Fashion インタビュー・対談

【インタビュー】デザビレ村長 鈴木淳「趣味でモノを作る人にデザイナーが負けてしまう時代が来る」


■10周年を迎えたデザビレ

―今年で10周年を迎えました。

 思ったよりも早かったというのが正直な感想です。デザビレが軌道に乗ったのは第二期の「writtenafterwards」や「HIROCOLEDGE(ヒロコレッジ)」からで、そこでようやく先が見えてきたかなという感じですね。

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writtenafterwards

―この10年で入居者のタイプに変化はありましたか?

 「writtenafterwards」のようにどうなるか全く分からないというブランドは少なくなりましたね。そういう人を入居させづらくなったということもあるのですが、今は天才型ではなく何でもそつなくこなす秀才型の出来る人たちが多いです。以前は自分のブランドで有名になりたいという人が多かったですが、今はちゃんと食べていけるようになりたいというところを着地点にしている人が多い気がします。

―どういったブランドに入居してほしいですか?

 起業する人には、ビジネスモデルを作る人、新しいジャンルを作る人、テイスト違いの物を作る人の3つあると思います。例えばFashionsnap.comは新しいビジネスモデルを作っており、「YUMIKO IIHOSHI PORCELAIN(ユミコ イイホシ ポーセリン)」は陶器のような温かみのある磁気というその中のジャンルを一つ築いています。どこかで見かけたような洋服や、テイスト違いみたいな洋服を作る人は結構いて、こういった人たちにはアドバイスはしやすいですけれど、伸びしろに限界を感じてしまいます。そういった自分のやりたいことをやるという応募者が増えていますが、ビジネスモデルを作る人、新しいジャンルを作る人が入居してくれれば面白いなと思います。

―どういった職種の応募がくるのですか?

 ファッションに近い業種の人たちが多いのですが、IT系の会社からもたまにあります。どこからどこをITと呼んでいいかはわらないですけれど、広くネットビジネスと呼ばれる応募者はいますね。ウェブ制作会社の応募もあったりしましたが、いわゆるITベンチャーのような新しいビジネスを作りたいという人はあまりいません。

―入居者の相談内容に変化は?

 あまり変化はないですね。どの工場とどう付き合ったらいいかというのが最初の悩みで、展示会や営業をどうしたら良いかという悩みが次にあり、そのうち売り上げが上がって生産量が増えてくると人手が足りなくなり、自分で全部作りきれないんで人をどうにかしたいという悩みが出てきます。成長するステージごとに悩むポイントが決まっていますね。

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STUDIOUS(ステュディオス)のような日本のブランドを集めるセレクトショップの存在は有難いのでしょうか?

 創業支援の立場からすると有難いですが、やはり昔と比べるとセレクトショップ全体では仕入れの量が減っていて、展示会に出ても百貨店のイベントのオファーしかこないということが多いです。10年前はまだセレクトショップが力を持っていた時代で、若手のアイテムもよく仕入れてくれていて、比較的展示会に出ても販路開拓がしやすかった時代でしたが、リーマンショック以降から若手が展示会に出ても契約になかなか結びつかないという厳しい状況になっています。海外のブランドも安く買える現在では、日本の若手ブランドを仕入れる必然性もなくなってきているのでしょう。そういったこともあってデザビレでは、入居者を集めてルミネなどで販売イベントを行っています。催事で出会ったふらっと立ち寄ったお客さんがファンになったということも実際にありますね。

―「ネバアランド」はネットの売り上げが伸びています。

 「ネバアランド」なんかは、テイストが非常に偏っているブランドなため、扱ってくれるショップがたくさんあるわけではありませんでした。そこでネット通販に力を入れて、ネット通販、催事、委託を3つの柱にしてビジネス伸ばすということを試みました。すると売り上げも順調に伸びて、今では売上の約6割をネット販売が占めているようです。加えて仲介を挟まないので、高い利益率の商売ができます。こうしたイベントと委託の商品と自分のネットショップをきちんと組み合わせた新しいビジネスモデルが今後は必要になるのではないかと考えていますね。

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「ネバアランド」過去のコレクション


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