Art インタビュー・対談

【インタビュー】村上隆が見いだした気鋭アーティストMADSAKI、愛妻のヌードで新境地へ

村上隆との出会いと愛妻の支え

madsakiさん(@madsaki)がシェアした投稿 - 2016 1月 29 1:36午前 PST

―村上隆さんとの交流はいつ頃から始まったのでしょうか?

 一昨年10月頃にインスタグラムで連絡をもらって、作品を買ってくれてからだね。

―MADSAKIさんから見る村上さんはどんな人?

 巨匠だよね。子供の時はお父さんがいるじゃん、叱ってくれたりアドバイスくれたり。けど大人になるとそういうのいなくなるじゃん。僕はいなかったの、ずっと。村上さんは本当に尊敬できるだけじゃなくて、アートのアドバイスもくれる。毎日勉強させてもらってる。

―村上さんに購入してもらった当時、自分の作品に手応えはありましたか?

 自分の中では面白いことやっていると思うことはあったね。

―作品が評価されるまでの期間は長かったですか?

 クソ長かったよね。もう辞めようかなって思うこともあった。

―生活が苦しかった時期もありましたか?

 「来月の家賃どうしよう」なんてことは余裕であった。Tシャツのデザインをしたりブランドともコラボしたりして、なんとか生活してた。

ーそれでも家族は反対しませんでしたか?

 家族はどう思ってるかわからない。でもこの間、嫁が酔っ払っている時に「私はあんたと結婚するときに、芸人と結婚するみたいに腹決めてるから」って言ってたかな。

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妻と出会った日付を刻印した結婚指輪を手に取るMADSAKI

―アート活動に関して奥さんから何か言われることはありますか?

 一切言わないね。ただ絵で悩んでるのは分かるらしくて、今日こういうの描いたんだって見せるとボロクソに言ってくる。嫁の絵を描いてた時は「全然良くない。私の足をもっと長くして」とか。関係ねーじゃん!ってね(笑)。

―(笑)。奥さんはアート関係の人ですか?

 全然。でもずっと一緒に生活しているから、俺のことは全部わかっちゃうんだと思う。

"嫁のヌード"描いた新作で新しい境地に

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―今回スタートした個展「HERE TODAY, GONE TOMORROW」で展示している作品のモデルはすべて奥さん。選んだ理由は?

 村上さんに「お前いつもインスタに嫁ばっかあげてるよな。じゃあ嫁描けば?」って言われて。

―今まで奥さんを描いた事はありますか?

 ないない。嫁なんて描きたいとも思ったことがなかった(笑)。今回は嫁を説得するところから始めなきゃいけなかったから、そこから悩んだね。

―なかにはヌードの作品も。奥さんは抵抗しなかったんですか?

 もちろん抵抗された。「なんで私の私生活をさらけ出さなきゃいけないの。何考えてるの、バカじゃない」ってめちゃくちゃ拒否されて。でも「もうお願いだから、これアートだからお願いします」って言って、なんとか描かせてもらった。

―別の展示空間では、奥さんの笑顔がたくさん並んだ正方形のキャンパスを並べていますね。

 インスタグラムをイメージしたシリーズで、実際に投稿しているものもあれば、したかったけどしなかったものを選んできた。こっちがパブリックだったら、ヌードの方はプライベート。

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―"プライベート"の作品はどういうシーンを描いたのでしょうか

 絵のための撮影がてら、着物を持って子どもたち2人も連れて家族旅行に行ったんだよね。その写真を見ながら描いた。

―なぜヌードに?

 どう撮って良いかが分からなくて。それで半分嫌になっていたら、嫁がぼーっとテレビ見てポテチ食べてたんですよ。後ろは子どもたちが散らかしたままの状態で。そこで何も考えずに写真を撮ったら、こういう普段みんなが見てない自然体が良かった。

―自然体にこだわった理由は?

 嫁に出会った時、"この人だ"ってビビッときたのもあって、ポージングとかで嫁を"表面的"には描けないんですよ。だからさっきのポテチを食ってるっていうふとした瞬間に"これだ"ってなって。その時にどうやって描けばいいのか掴み始めたけど、いざ自分の頭の中にある嫁の雰囲気をキャンバスに描こうとすると出てこないんだよね。全然上手くいかなくて四苦八苦して、途中ですごく嫌になった。

―紆余曲折があったんですね。

 ここ数年は巨匠の文字や絵をパクって描いてきたから、"自分の絵"を描いてこなかった。そういう意味ではゼロから始めないといけなかった。しかも嫁がモチーフだから、色々悩み始めちゃって。

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―完成してみて感想は?

 大きなうんこ出したって感じかな(笑)。ごめんね、変な言い方して。でも本当にそう。

―そこまで満足した作品が作れたということ?

いや、まだ満足してないね。0から0.5にやっと行った感じ。その0.5が自分の中では大きかったかな。今までは自分の絵をあえて描かなかったから。でも嫌な中でも楽しんで、パズルが繋がった時のような快感を求めていくことが楽しかったね。だからもっと絵を描いていきたいって思ってる。

―生みの苦しみは味わったけれども。

うん。マゾなのかな(笑)。

madsaki-interview-20170519_060.jpg■MADSAKI
1974年大阪生まれ。パーソンズ美術大学卒業。バーンストーマーズ(Barnstormer)で活動した後に日本に帰国。現在は個展を開催するなど精力的にアーティスト活動を行っている。日本におけるピストバイクのパイオニアとしても知られている。
公式サイト

■MADSAKI個展「HERE TODAY, GONE TOMORROW」
会期:2017年5月19日(金)〜6月15日(木)
開廊時間:11:00〜19:00
閉廊日:日曜・月曜・祝日
会場:カイカイキキギャラリー
   東京都港区元麻布2-3-30 元麻布クレストビルB1F
公式サイト

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