Fashion フォーカス

渡辺直美「プニュズ」立ち上げから3年、誰でも手が届くブランドに

渡辺直美
渡辺直美
Image by: FASHIONSNAP

 体型と衣服の関係が、ポジティブな捉え方に変わってきた。プラスサイズモデルがファッション誌やランウェイショーを飾り、小さい胸および大きい胸専用のランジェリーブランドが市民権を得ている。ウィゴー(WEGO)がトータルプロデューサーにお笑い界で活躍する渡辺直美を迎え、6Lサイズまでそろえるファッションブランド「プニュズ(PUNYUS)」を始動してから約3年。服作りから店舗デザインまで深く関わっているという渡辺直美は自らを広告塔に、体型に関係なく着ることができ「誰でも手が届く」というファッションを国内外に広めようとしている。

 

■食べ物プリントが定番

海老やとうもろこしの総柄、スリーブに小籠包がプリントされたトップスなどが展開される

 「プニュズ」が都内で行なった2017年春夏コレクションの展示会では、ブリーチデニムや、パステルカラーのワンピース、グランジ風のTシャツなど、様々なテイストがミックス。来場者の目を引いていたのは小籠包のモチーフで、食べ物プリントはプニュズの定番だ。一見するとジャンルに統一性がないようだが「一概に"ぽっちゃり"といっても様々な好みの人がいるので、色々なジャンルの服をそろえるようにしている」という渡辺直美の考えが背景にあるという。新作では着やすさを重視したワンピースやロンパースを豊富に展開しており、"細見え"が期待できる縦ストライプやトップスの丈といった、サイズや着用時の見え方へのこだわりが反映されている。

2017年春夏の新作には様々なジャンルの服がそろう

■太っている人は選べる服が限られていた

 F(フリー)から6Lまでというサイズ展開の広さは、プニュズの特徴のひとつ。これは「以前は太っている人が選べる服が限られていました。暗い色の服が多かったり、値段も高くて。Tシャツにしてもキャッチーなデザインは少なかったんです」という渡辺の経験に基づいている。体型を気にせずおしゃれを楽しめるよう、自らが実際に「着たい」と思うポップなデザインのアイテムを、幅広いサイズかつ手頃な価格で展開。オンラインストアでは、手持ちの服とサイズを比較しながら購入することができるなど工夫されている。

ノンチェリーとコラボレーションしたアイテム

 デザインについては、自身が描いた絵をベースにスタッフと会議を重ね、シルエットや素材などを入念に話し合う。「太ってる人がスタッフにいないので『私だったら着たくない』『着づらいからこうしたい』とか、意見は積極的に出します」。イラストレーターのノンチェリー(NONCHELEEE)の作品をプリントした新作は、渡辺がインスタグラムを通じて存在を知りコラボレーションをオファーしたという。新店舗を出すときは内装の色を決める段階からディレクションするなど、人任せではなくゼロから関わっている。

■プニュズが海外へ?

 お笑いタレントとしても多忙を極める渡辺だが「大変なことも、やり切った方が気持ちいいですよね。でもたまに、吐くんじゃないかという時もありますよ」と明るく笑い飛ばす。「作ったものを買ってもらえて、街で着てくれている人を見かけると本当に嬉しい」と話す顔は、人を喜ばせたいという芸人の精神につながるものを感じさせる。ニューヨークへの短期留学を経験してから海外に出る機会が増えたが、ロサンゼルスやミラノでプニュズの服を着て街を歩くと「どこの服?」と聞かれるという。600万人以上のフォロワーを抱える自身のインスタグラムの人気も影響し、実際にプニュズでは海外からの来店客も徐々に増えている。海外展開の意欲もあるが「まずは海外メディアやポップアップを通じて認知してもらい、セレクトショップなどに少しずつ卸していけるようになれば」と、あくまでも慎重だ。

 プニュズの理想像は「いつでも手が届くブランド」。「私も歳をとっていくので、デザインについて勉強していかないと若い子の流行からどんどん離れていってしまう。私が大人になってプニュズのお客さんも大人になるというよりは、お客さんにはプニュズの服を楽しんで、いずれは卒業していってほしい」という考えだ。誰でも着やすく買いやすいブランドを目指す背景には、「若い子たちがたくさん着られるように」という自らが経験してきた自由なファッションへの望みが詰まっているようだ。

最新の関連記事

Realtime

現在の人気記事

    Ranking Top 10

    アクセスランキング