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【バックステージ】 「IHNN」26SSコレクションのヘアメイクをレポート

Image by: Runway:FASHIONSNAP、Backstage:FASHIONSNAP(HINAKO)

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 ファッションとメイクの切っても切れない密接な関係。そんな結びつきの強さがわかるファッションショーのバックステージをレポート。今回は、8月に開催された「イン(IHNN)」2025年秋冬コレクションで、メイクを手掛けた「アールエムケー(RMK)」のシニアメイクアップアーティスト 金子真二氏と、ヘアを担当したヘアスタイリストのYu Nagatomo氏に、今回のヘアメイクの特徴や、私たちが“真似”できるポイント、そして今秋のトレンドについて聞きました。

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Image by: FASHIONSNAP

イン 2026春夏コレクション

 ブランド設立10周年を記念した同コレクションのテーマは、「日常への招待」。10年間ブランドを継続できたことへの感謝の気持ちと、ブランドが描く新たな女性像や価値観を反映し、ささやかで平凡ながらも特別な「日常」を表現。日常的でクラシックなアイテムや要素をベースとしながらも、ディテールやフォルム、スタイリングにブランドらしいエレガントさとアンバランスさをプラスした。

メイク:RMK 金子真二氏

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金子真二
RMK シニアメイクアップアーティスト。高い追及思考と分析力で、感性だけではなく理論的にメイクを解説。クリエイティブディレクターYUKIのエッセンスを一番近くで引き継いでいるスペシャリスト。ブランド公式SNSでのルック開発も担当し、RMKの世界観を体現した発信も行う。

⎯⎯ まず、今回のメイクのテーマを教えてください。

 今回は、ツヤ肌を主役にルックを作りました。当初、セミマットな肌とツヤのあるグロウスキンの両方を提案したところ、デザイナーの印(印致聖)さんが、フレッシュな仕上がりが今回の世界観に合っているとのことだったので、グロウスキンを採用しました。

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⎯⎯ デザイナーから、メイクに対するオーダーは他にありましたか?

 その人本来の美しさを引き立てる、ナチュラルな仕上がりを希望されていました。これは近年のトレンドとも重なる部分だと思いますが、素肌っぽさや透明感を残し、モデルそのものの魅力を活かすことを心がけました。

フレッシュなツヤ肌を支えるRMKのリキッドファンデーション

⎯⎯ 今回のポイントであるツヤ肌は、どのように作られているのでしょうか?

 アールエムケーの「リクイドファンデーション フローレスカバレッジ プラス」を使っています。一般的に、パール入りのファンデーションはツヤと立体感をもたらす一方で、乾燥しやすいという課題がありました。でも、これは自然なツヤを叶えながらも乾燥しにくい。だから化粧持ちも良いんです。

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⎯⎯ 使い方のポイントはありますか?

 ナチュラルに仕上げたい時は、指やブラシでさっとすべらせるように広げます。個人的にはブラシを使って、薄い膜を肌にまとわせるように塗るのがおすすめです。

 カバー力を高めたい、もっとツヤを出したい時は、指に取って優しくタッピングするように重ねてなじませていくと良いです。何度重ねても自然と肌に溶け込んで、厚塗り感が出にくい。ツヤに厚みを出すこともできますし、カバー力も調整できます。

⎯⎯ ランウェイでもモデルさんの艶やかな肌が印象的でした。

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 そうなんです。ただ、今回のファッションが大人っぽく綺麗めなスタイリングなので、単にツヤ肌でフレッシュに仕上げると、少しほっこりした感じというか、優しく柔らかい印象になりすぎてしまうと思ったのです。

アイブロウで洗練された力強さを演出

⎯⎯ フレッシュさと大人っぽさのバランスをどのように取ったのでしょうか?

 アイブロウをキリッとシャープに仕上げることで、ヌーディなメイクアップでありながらも、強さがあり顔全体が引き締まって見えるよう意識しました。

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⎯⎯ アイブロウメイクについても、詳しく教えてください。

 まず、パウダー「アイブロウ パウダー デュオ」で影を作って、眉の輪郭を整えます。次に、「アイブロウ スタイラー」という極細のペンシルで、まゆげ1本1本とその影を描くようにグラデーションをつけていきます。

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 まゆげの隙間が気になる人は、ペンシルで埋めると重い印象になってしまうことがあるので、リキッドタイプのペンで毛を1本ずつ描き足すようにします。眉頭の毛が少ない人も、これを使うと自然な印象に仕上がります。RMK クリエイティブディレクターのYUKIも、最近はアイブロウにこだわっていて、推しているアイテムです。

⎯⎯ リップやアイシャドウなど、他のパーツはいかがでしょうか?

