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#Fスナ映画部屋

【#Fスナ映画部屋】絶対に観てほしい6月公開の気になる最新作は?

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 トレンドの最前線を行く者、映画の最新作も気になるはず──。今月公開が予定されている最新映画の中から、FASHIONSNAPが独自の視点でピックアップする映画連載企画「Fスナ映画部屋」。ジャンルを問わず、気になる3タイトルを紹介します。

 ファストファッションと資本主義の闇をブラックジョークたっぷりに語る「グリード ファストファッション帝国の真実」や、名作「エターナル・サンシャイン」、「アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜」が好きなら絶対に見てほしい大注目のメイド・イン・台湾映画「1秒先の彼女」などをセレクト。編集部員によるゆる〜い座談会付きで、今月絶対に見てほしい注目の映画3本を紹介します。

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今月の気になる映画は👀?

グリード ファストファッション帝国の真実

Image by Ⓒ2019 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. AND CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION
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 デザインに富んだ服が低価格で手に入るファストファッションは、今やファッション業界になくてはならない存在。そんな英ファストファッションの代名詞ともいえる「トップショップ(TOPSHOP)」の親会社アルカディア(Arcadia)が、自己破産したのは昨年11月のこと。パンデミックでの打撃は別にして「トップショップにとって最後の痛手となった原因の一つには、最高経営責任者フィリップ・グリーンの悪評なのでは?」という声も後を絶たず……。そんなグリーンがモデルとなった映画「グリード ファストファッション帝国の真実」が、6月18日から全国ロードショー。人間が生きる上で欠かせない「衣食住」のひとつである衣服。「グリード(強欲)」なのは、グリーンなのか、それともそれを享受している私たち?

気になるあらすじは?

 本作は、エーゲ海を望むリゾート地ミコノス島で行われる壮大なパーティー準備シーンから始まる。物語の主人公はリチャード・マクリディ卿。ファストファッション・ブランドの経営者として途方もない成功を収めた大富豪である。しかし、アパレル業界に「帝国」を築き上げた彼は、イギリス当局から怪しげな金融取引、脱税、労働搾取などの疑惑を追及されている様子……。リチャードの60歳の誕生日を祝うこのパーティーは、すっかり地に堕ちてしまった自らのイメージの回復を目論む一大イベントでもあった。「強欲なる皇帝」リチャード・マクリディは本当に悪なのか?彼を待ち受けていたのは想像を絶する運命だった。

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一足先に「グリード ファストファッション帝国の真実」を観た、同い年編集部員2人による ゆる〜い座談会

フルカティ

 普段はアートやカルチャー関連のほか、東京のデザイナーズブランドなどを担当。7月末までのダイエット中。このダイエットが成功したら「クリスティン・"レディ・バード"・マクファーソン」になるべく髪をピンクにする野望あり。

    マサミーヌ

     普段はビューティやコスメ関連の記事を担当。オタク気質で、アイシャドウパレットを肴に酒が飲める。「今月はもうコスメ買わない!」って何回目?サマーコレクション祭りで月末のクレカ請求が恐ろしい今日この頃。

      フルカティ:観劇直後はそうでもないけど、3日くらいたった後にじわじわ効いてくる映画ってない?「グリード」は今完全にそれ(笑)。もっとライトに観れると思っていたんだけど、結構じわじわくる。

      マサミーヌ:主人公 リチャード・マクリディのモデルは、英ファストファッションブランド「トップショップ(TOPSHOP)」親会社アルカディアグループのCEOフィリップ・グリーン。

      フルカティ:アルカディアグループって去年破産したんだっけ?

