マニアが「ニューバランス(New Balance)」の魅力を深掘りする「マニアが深堀り! ニューバランス編」。1年365日ニューバランスを着用しているナナビット(nanabit)が、基本情報からうんちくまで様々紹介します。全4回連載の第2回は、知っておくべきナンバリングの中から500番台、1000番台、2000番台、そして最新の「シフトカテゴリー」について深掘りしていきます。
■マニアが深堀り! ニューバランス編
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ニューバランスは100年以上続いているメーカーです。前回に引き続きその歴史を少し振り返ります。
創業当初から労働者やランナーを救ってきたニューバランスですが、1972年に大変革を迎えました。現会長であるジム・デービス(Jim Davis)氏による買収です。買収後、元々ランナーとしても知られるデービス氏によって、ランニングカテゴリーの開発が加速しました。そして1976年にテリー・ハックラー(Terry Heckler)氏によって考案された「ナンバリングシステム」と「Nロゴ」が特徴のランニングシューズM320が、権威ある雑誌「ランナーズワールド」で競合他社を抑えて1位を獲得(後にニューバランスを支えるテクノロジー「C-CAP」の開発はこの出来事が無ければあり得なかったかもしれません)。これによって、認知度・業績共に業界大手へと成長していきます。続きは第3回で紹介します(近日公開)。
それでは、500番台、1000番台、2000番台、シフトカテゴリーの主要品番を順番に深掘りしていきます。
500番台
500番台:オフロード用に作られ、あらゆる場面で活用できるタフさがあります。
574
ニューバランスには1世紀以上にわたるブランドの歴史を祝うために毎年「Grey Day」という祭日があり、代名詞カラーの「グレー」を祝います。2021年のGrey Dayで発売されたのは500番台を代表する「574」。「みんな履いてきた(Worn by Anyone)」というキャッチコピーには、多くの人が共感しました。キャッチコピー通り、574は世界中で最も愛されているニューバランスモデルといっても過言はないでしょう。アジア製のものが多く、価格は1万円前後で手に取りやすく販路も多いです。加えて、カラーや素材のバリエーションが豊富なところも魅力です。
575
500番台の元祖となるのは1985年に誕生したM575というモデルです。当時のランニングシューズは舗装道路での使用目的に作られていましたが、山道などのオフロードランニング用が必要であると考えられ開発されました。特徴的なのはアウトソールの形状で、溝が深く悪路に対してグリップ性を発揮します。
576
1988年には500番台の代表モデルとして知られるM576が誕生します。M575を継承しつつも、当時のランニングシューズ市場ではメッシュとスエードという素材が多かった中、576は上質なフルレザーで製作。ストリートシーンでも評価されるようになり、ニューバランスファンが急増しました。素材の豊富さと上質さがM576の特徴。M576の廉価版として574が作られていることもあって、500番台を、そしてニューバランスを語る上で欠かせないモデルと言えるでしょう。
580
574と576に次いで説明不可欠なのは580です。日本では1990年代後半にストリートシーンで注目を集め、次々にコラボレーションモデルが展開されました。アメリカで販売されていた585の改良品番ですが、ソールユニットは何度もアップデートされており、安定感のあるROLLBAR搭載モデルや、軽量化されたREVLITE搭載モデル、さらには衝撃吸収性に富んだABZORB搭載モデルなど1つの品番で多くの種類を展開をしている珍しいシリーズ。30代後半から40代のユーザーには特に馴染み深いモデルで、復刻を望む声も多いです。
1000番台
1000番台:ニューバランスの代表モデルが揃うフラッグシップシリーズ。発表当時の最新のテクノロジーを搭載しており、プレミアム感のある履き心地で高揚感を味わう事が出来ます。
1300
今となっては5年に一度の抽選販売(マニアの間では5年に一度のお祭り)でお馴染みのM1300は、1985年に130ドルという驚愕の価格(一般的なランニングシューズが5〜6足購入できる)で発売されます。ENCAPを初搭載し、今もなおニューバランスを象徴するモデルです。2010年の復刻モデルがM1300JPで、それ以降は5年周期でJP2、JP3と展開されており、おそらく2025年にM1300JP4が発売されるでしょう。M1300には派生モデルが数多くあり、同じ1300という冠を被っていますがミッドソールテクノロジーが現代風に改良されていて見た目も履き心地も違うため購入する際はよく見て選ぶようにしましょう。
1500
1300に続き1989年に発売されたのがM1500です。「あれ、順番的にはM1400が先では?」と思われがちですが、M1400は当時の技術では製品化が不可能で、1500が先に市場に登場します。1000番台の2番手として登場したM1500の特徴は、クッション性の高いENCAPと安定性に優れたPU素材を組み合わせた一体型ミッドソールです。また、サイドのNロゴは刺繍で小さめに配置され、スタイリッシュな印象があります。その後日本の技術が加わりM1500登場の5年後の1994年にやっとM1400が発売されます。今思うと、「品番を逆にすれば良かったのに」と思われるかもしれませんが、ここは開発者の想いや当時の時代背景を感じる事が出来るエピソードとして楽しみましょう。
1600、1700、1450
M1400と同年の1994年に、1000番台初のABZORB搭載モデルM1600が誕生。5年後に20世紀最後の1000番台M1700が誕生します。2005年にはM1400のデザインに当時のテクノロジーを合わせたM1450が誕生します。
1000番台というと高価なイメージで手を出し辛いと感じているかもしれませんが、モデルによってはアジア製の廉価版も展開されています。CM1700というアジア製モデルはソールユニットがM1700と同じなので、1000番台のテクノロジーを少しでも体感してみたいという人には最適かも知れません。
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