Sports インタビュー・対談

【インタビュー】BURTON創業者ジェイク・バートン スノーボード産業を作った男の次の一手は?

来日したジェイク・バートン
来日したジェイク・バートン
Image by: Fashionsnap.com

 冬といえばスキー。そんな時代が長らく続いたウィンタースポーツ業界で、1977年にスノーボードという新しい産業を生み出した人物が居る。「バートン(BURTON)」の創設者でもあるジェイク・バートン(Jake Burton)だ。37歳から精力的に活動し、還暦を迎えた現在でも1年の3分の1は雪山を滑走するという生粋のスノーボードジャンキー。今回、六本木で開かれた同ブランド主催のスノーボードコンテストに合わせて来日した"生ける伝説"に、近年のウィンタースポーツ市場の縮小、ライフスタイルブランドとして拡大し続けるバートンの戦略などを聞いた。

■ブランド「バートン」を感化させる日本人クリエイター

― 日本人クリエイターが関わる2つのコレクションを展開していますね。音楽プロデューサーの藤原ヒロシがクリエイティブディレクターを務める「AK457」と、ホワイトマウンテニアリングのデザイナー相澤陽介が手がける「BURTON THIRTEEN」。

 はい。特にヒロシ(藤原ヒロシ)とは長い付き合いで、一緒に雪山を滑るほど良い関係。彼はものすごくスノーボードに情熱を捧げていて、バートンにもスノーボード業界にも素晴らしい影響を与えてくれています。今年2月に東京でお披露目した「BURTON THIRTEEN」は、今回一緒に来日しているバートンのチーフ・クリエイティブ・オフィサー グレッグ・ダーキシェン(Greg Dacyshyn)が、彼のデザインに惚れ込んでオファーしたことから実現しました。どちらもこれからの展開が楽しみですね。

■バートンと日本市場には共通点

―日本市場ならではのユニークな特色を教えてください。

 1980年代初期から日本には来ていますが、この国から学んだのはクオリティの高さ。ものすごく丈夫な作りで商品が出来上がるというものづくりの姿勢は、スポーツシーンを提案するにあたって重要なことの一つだと改めて気付かされましたね。それから、日本人は安いものをたくさん買うのではなくて、お金を貯めてより良いものを買うようにしていると感じます。それはバートンの哲学とすごくリンクしていて、安くはないけれど質と耐久性を併せ持ち、長く使ってもらえる商品を提案している僕たちにとって、商品の良さを理解してくれるという点がとても嬉しいです。僕たちが日本に送り出している商品は、その時代で最も完璧なクオリティのものだということを是非知ってもらいたいですね。

―世界と日本の違いは?

 毎年雪が降る日本とは違って、アメリカやヨーロッパ、去年はロシアもあまり雪が降らなかったりと他国の雪不足はビジネスに大きく影響を与えます。カリフォルニアなんて3年連続で雪不足の年が続いて、今じゃ雨さえ降らずに干ばつ。スノーボードという粋を越えた深刻な問題になっていますよね。自然環境の影響を受けつつも、僕らはスノーボードカンパニーを継続的に拡大させていかないといけない。そういった意味で四季の豊かな日本は重要な市場だと考えています。

― 4度目を迎えた世界最大のストリートスノーボードコンテスト「BURTON RAIL DAYS presented by MINI」(以下、BRD)の手応えは?

 本格的なウィンターシーズンの到来に向けて、たくさんの商品が街やお店に出回って、スノーボードを愛する人々がウェアやアクセサリーを買い求めてくれるこの時期は、本当に素晴らしいと考えてBRDを開催しています。僕たちのビジネスはウィンターシーズンが終わる3月までで一区切りになるから、それまでの期間にBRDのような面白い企画を行うことで、人気のレールライディングの需要がさらに高まってほしいですね。

15日、六本木ヒルズで開催されたBRDの様子

■スポーツ市場はタウンユース化

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―1977年のブランド設立から今年で37年目。スポーツ市場全体で広がるタウンユース化について、どう考えていますか?

 僕たちとしては、良いスノーボードやアウターウェア、バインディング、ブーツ作りを止めるつもりはありません。スノーボード自体がライフスタイルの一部で、生き方だと思っていますからね。長い歴史を持つバートンを支持してくれている人々は、フィールドをベースにした僕たちのコンセプトを好んでくれています。ただ、タウンユース化という括りで捉えると、アパレルカテゴリーのバッグビジネスが特に好調で色々な種類を作っています。ニューヨークのメイクアップアーティストやミュージシャンが僕たちのバッグを日常使いしてくれたりしている様子は、面白い現象だと感じていますね。

―ウィンターレジャーの人口減少に伴い、スノーボード業界も勢いが減速気味と言われています。

 ヨーロッパの一部では、25歳以下の失業率の高さが問題になっているくらい世界的に不況だから、若者にとって色々と辛い時代。また携帯電話や電子機器の普及によって、過去に比べてお金の使いどころが多様化したのも事実です。僕もスノーボードはもちろん好きだけど、お寿司を食べるのも大好きですしね(笑)。そういった背景も踏まえると、バートンもやはり影響を受けていて、新しいボードは毎年買わずに2年おきに買うというお客様も確かに居ます。ただ、最近はまた勢いを取り戻しているとも感じていて、皆が冬山に戻ってくる時代も近い将来やってくると考えています。

―スノーボードのパイオニアとして、近年の代表的な取り組みを教えてください。

 CSR活動に積極的に取り組んでいます。今年5月、僕が再び会長に、妻のドナ・カーペンター(Donna Carpenter)が新社長に就くという人事異動を行ったのですが、これをきっかけに、3年前には存在しなかったCSR活動のための新しい部署が立ち上がりました。

Burton-11-18-14-20141114_007.jpgインタビュー会場になったのは原宿のBURTON FLAGSHIP STORE TOKYO

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