      マサミーヌ:そうだね。トップショップは「エイソス(ASOS)」が買収した。

      ASOS 公式サイト キャプチャ

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      フルカティ:てっきり、マクドナルドをフランチャイズ化したレイ・クロックを描いた作品「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」のように、フィリップ氏の盛衰を描くドキュメンタリー風の自伝系映画だと思っていたんだけど、蓋を開けてみたら「という実在の人物を借りた、痛烈な社会風刺映画」だった。ものすごい広い視野で、様々な問題が浮き彫りになっていく。

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      マサミーヌ:どちらかと言えばスパイク・リー監督を彷彿とさせるような、ブラックジョークを交えながら現実を突きつけるような作品っぽい?映像構成はインタビュー風映像と再現映像、現実がおり混ざっているという点で「ハスラーズ」とか「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」とかにも似ているかもね。

      「テネット」主演俳優×アダム・ドライバー
      スパイク・リー監督のアカデミー賞受賞作品
      「ブラック・クランズマン」

      マサミーヌ:原題は「greed(強欲)」だけだけど。「強欲」という言葉が、主人公リチャードだけではなく、見ているこちら側にも切り掛かってくる。「ファストファッションを享受しているあんたたちも強欲だ」って。

      フルカティ:なるほど、確かにそうだね。

      マサミーヌ:ファストファッションは、確かに安く手に入れることができるけど「それは縫製工場で働く人々が低賃金で労働しているから」というのがここ数年のファッション業界の課題。

      フルカティ:リチャードという単独の人の「エゴ」を描いていると思いつつ……。なんだろうね、こう話している時点でポジショントークになっちゃいがちなんだけど、本作が描いている時代から少し経った後にも工場の崩落事故があったわけで。

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      マサミーヌ:確かに、ファッション業界の問題点をブラックジョークを交えながら指摘している作品でもあるんだけど、どちらかと言えば資本主義の話だよね。

      フルカティ:そうだね、リチャードという人物そのものが「資本主義の権化」のように描かれているし。

      マサミーヌ:ファッションは、衣食住の中に含まれているし「着ない」って選択肢はなかなか現実的ではないはず。その状況の中で内情を詳らかにして透明性を担保しているところを買っていくしかないんだろうけど、「私たちは縫製工場で働く人たちに配慮しています!」と宣言しているところに対して「本当かよ」という気持ちが拭えない気がするんだよね。

      フルカティ:グリーンウォッシュ的なイメージ戦略が見え隠れする時はあるよね。

      マサミーヌ:だんだん「消費者をなめるなよ」という気持ちになってきた(笑)

      フルカティ:話していくうちに徐々にね(笑)。私たちはメディアの人間だから、消費者に情報を伝える立場になきゃいけないんだけど、やっぱり大企業が一気に変わるのは難しい。でも、消費者だってキャンセルカルチャーというか、「批判はするし、苦言は呈しますよ」という気持ちは大事にしていきたい。

      マサミーヌ:「それでも、安かったら買うんでしょ」と言われたとしてもだよね。消費者として間違ったことをしないために「これは違うよね」って想い続ける、たまに行動に移してみることが大事なんだよね。

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      フルカティ:冒頭、タイトル「greed」のフォントが出るまでにオープニング約1分間はかなり惹きつけられたなー。ポップなBGMが流れる中、映し出されるのはパソコン越しの動画サイトの映像。画質の粗い映像と音楽が止まって映し出される「強欲」の一文字。かっこよかったわ。

      マサミーヌ:前回同様、オープニング厨だね(笑)!

      フルカティ:たしかに(笑)。あと個人的に嬉しかったこととして、リチャードの息子 フィン・マクリディ役にネットフリックス(Netflix)オリジナルドラマ「セックス・エデュケーション」の主人公を演じたエイサ・バターフィールドが起用されていたこと!

      マサミーヌ:「リチャードの母親役の俳優もどこかでみたことあるな」と思っていたら「ハリー・ポッター」シリーズに登場するお化け、嘆きのマートル役の人(シャーリー・ヘンダーソン)だった。

      フルカティ:そうなの!リチャードの母 マーガレットも鼻にかかる傲慢お母さんですごくよかった。

      マサミーヌ:ようするに、リチャードの「あの」性格は脈々と流れる血筋であることがよくわかるよね。

      フルカティ:カメオ出演として、コリン・ファースやキーラ・ナイトレイ、コールドプレイ(Coldplay)のクリス・マーティン、ベン・スティラーなど、イギリスの名俳優が本人役で登場しているのも見どころのひとつ。

      マサミーヌ:そうだね。少なくとも、この映画に「セレブリティ」として出演した彼らは、自分たちセレブを馬鹿にするのを楽しんでいて、自分で自分をパロディしているんだなと思えたから、妙に好感度上がっちゃった(笑)。

      フルカティ:リチャードの白すぎる歯も、多分セレブリティの象徴だし少しだけ皮肉も込められているよね。

      Image by Ⓒ2019 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. AND CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION
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      マサミーヌ:この映画を見終わったら、絶対にアバ(ABBA)の「Money, Money, Money」が聞きたくなるはず(笑)!

