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 FASHIONSNAPの新春恒例企画、経営展望を聞く「トップに聞く 2023」。本年は、アフターコロナにシフトする中で各企業に求められる「イノベーション」をテーマに送る。

 第3回は、中長期ビジョンとして「世界で存在感のある企業への進化」を掲げ、グローバル(Global)、ジェンダー(Gender)、ジェネレーション(Generation)の“3G”をキーワードに独自の化粧文化や価値を創出するコーセーの小林一俊社長。2022年の年末には大リーガーの大谷翔平選手とグローバル広告契約の締結を発表し大きな話題を呼ぶなど、3Gを体現するコーセーのイノベーションについて聞いた。

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■小林一俊(コーセー代表取締役社長)
慶應義塾大学卒業。1986年コーセー入社。1989年から企画本部長室でCIプロジェクトの推進を担当。広告宣伝の刷新を図るなどコーセーのイメージ向上に大きな力を発揮。創業45周年にあたる1991年にはCIを導入。同年3月に取締役マーケティング副本部長、12月取締役マーケティング本部長兼宣伝部長、1995年常務取締役、2004年代表取締役副社長、創業60周年にあたる2007年6月から現職。社長就任直後から攻めの改革と守りの改革を行い、V字回復を成し遂げた。

2022年は多様性が浸透した年

2022年を一言で振り返ると?

 近年、ジェンダーレスやダイバーシティ&インクルージョン(D&I)といった言葉が大きく取り上げられるようになっていましたが、それでも社会全体が自分ごと化するまでには至っていなかったと思います。しかし2022年に入り、一気に多様性が市場に浸透した年と言えるのではないでしょうか。

 例えば、わが社のブランド「コスメデコルテ(DECORTÉ)」ではグローバルに対応した40色展開の新リキッドファンデーション「ゼン ウェア フルイド」のうち、18色を昨年4月に日本で先行発売し、新しいお客さまが多く増えました。また「雪肌精」をはじめとして、化粧水や美容液が男性からも支持を得ていますし、ハイプレステージブランドを取り扱う百貨店カウンターには男性だけの来店も増えています。こういったことからも多様性が市場を創造するようになった年と位置付けても良いと思います。

ー多様性が広がった2022年の業績は?

 第3四半期までの実績をみると、日本においてはコスメデコルテ、「ジル スチュアート ビューティ(JILL STUART Beauty)」、「アディクション(ADDICTION)」といったハイプレステージブランドが好調で、いずれも売上高は前年同期比で2割を超える大きな伸びで推移していますが、マスチャネルは苦戦を余儀なくされました。一方で海外は「タルト(tarte)」が好調な北米は増収ですが、アジアが微減収だったものの計画では未達で、反省すべき点です。さまざまに要因はありますが、グローバル戦略を中国に集中していたことが大きい。中国のトラベルリテール事業は、海南島を中心に堅調に推移している一方で、中国本土は上海などを中心としたロックダウンが断続的に行われたことで、継続的な経済活動が抑制されたことが影響しました。

2022年12月期 第3四半期決算
売上高:2008億円(前年同期比7.5%増)
営業利益:124億円(同88.6%増)
経常利益:225億円(同113.4%増)
親会社株主に帰属する四半期純利益:138億円(222.3%増)
化粧品事業
売上高:1607億円(同8.5%増)
営業利益:154億円(同44.9%増)
地域別売上高
日本:1169億円(同7.6%増)
アジア:531億円(同0.7減)
北米:270億円(同24.5%増)
2022年12月期通期予想
売上高:2830億円(当初計画比3.4%減)
営業利益:165億円(修正計画比17.5%減)
経常利益:226億円
親会社株主に帰属する純利益:165億円
※中国のゼロコロナ政策による経済活動の抑制や韓国の大幅減収、日本のドラッグストア中心とするマスチャネルの業績不振などから売上高及び、原材料高騰などが重なる営業利益においては当初計画から下方修正。

企画から物作り、プロモーションまで一気通貫が奏功

ー日本市場での好調ブランドの要因は?

 まずは市場の需要回復に伴い、当社の売り上げも伸びたと思います。経済産業省が10月までの工場出荷金額を対前年2.4%増と発表しましたが、弊社は7%増前後と市場を上回る進捗率で推移しています。さらに先ほど申し上げた好調な3ブランドにおいては、企画から開発、販促、話題づくりなどを一気通貫でそれぞれのブランド事業部内で行ったことが、その要因と考えています。

 例えばですがコスメデコルテは、ロングセラーの「モイスチュア リポソーム」をリニューアルした美容液「リポソーム アドバンスト リペアセラム」が、一昨年9月の発売から1年1ヶ月で累計売上販売個数100万個を突破しました。また、昨年9月に発売したナイトメンテナンスクリーム「リポソーム アドバンスト リペアクリーム」も初月の販売目標を4日間でクリアし、コスメデコルテの過去発売したクリームの中で、群を抜いて最高の販売個数となっています。こういったスター製品だけでなく、スキンケアやポイントメイク、ベースメイク、フレグランスといった全てのカテゴリーが好調です。アートディレクターであるマルセル・ワンダース(Marcel Wanders)が手がけるブランドの世界観を軸に、高い効能効果と心地よい感触の物作りはもちろん、パッケージやデザイン、さらには店頭やウェブなどでのプロモーションまでブランディングができていたことが大きいですね。お客さまにブランド価値がしっかりと伝わったと思います。

ー好調ブランドにならい、「雪肌精(SEKKISEI)」などプレステージブランドを中心に組織再編を行いました。その狙いは?

 プレステージ領域においては、これまでブランド数や商品数が非常に多くリソースが分散しがちだったことに加え、商品企画、プロモーション、宣伝など役割毎分業制で進めていました。例えば商品が完成すれば、次は宣伝部にバトンタッチする…。そうすると、少しずつコミュニケーションでズレが起こってきますよね。それが最終的には売上の低迷にもつながってしまったと思います。

 先ほども触れましたが、コスメデコルテなどでは企画からプロモーション、宣伝まで同じ目線で進めた結果、とても良い業績を残せています。そこで、雪肌精については組織をジル スチュアート ビューティやアディクションと同じ戦略事業部内に新たに設置した、クリーンビューティ事業室に移管し、宣伝PR業務なども加え一気通貫で事業を推進していきます。

全 2 点

ー雪肌精は復調の兆しが見えています。

 厳しさが続いていた雪肌精も、実は良いニュースもありました。雪肌精はそもそも、植物の力で全ての人の肌の透明感を叶えるブランドとして展開し、男性の使用率も高いブランドでした。そこで、今後、コーセーが強化する新たなお客さまづくりのテーマでもある「3G」(グローバル、ジェンダー、ジェネレーション)の代表ブランドとして、2022年6月に放映した新CMでメッセージをおくりました。女優の新垣結衣さんとプロフィギュアスケーターの羽生結弦さんが登場して、「雪肌精におすすめの年齢はありません」「雪肌精に男性用はありません」「性別や年齢を問わず使える…」とアピールしたところ、お客さまからの反響が大きく、ブランド全体の価値も売り上げも高まりました。ある新聞社の「2022年効果的だったCMトップ10」では6位にランクインし、また36年変わらず展開するオリジナルラインの売上が36ヶ月ぶり前年を超え、復調の兆しが見えてきました。2023年にはさらに成果が出てくると期待しています。

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