 唇や目元に色味はほとんど入れていません。アイブロウをしっかり描いているので、色を足すとヘルシーで健康的に見えすぎてしまう。今回はクールさを出すために、コンシーラーで唇の色味を抑えています。グロスとして「リップ ルミナイザー」を使っていますが、肌のツヤと唇のツヤを一体化させるためです。唇の厚みを出すというより、肌と揃えて全体的な調和を図るイメージですね。

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⎯⎯ 今回のメイクを日常に取り入れるためのアドバイスはありますか?

 ツヤ肌に仕上げるベースメイクはぜひ真似してほしいです。ファンデーションは年々進化していますが、そのポテンシャルを最大限に引き出すのはスキンケアなんですよね。今回もかなりツヤツヤにしていますが、それもスキンケアがあってこそ。普段のメイクでも、スキンケアにひと手間かけてからファンデーションを使ってあげると、アイテムの良さがより引き出されると思います。

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⎯⎯ 今年の秋冬、注目しているメイクトレンドを教えてください。

 ポイントメイクでは、偏光パールが人気ですよね。色や濃淡で表現するより、質感でメイクするのがトレンドではないでしょうか。偏光パールが光の当たり方によってグラデーションを作るように、グロウスキンも光を受けることで骨格が際立ちます。アジア人の肌はキメが細かくツヤが出やすいので、無理にシェーディングをしなくても、質感を意識してメイクをすると意外と簡単に、立体感のある美しい肌を作ることができます。

ヘア:Yu Nagatomo氏

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Yu Nagatomo
2016年から2022年までイタリア・ミラノを拠点にファッション業界で経験を積み、その後東京に拠点を移して国内外の雑誌や広告で活動。シンプルでありながら洗練された美しさのあるスタイリングで、モデルの個性を引き出すことを大切にしている。

⎯⎯ 今回のヘアのテーマを教えてください。

 今回は、全体の統一性を重視しました。服がシックで上品なデザインが多いため、個々のモデルの個性を活かすよりも、コレクション全体としての調和を意識しています。そして、ショー会場(港区・赤坂の草月会館)に水が流れていることに着想を得て、ストイックな女性像を表現しました。ただ“綺麗”なだけでなく、フェミニンすぎない、かっこよくて研ぎ澄まされた雰囲気です。

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⎯⎯ そのイメージはどのように作り上げていきましたか?

 フィッティングの時に、デザイナーの印さん、スタイリストのMarie Higuchiさん、メイクの金子さん、みんなでどういう風にしようか話し合って決めました。今回、印さんと初めてご一緒させていただきましたが、パーソナリティや服作りへの姿勢は共感できる部分も勉強になる部分も多く、すごく楽しかったです。スタイリングを考える上で、スムーズにコミュニケーションを取ることができました。

ストイックな女性像を表現するスリックバック

⎯⎯ ヘアデザインにおけるこだわりやポイントを教えてください。

 特にこだわったのは、髪のラインと、その流れる方向ですね。分け目を作ったモデルもいれば、スリックバック(髪をなでつけるようにタイトにまとめたスタイル)にしたモデルもいますが、髪の流れる方向によっては、すごくフェミニンに見えてしまうんですよ。今回は女性らしさを抑えたかったので、分け目をまっすぐピシッと整えたり、顔まわりの髪を水平に流したり、力強い印象を作るよう意識しました。

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⎯⎯ どのようなスタイリング剤を使いましたか?

 主にハードジェル、ヘアムース、クリームなどクラシックなプロダクトを使っています。メインで使用したのは「オリベ(ORIBE)」の「グランディオーズ ヘア プランピング ムース」。スタイリングのキープ力が高いので、お気に入りです。

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⎯⎯ このヘアスタイルを日常に取り入れるとしたら、どんな風に楽しめそうでしょうか?

 日常であればジェルを使わなくても、スリックバックはかっこいいと思います。最近のアジアの女の子はニュアンスのあるアンニュイなスタイルが人気ですが、もっとかっこつけている女性がいても素敵だな、と。昔の日本の女性がヴィヴィッドな赤リップをまとっていたように、きっちりと“かっこつけきっている”スタイルが増えるといいな。ジャケットスタイルに合わせるのもいいと思います。

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⎯⎯ 今年の秋冬、注目しているヘアトレンドを教えてください。

 髪型に限らずファッション全体が、ストリートテイストから上品でエレガントな雰囲気へとシフトしているように感じています。それに合わせて、ヘアも変わってきているのかなと。

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⎯⎯ 具体的にはどのようなスタイルでしょうか?

 マレットヘア(前髪やサイドは短く、襟足部分のみ長いスタイル)は見かけなくなりましたよね。ぱっつんボブとか、少し重ためのスタイル、まとまりのあるシルエットが多いイメージです。街中では、ショートヘアの人も増えている気がしますね。

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IHNN 2026春夏

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(編集:上玉利茉佑)

最終更新日:

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