「House of Herme」オープンに向け準備する小嶋陽菜
「House of Herme」オープンに向け準備する小嶋陽菜
Image by: ハート リレーション

Beautyインタビュー・対談

小嶋陽菜が語る「ハウス オブ エルメ」オープンと、これまでとこれから

 元AKBの小嶋陽菜が手掛けるライフスタイルブランド「ハーリップトゥ(Her lip to)」の初の直営店、コンセプトショップ「ハウス オブ エルメ(House of Herme)」がオープンした。運営するのは、小嶋が代表取締役CCO(チーフクリエイティブオフィサー)を務めるハート リレーション。オープン後は「とっておきの場所にお出かけしている自分自身をイメージできるような空間」とするショップの紹介はもちろん、新作コレクションに身を包んだ小嶋が、ひとつずつ着替えて紹介する写真がSNSにアップされるなど、“表舞台”に立つ小嶋が華やかに発信する姿が目立つ。一方で、オープンまで、遡ればブランドを立ち上げてからの4年は、順調に売り上げを伸ばしながらも、“裏の舞台”で細かな作業に奮闘する小嶋の姿も見え隠れする。表と裏、どちらも先頭を走り、そして全力投球する小嶋に、初の直営店までの想い、ファンに伝えたいこと、そしてこれからの展望について語ってもらった。

「House of Herme」オープンに向け準備する小嶋陽菜 Image by ハート リレーション
「House of Herme」オープンに向け準備する小嶋陽菜
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直営店のテーマは「新たなつながる場所」

—これまでECで順調に成長してきたハーリップトゥの初のコンセプトショップ、ハウス オブ エルメをオープンしました。まずはそのコンセプトを教えてください。

 この場所は、「新たなつながる場所」がテーマです。「ハウス オブ エルメ」の「エルメ(Herme)」は、彼女を意味する「Her」、私を意味する「Me」を合わせた私の造語。あなたと私がつながる場所という意味を込めて、「エルメ」と名付けました。アパレルショップのイメージではなく、ブティックホテルをテーマに店内を作りました。具体的などこかの国ではないけれど、今まで行った場所やこれから行きたい場所などを妄想しながら、自分でインテリアを集めたりして出来上がりました。あえて、表参道から1本入った通りにあるビルの2階にしたのも、隠れ家のような場所にしたいという想いがあります。

—直営店の構想は、ブランドデビュー時からあったのですか?

 いえ、デビュー時からというわけではなく、ポップアップストアを重ねていく中で、お客さまともっと長期で、そして深くコミュニケーションを取れる場所を作りたいという気持ちが膨らんでいきました。ポップアップストアに来店してくださる方もどんどん増える一方で、コロナ対策で入店者を抽選にする必要があり、応募を開始すると毎回サーバーがダウンしたり、限られた日数や場所では世界観を表現できないこともあっていろいろと限界も感じていました。それに、コロナ禍になって、その時その時の体験をもっと大事にしたい、という価値観に変わったのも大きいと思います。

Image by FSHIONSNAP
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—コロナ禍でECが活性化する一方で、人と人が直接触れ合い、温かみが感じることがより求められるようになりましたよね。

 オンラインがすごく便利になって、それに費やす時間がすごく増えているからこそ、少ないリアルな時間を使って、わざわざ来店してくださるお客さまに、ショッピングする店というより、そのリアルな時間を充実させるお手伝いをしたい、いい体験をお届けしたい、という想いでこの空間を創りました。

小嶋陽菜の「House of Herme」が公開

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小嶋陽菜のショップ「House of Herme」を紹介 表参道に開設

インテリアは自らDMで交渉して調達

—構想からオープンまでの道のりで、苦労したこと、挫折しそうになったことはありましたか?

 このご時世の、物流の遅延と資材高騰の影響は、モロに受けました。実は、まだ届いてないモノもあるんですよ。いろいろと焦りはありましたが、これは仕方のないこととして受け入れ、チームのアイデアと気合いでなんとか間に合わせ、オープンすることができました。

—とても素敵なインテリアですが、これらも全てご自身で選ばれたんですね。

 私自身、インテリアが大好きで、自分の家やオフィスに置きたいモノの“ウィッシュリスト”があるんです。このコーナーの照明もその一つで、イタリアのヴィンテージです。自分の家で使いたくてリストに入れていましたが、イギリスから取り寄せた壁紙にすごく合うと思って購入しました。ライトは、スウェーデンの姉妹がハンドメイドで作っているモノです。スイートルームに置いたリップ型ソファは、ポルトガルのアイテムで、会社を立ち上げた際、オフィスで使おうと思って購入してたんです。会社が大きくなったことで置く場所がなくて…。でもここの雰囲気にぴったりなので使うことにしました。

イギリスから取り寄せた壁紙に合わせ購入したスウェーデンのライト Image by FASHIONSNAP
イギリスから取り寄せた壁紙に合わせ購入したスウェーデンのライト Image by FASHIONSNAP
スイートルームはピンクで装飾 Image by ハート リレーション
スイートルームはピンクで装飾 Image by ハート リレーション

ーどうやって探しているんですか?調達は?

 たとえばスタンドライトはインスタグラムなどSNSを見ていて素敵だなと思って。それでインスタのDMで直接やりとりして購入しました。そういうのも結構ありますね。

自分の想いは、常に言語化してスタッフに伝える

—「ハーリップトゥ」も4周年を迎えましたが、ブランドを続ける上での信条を教えてください。

 「自分の好きなモノ、自分がわくわくするモノ、ときめくモノを作ってお届けする」というのはずっと変わっていません。自分がいいと思うモノがお客さまにも響くと思っているので、企画と制作全てに関わります。それを誰かに任せるというのはありません。

—そうは言っても、事業が大きくなるにつれてスタッフの人数も増えて任せることも多くなると思います。自分の想いをうまく伝えられない…、ということはなかったですか?

