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【トップに聞く 2023】コーセー 小林一俊社長 グローバル・ジェンダー・ジェネレーション“3G”を推進

Video by: FASHIONSNAP

大谷選手起用で野球に打ち込む子どもたちの肌を守る

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ーそういったタイミングでの米MLB「ロサンゼルス・エンゼルス(LosAngels Angels)」所属の大谷翔平選手とグローバル広告契約は業界内外で話題を集めました。

 2023年元旦に、大谷選手と羽生選手を見開きで起用する新聞広告を掲載しました。羽生選手もそうですが、大谷選手の起用は中長期ビジョンで重視する3Gを見据えた結果です。その3G推進のため、世界で活躍し性別や年齢を問わず多くの人に愛される大谷選手に白羽の矢を立て、「過酷な乾燥や紫外線から野球選手や高校球児、野球に打ち込む子どもたちの肌を守りたい。化粧習慣のファーストステップとして日やけ止めを塗るという文化を築く一翼を担ってほしい」という思いを伝えました。大谷選手もその思いに強く感銘してくれ、また実際に使用した製品の良さに、引き受けてくれることになったのです。

ロサンゼルス・エンゼルス 大谷翔平選手

ー3Gの取り組みの一環として、子どもの職業・社会体験施設「キッザニア東京」にパビリオン「ビューティスタジオ」をオープンしました。

 パビリオンでは、「きれいを、もっと自由に」をコンセプトに、メイクアップもしくはヘアスタイリングを行う「ヘア&メイクアップアーティスト」と、ルームフレグランスを調香する「パフューマー」の職業を体験できます。それぞれの“きれい”を経験することで多様な価値観に触れ、それを受け入れる包摂性の大切さを育んでもらうことを目指しています。また、「化粧は女性がするもの」という先入観を持たずに男の子も化粧品に楽しく触れてほしいとの思いもあり、オープン後は男の子の体験も多いと聞いて、嬉しく思っています。

花王とのサステナビリティ協働が始動

ー2021年に発表した花王とのサステナビリティ領域での協働は2022年に始動しています。

 花王さんが「トワニー(TWANY)」で実証実験を行っている、回収した使用済み化粧品ボトルを化粧品ボトルへ再生する“水平リサイクル”の取り組みについて当社でも検討を進めていますが、その一環として、2022年12月から順次、スキンケアブランド「プレディア(Predia)」と雪肌精で、花王さんが進めてきたケミカルリサイクルPET(ポリエチレンテレフタレート)素材の採用をスタートさせています。また当社はモーンガータ社と進めてきた「絵具などへの化粧品再生利用」に続き、メイクアップ化粧品をインキの色材として再利用した「エコスメインキ(ecosme ink®)」の開発にも協力することを決め、ギフトボックスやショッパーなどの包装資材の印刷に活用していきます。花王さんもインキ化への実現に向けた検証を行なっていますので、両社で協力して進めていきたいと思います。

 社会課題は幅広くあります。サステナビリティの領域に限らず、花王さんをはじめ多くの企業と協業し、各企業が持つさまざまな知見を活かして、お互いを高め合いながら新しい価値を生み出していきたいですね。

「2022年イノベーション」
独自のサステナビリティ推進
11月:コスメデコルテが渋谷区立宮下公園でパープルライトアップを実施
9月:伊藤忠プラスチックスが取り扱うマスバランスアプローチによるバイオマスPPを化粧品容器に採用
8月:カーボンニュートラルを目指した新CO2排出量削減目標策定
3月:コスメデコルテで ジェンダーギャップのない社会に向けた独自活動を開始
デジタル推進
8月:「Maison KOSÉ銀座」にメイクシュミレーター「COLOR MACHINE」搭載
7月:カウンセリングプラットフォーム「WEB-BC SYSTEM」にバーチャル トライオンを実装
異業種協業
7月:コーセーと協業で開発したネイルプリンターをカシオ計算機が商品化
6月:オープンイノベーションで協業企業を募集
2023年1月:コーセーが商品開発で協力、アマンから新スキンケアが誕生

ー2023年のイノベーションの重点策は?

 引き続き“3G”をキーワードに、独自の化粧文化や価値を創出していきます。その中で、グローバルでは、中国に依存しすぎず、あらゆる市場に投資を行います。これまでの反省点として、中国に軸足を置きすぎたと思っています。中国以外のアジア圏、欧米への投資も進めます。まずは欧米を中心に、アジアではインドを視野に入れます。化粧品は国民性や趣向性、生活習慣なども関係するためグローバルでは時間をかけて理解を得ていくことが必要です。インドは今年にも人口が中国を抜くと見込まれており、市場はとても大きい。実は当社は50年以上前の1968年に香港に、1988年に中国本土に進出しています。成長に長い歴史を刻んできていますし、そう考えると10年前に上陸したインドはこれからだとも言えます。ブランド展開では、コスメデコルテの世界での存在感をいっそう高めるとともに、今年はそれに次ぐブランドも育成していきます。日本市場は回復傾向にあり、インバウンドも戻りつつありますが、それ頼みにならず気を引き締めて勝てる力を蓄えていきます。

「美しい知恵 人へ、地球へ。」

ー「美しい知恵 人へ、地球へ。」について教えてください。

 今年、企業広告などで使用するキーヴィジュアルを新しくしました。こちらのコピーにも入っていますが、当社は1991年にCIを行い、企業メッセージとして「美しい知恵 人へ、地球へ。」と掲げています。今では、SDGsという言葉を聞かない日がないほどサステナビリティの取り組みを各社が進めていますが、当社は今から30年以上前から事業活動として取り組んできました。

 この所以とも言えるのですが、創業者の小林孝三郎は戦後間もない時期に、化粧品が今後の日本経済の発展を担う商材となり、人々の心も肌も明るく豊かなものにすると信じ起業しています。社員に対しても、ことあるごとに「三方良し」という言葉を投げかけてきました。人々のため、そして大切な地球のために“美しい知恵”を役立てていきたいという想いが脈々と受け継がれ、当社のDNAにもなっています。雪肌精の「SAVE the BLUEプロジェクト」が2009年から14年と長く続いているのも、この風土があったからだと思います。

 私たちが願っているのは、誰もが自信と活力にあふれ、個性を認め合える社会であり、そして安心して暮らせる健やかな地球の未来です。これからもこの願いを叶えるために、「人へ」「地球へ」のそれぞれの切り口から、企業はもちろん、各ブランドでの取り組みも展開していきます。

 化粧品は見た目を変えるだけでなく、心も明るくする消費材です。コロナ禍から3年、この3年で多くの種まきをしてきました。ピンチをチャンスに、種まきから花を咲かせ収穫できる年にしていきます。

(文:ライター 中出若菜、聞き手:福崎明子)

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