブに迎えるアイテムをリサーチしてる人も多いのでは?そこで今回は「F/STORE」で注目する3ブランドにフォーカスし、デザイナーやモデル、アーティストなどブランドを愛するLOVERたちに今シーズンゲットしたい注目の新作を聞いてみました。
第2回目は東京ブランドの中でいち早くファッションとテクノロジーの関係性に着目してきたユニセックスブランド「ハトラ(HATRA)」。実験的なコンセプトですが、単純にファッションアイテムとしても楽しめるギャップがあるのも特徴の1つ。秋支度に何を買えば良いのか悩ましい今こそ、LOVERたちが選んだ逸品をチェックしてみては?紹介アイテムは「F/STORE」で予約販売中です。
目次
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23AWコレクションの特徴は?
2023年秋冬コレクションは、「WELDER(溶接工)」をテーマに採用。デザイナーの長見は、国立民俗学博物館の人類学者を中心とした座談会で提唱された、"移動こそがヒトの本質"であるというテーゼ「homo_mobilitas」と同名のインスタグラムアカウントを2023年1月に開設したことをコレクションノートで説明。アカウントでは画像生成AI「Stable Diffusion」を使って、個人的な実験の副産物を小さな趣味として記録代わりにアップロードしており、今季はAIを通して溶け合っていく創造性がコレクションのテーマとなっています。
例えば、今や定番アイテムとなった6色のジャカードニットは、光や液体などこの世に形を成してないものをモチーフにしており、今季のコレクションテーマ「WELDER」にも繋がる液体金属を、AIを援用しながら作成したんだとか。
デザイナー 長見佳祐
本来身に着けることのできない柔らかい金属の着心地を体感してもらえるとうれしいです。
@homo_mobilitasでの投稿
LOVERたちが23AWで気になるアイテム①:Weld Knit Sweater
松丸契(音楽家・サックス奏者・作曲家)
以前にもニットを購入して去年は秋~春にかけてとにかく心地が良くずっと着ていました。AI生成された画像に6色の原色糸のみを使い生産工程に負担の少ないデザインとのことだったのですが、今回のニットも非常に気になります。
「ハトラ」は音楽活動をする中で友達が関わっており、参加しているバンドでも直接関わるようになりました。ステージ映えする形・デザインと普段着としての着心地の良さが両立していて、ファッションに疎い自分でも自然と惹かれます。3DシミュレーションやSNSで見るAI生成の実験なども含めて常に新しいアイデアにバランスを保ちつつ挑戦している姿勢も刺激的です。
Instagram:@kmatsumaru
1995年生まれ。パプアニューギニア出身。米音大卒業後2018年より東京を拠点に活動中。Dos Monosの欧州ツアーや石橋英子のロンドン公演にサポートとして参加するなど様々なグループで演奏する一方、作曲/即興の可能性を探求するソロでの制作やライブ活動も精力的に行っている。 以下のアーティストと共演多数:石若駿、石橋英子、ジム・オルーク、山本達久、大友良英、岡田拓郎、Dos Monos、浦上想起、betcover!!、SADFRANK、etc. 2022年秋に最新作『The Moon, Its Recollections Abstracted』をリリース。Apple Vinegar Music Award 2023 大賞受賞。役者として2023年10月公開の映画『白鍵と黒鍵の間に』出演。
Eiji(モデル)
遠目では金のような色合いにも見えますが、何本もの色の糸の重なりによりこの柄が成り立っていることに深みを感じるのでとても気になります。複雑な柄を表現されているのでパンツは黒のストレートのスラックスなどでシンプルに合わせたいです。
初めは撮影でモデルとして起用して頂いたことで知りました。「ハトラ」は他ブランドにはないデザインとイメージの作り方が魅力的だと思っています。3DモデリングやAIなどをデザインに活用し、新たなことを取り入れて出来上がる服達もいつもすごくワクワクして拝見させて頂いています。
Instagram:@insta_eiji
山田大地(モデル)
デニムと合わせるとストリートにも振れるし、スラックスに合わせると外せるしすごく万能だと思います。
「ハトラ」はLookbookの撮影をきっかけに知りました。最初は幾何学的な服で着づらいかな?と思っていましたが、いざ撮影で着用したり普段使いするとすごく馴染むところが魅力だと思います。他ではない柄や質感があるのでとても面白いブランドです。
Instagram:@_yamadadaichi