 アイドル時代からハードスケジュールをこなしてきて、コミットメント力はあるほうかと思っていますが、自分の熱量に合わせて「一緒にやろう!」と言ってくれる仲間を探すのって、本当に大変だなと思いました。今のメンバーは、同じ熱量、同じ目線で「やりましょう!」と言ってくれるので、それはとても助かっています。

—その中で違う世代のスタッフとのコミュニケーションの難しさや、気合いで乗り越えられないこともありませんか?

 まず、「自分がやる」というのはもちろんなんですけど、会社を作って、人が増えて、そこで何かを作っていく中で、自分がどういうことが好きなのか、どういうことがイケてると思うのか、どういうことをやりたいのか、お客さまに何を届けたいのかを、常に言語化して伝えるようになりました。もともと私は口数の少ないほうなんですが、自分が会社のカルチャーを作ると思っているので、自分で決めて、自分で伝える、それが大事だと思います。

Image by FASHIONSNAP
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感覚を共有し、完成形を一緒に探せるチーム作りが先決

—この直営店だけでなく、コレクションを作る上でも言語化することを大切にしていますか?

 そうですね。でもその前に、「いいチームを作る」ことが大切だな、と思います。たとえばですがビューティは、これまでたくさんのアイテムを触って使ってきて、どういったモノが良いか分かっているつもりです。でもいくら自分がいいモノを知っていて、「こういうのが好き」「こういうアイテムが作りたい」と思っていても、それを言語化するのが本当に難しい…。

—そう思ったのには訳があった?

 そうなんです。最初はプロジェクトマネージャーもいないまま、なんとなくアパレルと同時進行していました。それでもOEMメーカーさんにお願いすれば、サンプルは上がってくるし、何となく可愛いモノはできる状況ではありました。ですがそれでは本当のモノづくり、自分がいいと思うモノ、作りたいモノはできないと気づいて、一旦モノづくりを中断して、チームを作ることから再スタートしました。

 この難しい感覚を共有して同じ感覚を持てる人、完成形を一緒に探せる人が重要なんだと。チームを作ることが先決だと思ったんです。それで専門知識を持つチームを作りました。今は本当に満足できるボディケアやフレグランス、キャンドルなどを揃えることができています。

自ら作ったステージに上がり、そして撤収まで

—ブランドをスタートしてから4年の間に分岐点はありましたか?

 今年2月に会社組織が新体制になった時に、自分も変わったかなと思います。今まで、タレントやモデルの仕事をしてきて、その延長でアパレルを作って、表に出る側のマインドのまま、モノづくりをしていた部分もありました。会社を組織化して経営者というポジションになった時、マネージメントされる側からする側となり、変わらなきゃいけないと思って、自己変革しました。

—マネージメントされる側からする側へ。何がどう変わりましたか?

 それまでは、ステージを用意してもらって、そこに自分が立ってパフォーマンスすれば良かった…。でも今は、「この“ステージ”を完成させましょう!」と人を集めて声を掛け、作り上げることからのスタートです。それだけじゃなく、その作ったステージに乗ってパフォーマンスして、終わったあとは撤収までやる。二重三重にやることは増えるんですが、でもそれが自分の役割だと考えが変わりました。

今年6月は過去最高の月間売上を達成

—ハーリップトゥは売り上げも順調に伸びていますね。

 6月でブランド設立4周年だったのですが、お陰さまで過去最高の月間売上となりました。ただ、自分のペースでモノづくりができなくなるので、数字を追いかけるような計画を立てたりはしていません。

Image by FASHIONSNAP
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—まだ「ハーリップトゥ」を知らない方に向けて発信したいことは?

 洋服よりビューティアイテムのほうが、より幅広い方に気軽に使っていただけると思っています。ビューティをきっかけにブランドのことを知っていただければと思います。

ービューティではまた違ったお客さまを獲得できそうですね。

 アパレルとビューティの両方をやっていると、どうしてもビューティがサブっぽい見え方、雑貨のような扱いだと思われがちです。ですが、本気でチームを作って、モノづくりにも長い時間をかけています。「納得いくまで出さない」という姿勢で、中身からテクスチャー、香り、パッケージまで全てが揃っているモノ、自分で“名品”と思えるモノだけを商品化しています。そして手に取りやすい価格であることにもこだわっています。手に取ったら、その良さを実感していただけると思いますし、ギフトにもおすすめです。まだ開発中のモノもあるので、それを早く完成させたいですね。

—最後に今後の目標、ブランドの将来像を教えてください。

 「次のリアル店舗の予定は?」といった質問をよく受けますが、まずはこのコンセプトショップで、すごい熱量を持って来店してくださるお客さまとコミュニケーションを取り、深いコミュニティにしていきたいですね。皆さん、ハーリップトゥのドレスを特別な時、特別な場所に着て行ってくださることがとても多いんです。このコンセプトショップが、その「特別な場所」になることを願っています。そして、ハーリップトゥは中国でも販売しているので、海外でもまずはポップアップストアをオープンしたいですね。

Image by FASHIONSNAP
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(文:ライター・川原好恵、聞き手:福崎明子)

■House of Herme
住所:東京都渋谷区神宮前5-2-6 2階(8月末までは予約制)

公式サイト

川原好恵
ライター・エディター

文化服装学院卒業後、流通業界で販売促進、広報、店舗開発を約10年経験した後、フリーランスとして独立。下着通販カタログの商品企画などを経て、現在はランジェリーやビューティを中心に、雑誌、新聞、ファッションウェブサイトなどで執筆・編集を行う。

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