      フルカティ:ファッション業界に入りたての人とか、ファッションの構造を知りたい人とかはぜひ見て欲しい。私もファッション業界に入ってからまだ日が浅いから、頭を殴られたような気持ちになったし、気付きも学びもたくさんあったよ。

      ■グリード ファストファッション帝国の真実
      公開日:2021年6月18日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
      上映時間:130分 ※PG12
      監督・脚本: マイケル・ウィンターボトム
      出演:スティーヴ・クーガン、アイラ・フィッシャー、シャーリー・ヘンダーソン、エイサ・バターフィールド、デヴィッド・ミッチェル、ディニタ・ゴーヒル
      公式サイト

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      1秒先の彼女

      第57回台湾アカデミー賞最多5部門受賞の大注目作

       ミシェル・ゴンドリー監督作品「エターナル・サンシャイン」やリチャード・カーティス監督作品「アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜」が好きな人に絶対見てほしいのが本作!物語の主人公は郵便局で働くシャオチー。彼女は仕事も恋もパッとしない女の子。何をするにもワンテンポ早い彼女は、写真撮影では必ず目をつむってしまい、映画を観て笑うタイミングも人より早い。ある日、意中のダンス講師とバレンタインにデートの約束をするが、目覚めるとなぜか翌日に。約束していたバレンタインが消えてしまった……?秘密を握るのは、毎日郵便局にやってくる、常にワンテンポ遅いバス運転手のグアタイ。人よりワンテンポ早い彼女の消えたバレンタインを巡る物語と、ワンテンポ遅い彼のもうひとつの物語を描く本作。監督は台湾新世代の「異端児」チェン・ユーシュン。独特のタッチで青春模様を描いた「熱帯魚」や「ラブ ゴーゴー」はいまだに根強いファンがいるはず。

      ■1秒先の彼女
      公開日:2021年6月25日(金)
      上映時間:119分
      監督:チェン・ユーシュン
      出演:パティ・リー、リウ・グァンティン、ジョアン・ミシンガム、ダンカン・チョウ他
      公式サイト

      カムバック・トゥ・ハリウッド!!

      ロバート・デ・ニーロ ×トミー・リー・ジョーンズ×モーガン・フリーマンの超豪華共演!

       「ロバート・デ・ニーロ、トミー・リー・ジョーンズ、モーガン・フリーマンが豪華共演!」そんな謳い文句を見たら映画ファンなら誰でも気になってしまうはず。しかも、デ・ニーロは「B級映画監督」、トミー・リージョーンズは「自殺願望がある元西部劇スター」、モーガン・フリーマンは「映画マニアのギャング」とその役所も魅力的。物語の舞台は1970年代のハリウッド。B級映画プロデューサーのマックスは、ギャングのレジーからの借金が返せず大ピンチ。起死回生の大トリックとして、危険なスタントを撮影し死亡事故が起きた時に保険金が手に入れば……ともくろむ。アカデミー賞に輝くハリウッドの三大レジェンドが肩の力を抜いてドタバタ劇。大味な音楽の使い方や、先読みできちゃう展開など、古き良き映画愛を感じる作品ですよ。

      ■カムバック・トゥ・ハリウッド!!
      公開日:2021年6月4日(金)
      上映時間:104分
      監督:ジョージ・ギャロ
      出演:ロバート・デ・ニーロ、トミー・リー・ジョーンズ、モーガン・フリーマン、ザック・ブラフ、エミール・ハーシュ他
      公式サイト

      【ネタバレ注意!】もっと、「グリード ファストファッション帝国の真実」の話

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