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Culture

書店であなたを待つ「円熟本」を探しに:80年以上続く老舗「小宮山書店」編

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現場で製本された幻の写真集

【タイトル】ANOTHER COUNTRY IN NEW YORK
【著作】森山大道
【発行年】1974年

小宮山:森山さんと、横尾忠則さんが一緒にニューヨークに滞在した約1ヶ月を、ハーフサイズカメラで撮影した写真集です。その後1974年に開催された個展で販売されたようなんですが、シルクスクリーンの表紙をその場でホチキス留めしてお客さんに渡していたらしいんですよ。

F:2種類ありますが、中身はどちらも同じなんですね。

小宮山:そうなんです。2種類の表紙からお客さんに選んでもらっていたようです。

F:確かに言われてみれば、かなり大胆な位置でホチキス留めされていますね。

小宮山:森山さんとは交流があり出張旅行などにご一緒させていただくこともあるのですが、四六時中カメラを持ち歩いているんです。シャッターを切り続けるという姿勢も、出来上がる作風もずっと変わらない。「巨匠」と呼ばれる所以はそういうところにあるんだろうな、と思うんです。それに、森山さんは写真で「ご飯を食べていけるか、食べていけないか」をあんまり考えていないようにも見えます。「諦めずに自分が1番好きなもをやり続ける」。この信念を長年持ち続けているというのは本当にすごいことですよね。

F:ラインナップの多くに写真集を挙げていただいてますが、小宮山さんの考える写真集の魅力ってなんでしょう?

小宮山:「流れ」で作者の作品が追えるところかな。例えば「ANOTHER COUNTRY IN NEW YORK」でいうと、「全部まとめて森山さんなんだな」と素直に思える。「説明」はないけど「完結」するんですよね。写真の役割には、美しいものを美しく保存する「ポートレート」と、時代を保存する「切り撮る」という2つがあると思いますが、それを手軽に楽しめるのが「写真集」なのかなと。

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