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LOVERたちが23AWで気になるアイテム②:Equilibre Robe
渡邊あや(モデル)
正直、毎シーズン全部欲しい気持ちなのですが、今回の23FWではEquilibre Robeを購入しました。「ハトラ」のお洋服はどんな場面や存在とも調和をなせるブランドなので 、1着でも完結できる言い切りの強さがありつつも、重ねて着ても身につけている人もお洋服も美しさを保てると思います。どれを購入しても間違いないと思うのですが、特に初「ハトラ」という方におすすめの1着です。
「ハトラ」は2010年代にTwitterで存在を知りました。明確な出会いは2018年にPalm maison storeの撮影でご一緒した時です。あらゆる存在を巻き込み、囚われない実験的なやり取りと探究心、こだわり力.....写真上に写る質感からは想像が出来ない着心地の良さにも毎回驚かされます。展示会で袖を通すのがいつも大変楽しみです。アートピースを身に纏っている気持ちになる所、その存在感に対して着る人を選ばないチューニング力もHATRAだから出来る強みなのかなと思います。
長見さん率いるチームとしての結成力も魅力だと思います。
Instagram:@ava.watanabe
原ちけい(リサーチャー、ライター、インディペンデントキュレーター)
「ハトラ」らしさを随所に感じさせる綺麗な1着ですね。メンズですが、パーティにお呼ばれする機会でイブニングドレスとして着たいなーーと思いました!笑
ドローコードを絞りながらドレープや着丈を調整できる利便性や、美しいドレープが構造的かつアイコニックで可愛いところに惹かれました。ドレスとして着るのはもちろんですが、シャツやニットを重ね着してカジュアルに寄せたり、サングラスやスニーカーでハズしてみるのも楽しそうですね。
「ハトラ」は高校生の頃に手にとった、音楽レーベル「Maltine records」のアニュアルブックで知りました。
ファッションデザインとクリエーションの両側面から、ブランドのものづくりの素敵さを感じています。「ハトラ」のアイテムは、丁寧なパターンによる立体的な美しさと副資材にまで亘る素材選定が巧みで、日々のスタイリングの選択肢を広げてくれるものが多くて気に入っています。それと同時に、ブランド自体が提示するヴィジョンと、空間を解釈する現象学的/エスノグラフィックなアプローチは、委曲した美意識を感じられます。
Instagram:@parti9le
リサーチャー、ライター、インディペンデントキュレーター 1998年生まれ。写真、ファッション、アートを中心に、幅広い分野でのリサーチや執筆、展示企画等を行う。主に携わった展示企画に「風の目たち Vol.02」(Freyaalt,イスタンブール,2023)、「遊歩する分人」(MA2 Gallery,東京,2022)、「新しいエコロジーとアート」| HATRA+synflux(東京芸術大学美術館,東京,2022)などがある。これまでの寄稿媒体は、POPEYE、Fashion Snap、IMA、ARToVILLA、apartment magazineなど。
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LOVERたちが23AWで気になるアイテム③:Synthetic Fur Vest
KANAE(アーティストデュオ MES)
次のシーズンで購入させてもらったのはLiquid Shape Trouser(black/ivory)で、軽くて履くと大理石の彫刻のような立体感が出る素晴らしいパンツなのですが、それに合わせてこのベストが追加で欲しいなと。というのも、HATRAがFW23LOOKで提案していたスタイリングがパーフェクトに可愛いのです。毛足の長いファーベストと、湖面のように光を反射させて輝くパンツの異素材の組み合わせがとても素敵だと思います!
「ハトラ」は2012年に東京都現代美術館での「Future Beauty 日本ファッションの未来性」展で知りました。ファッションライターの徳永啓太さんが展示会に連れて行ってくれたことで、直に「ハトラ」の服に触れるようになりました。
ブランドの魅力は千鳥格子のプリントなどにみられる不易流行なところ。着てみるとどれも羽根のように軽くて身体に優しいという皮膚が受ける実感と、バーチャルな生を享受しているコンテンポラリーなイメージとが服を通じて同居しているところでしょうか。
Instagram:@mes_kanaj
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