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Fashionインタビュー・対談

「制服は昭和で止まってる」藤原ヒロシ×青田泰明が語るファッションと教育の今

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ストリートカルチャーの牽引役が送った学生時代

ーお二人はどんな学生でしたか?

藤原:僕は学校が大嫌いだったなあ。担任の先生とは割と仲が良くて、出席日数を満たすために必要な授業を教えてくれたので、逆算して早退できる日を考えて(笑)。学校中で一番出席日数が少なかったけど、ギリギリで卒業しました。

青田:僕なんて高校3年間、無遅刻無欠席ですよ。

藤原:しかも僕、無期限停学になったんですよ。

青田:無期限停学ですか!?

藤原:姉の友達のタバコを買っているところを生活指導の先生に見られて。

青田:あらま(笑)。

藤原:僕は7つ上の姉とよく一緒に遊んでいたんですよ。小学生のときから姉が高校に連れて行ってくれたり、言われるままに姉が勧める服を着たりとか。当時は姉の友達と遊ぶことが一番多かったんです。

藤原:担任は僕がタバコを吸っていないことを知っていて、母も「うちの息子は本当にタバコは吸わないんです」って言っても、校長先生だけが怒っていて。先生が「未成年はタバコを手に持つだけでいけません」って言ったのに対して、僕が「先生は息子にタバコを取ってくれって言わないんですか」って聞き返したらすごく怒られた。人生の不条理を学びましたね(笑)。

青田:無期限停学の間は何してたんですか?

藤原:ちょっと早めの夏休みが来たと思って毎日遊んでましたよ。

青田:友達も学校に行ってなかったんですか?

藤原:そうですね、先輩や学校に行ってない友達と遊んでました。

青田:いい時代ですね。

藤原:でもやっぱり、みんなタバコを吸ってないって知ってるのに無期限停学はひどいなあ(笑)。一応、進学校だったんですけどね。

ー得意科目はありましたか?

藤原:英語や数学が得意でしたね。15年くらい前なんですけど、高校受験の本を買ってきて、10人くらいで集まってテストをやってみたんですよ。僕は理数系には自信があったんですが、結果的には凡ミスや計算ミスばかりで全然ダメで。逆に絶対ダメだろうなと思っていた国語や社会がすごく良かったんです。理数系は高校卒業と共に終わっちゃうけど、国語や社会は知らず知らずの内にずっと勉強しているんですよね。今となっては、もっと勉強していたら面白かったかもしれないなと思う。

ー進学や受験、不登校など教育現場は課題が多いですよね。

青田:最近では入試制度改革など業界の課題は山積みですが、こうした時代だからこそ学校が制服を変えるということは意義があると思っていて。子どもたちには、ヒロシさんのような常に新しいことに挑戦し、世界に目を向けられる人材になってもらいたい。

ー藤原さんは高校教育には興味はありますか?

藤原:教育そのものにはあまり興味はありませんが、「もっと面白い教え方があるのでは?」と感じることはありますね。面白い話も混ぜて教えてくれたらいいのに。

多様化の時代を生きる学生に必要なこと

ー藤原さんは京都精華大学ポピュラーカルチャー学部の客員教授を務めていますが、今の学生の印象はいかがですか?

藤原:遊びの延長というわけではないですが、大学に通っている子たちを見ると将来の事についてまだ迷っているような印象があります。クリエイティブなことを誰かに学ぼうとかもちょっと矛盾しているというか。

ー確かに、クリエイティブって教えてもらうものでもないですしね。

青田:学生たちとはどういったコミュニケーションを取っているんですか?

藤原:カフェで授業していることもあり、ゼミという名の小さなオフィスのメンバーみたいな感覚。4年生にもなると外との繋がりも増えて、色々とリーダーシップを取ってやってくれていますね。

ー学生から悩みを相談されることは?

藤原:全然ないです。

青田:子どもたちは知りたいこと色々ありそうですけどね。「こういうクリエイターになりたい」とか、「クリエイターとしてこれはどうなんですか」とか。

藤原:いや、そこまで気になってないと思う。そもそも18〜20歳くらいの子たちはあまり僕のことを知らないんですよ。逆にいいですけどね。

ーお二人の学生時代と比べて教育環境は大きく変化していますよね。

藤原:たしか京都精華大のマンガ学部の学生が3分の1が留学生って言ってたかな。学校に行くと外国の人だらけなんですよ。去年は僕のゼミにも2人いました。

青田:アジア系ですか?

藤原:ヨーロッパ系も含め外国の学生を見かける機会が多くなりましたね。青稜には留学生とかはいないんですか?

青田:いますよ。アジア系の子や北米から来た生徒も。最近は特に外国からの学生が増えていると思います。

藤原:人種や宗教、文化の違いは面白い反面、色々と難しそう。先日ちょうど「イスラム2.0」を読んだんですけど、色んな人種が付き合っていかないといけない時代なんだと改めて考えさせられましたね。

ー10代の頃は学校生活で上手くいかないことがあると、「人生終わった」と思えるほど学校の存在が大きかったです。

青田:その感覚は今の子どもたちも同じだと思います。外に居場所があることは大切ですよね。

藤原:そうですね。僕自身も学校以外の友達と遊ぶのは本当に楽しかった。

ーテクノロジーの発達やSNSの普及により便利な時代になりましたが、今の子どもたちにとって生きやすい世の中になったと思いますか?

青田:子どもたちを取り巻く環境は、我々の頃とは全く違いますよね。ポケベルの時代は待ち合わせをするのも大変でしたし、学校にいる時間内で色々なコミュニケーションが完結していました。ある意味、家に帰ったら一旦コミュニティーから引き離される感覚。今の子たちは家にいても常にコミュニティーの中に居続けなければいけない。すごくそれは窮屈で、大変そうに感じます。

藤原:一方でSNSが普及したことで学校外の沢山の人とも繋がって、同じ趣味や学校では話せないことを他の人と共有できるようになった。悪い側面だけではないかなとも思いますね。

ーコミュニケーションの取り方は大きく変化していますね。

藤原:そうですね。先日、20代後半くらいの友達とお茶する予定だったんですが、雨が降っていて行くのが面倒だから「"フェイスタイムティー"にしようか」って友達が提案してきたんです。お互い家でお茶を飲みながらフェイスタイムで話すんですよ。すごい発想だなと思った(笑)。

青田:それは新しい!

藤原:お互いスタバでドリンクを買ってきて、飲みながら何か作業しつつ話をしてた。まあ、たしかに会ってお茶をする状況とは同じだなと。

ー多感な時期を過ごす学生たちは今、何をするべきなのでしょうか。

青田:これからの時代の子どもたちには、思考力や表現力、そして世界に目を向けて繋がっていくことが求められてくると思います。以前から言われてきたことですが、ようやく国も本腰を入れて動き始めています。

藤原:僕は学生時代、学校で学んだことはあまりない(笑)。でも、学校の外の友達と遊んでいたことはとても楽しかった。学生の時期に共通言語で話せる存在を作ることは大切なことかもしれないですね。

(聞き手:伊藤真帆、今井祐衣、長岡史織)

■青稜中学校・高等学校:公式サイト

■問い合わせ先
サティスワン:info@satis-one.jp

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