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ニューバランスが侍ジャパンの新サプライヤーに 野球カテゴリー強化の狙いは?

文・五十君花実

記者会見に登壇した井口資仁 侍ジャパン監督(中央)、久保田伸一ニューバランスジャパン社長(右)、高橋渉NPBエンタープライズ社長

Video by: FASHIONSNAP

文・五十君花実

 ニューバランスジャパンが、野球日本代表「侍ジャパン」の公式サプライヤーに就任した。11月12日に開幕する「ラグザス アジアプロ野球チャンピオンシップ2026」から、侍ジャパンの選手が「ニューバランス(New Balance)」製のユニフォームを着用する。ニューバランスは2023年に大谷翔平選手(ロサンゼルス・ドジャース)と長期契約を結び、2026年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)では公式フットウェアパートナーを務めるなど、野球カテゴリーの強化を進めている。

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侍ジャパンの新ユニフォーム画像
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侍ジャパンの新ユニフォーム画像
侍ジャパンの新ユニフォーム画像
侍ジャパンの新ユニフォーム画像
侍ジャパンの新ユニフォーム画像
侍ジャパンの新ユニフォーム画像

侍ジャパンのホームゲーム用ユニフォーム

Image by: ニューバランスジャパン

 今回の契約では、トップチームからアンダー世代、女子、ベースボール5まで、侍ジャパンの全カテゴリーにニューバランスがユニフォームや練習着、用具を提供する。また、侍ジャパンの頭文字「S」と「J」を組み合わせた新ロゴを作成。選手用ユニフォームに加え、キャップをはじめファンが普段着としても楽しめるアイテムの開発にも力を入れ、野球文化の振興につなげる。なお、侍ジャパンのオフィシャルサプライヤーは、長らくミズノやアシックスが務めていた。

 新ユニフォームは、ホームゲーム用に白地にネイビーのストライプを配したデザインを採用。ストライプは日本野球を未来へとつなぐ「道」を表現し、ネイビーは日本古来の伝統色「褐色(かちいろ)」に着想を得たという。ビジターゲーム用は、侘び寂びの美意識や知性、品格を表現するとともに、ニューバランスのアイコンカラーでもあるグレーをベースにした。新ユニフォームやキャップは10月20日から、ニューバランス公式オンラインストアや一部直営店で販売する。

「野球も柱の一つに」 スポーツとカルチャーで描く成長戦略

久保田伸一ニューバランスジャパン社長のポートレート

久保田伸一ニューバランスジャパン社長

 ニューバランスは2023年の大谷選手との契約以降、今春はWBCオフィシャルフットウェアパートナーに就任し、日本では横浜DeNAベイスターズの牧秀悟選手らとのアスリート契約を発表。今回新たに侍ジャパンのオフィシャルサプライヤーに就任するなど、野球カテゴリーへの投資を進めている。久保田伸一ニューバランスジャパン社長に、その狙いを聞いた。

⎯⎯ニューバランスジャパンの売り上げ全体に占める、現在の野球カテゴリーの比率は。

久保田伸一ニューバランスジャパン社長(以下、久保田):まだまだ非常に小さいです。大谷選手のシグネチャーコレクションで販売しているライフスタイルのアパレル製品などを含めると一定の規模になりますが、純粋に野球をする際に使うウェアや用品だけで考えると、規模はとても小さい。

 ニューバランスジャパンの売り上げは、現在ライフスタイルが約4割、スポーツ用途のパフォーマンス製品が約6割です。今後もこの比率を大きく変える考えはありませんが、スポーツカテゴリーをもっと成長させていくために、それぞれのスポーツにより深く根を下ろしていきたい。今回はご縁があり、野球に取り組むことになりました。

⎯⎯ニューバランスがパフォーマンス領域で強いのはランニングですが、野球をランニングに続く柱に育てていく考えですか。

久保田:現在、日本市場で注力しているスポーツカテゴリーは、ランニングのほかにゴルフ、サッカー、野球があります。その中でも野球は一番後発で、規模も最も小さい。ゆくゆくは野球も柱の一つになっていけばと考えています。グローバルでも、日本を含むアジアの一部と、本国である米国では野球カテゴリーの成長に期待しています。

⎯⎯野球分野には、直近まで侍ジャパンのユニフォームを手掛けていたミズノをはじめ、歴史ある競合メーカーがいくつもあります。ニューバランスだからこそ提供できる価値は何ですか。

久保田:選手に対するサポートや、よりパフォーマンスを伸ばすための製品開発をしっかり進めていきたい。同時に、野球文化全体の振興にも深く取り組みたいと思っています。観戦ウェアや野球からインスパイアされたカジュアルウェアなど、さまざまな形で野球を身近に感じてもらえるような取り組みです。ニューバランスは「スポーツとカルチャーの交差点」を大きな主題にしているブランドですから、野球文化にも新たな一面をもたらしていきたい。

 日本の野球界全体としても、野球文化の振興をもっと深めていきたいという考えがあったと聞いています。そうした考えが一致し、今回、複数社の中からニューバランスをサプライヤーとして選んでいただきました。

⎯⎯どのように野球を日常生活に広げていくのでしょうか。

久保田:一番身近なのは、帽子(ベースボールハキャップ)だと思います。野球帽を侍ジャパンの試合のときだけではなく、普段からかぶるようになれば、それだけでも野球との距離は縮まる。本人が野球と意識していなくても、そういうことが積み重なって、野球文化の振興に少しずつつながっていけばと思っています。

侍ジャパンの新ユニフォームのイメージ画像
侍ジャパンの新ユニフォームのイメージ画像
侍ジャパンの新ユニフォームのイメージ画像

新ユニフォームのイメージヴィジュアル

Image by: ニューバランスジャパン

⎯⎯観戦する楽しみとして野球が人気となる一方、日本では少子化が進み、部活のあり方も変わるなど、野球をする子どもを取り巻く環境には多くの課題があります。

久保田:事業としては、全ての世代の、野球をプレーする人も、観て楽しむ人も対象にしていきたいと思っています。一方で、今の時代は子どもが野球をするにあたって、道具の経済的な負担や場所、親御さんの送り迎えなど、本当にさまざまな障壁があります。まだ具体的なアイデアがあるわけではありませんが、将来的にはそういったところも少しずつサポートできる環境を作れればと思っています。今回の侍ジャパンとの契約も短期契約ではないので、できるだけ時間をかけて取り組んでいきたいです。

⎯⎯2023年の大谷選手との契約は、ニューバランスの日本での売り上げを大きく押し上げましたか。

久保田:大谷選手の影響を測ることは非常に難しい。大谷選手のシグネチャーコレクションの売り上げは明確に測ることができますが、ブランドの認知度が上がったことによる間接的な売り上げがどれだけ伸びたのかは測り切れていません。

 ここ数年はブランド自体も順調に伸びてきたので、どこまでが大谷選手によるものなのかを正確に測ることはできません。ただ、大谷選手のシグネチャーコレクションというカテゴリーで、一つの柱が立ったことは間違いありません。

新ユニフォームを身につけた井口監督の画像

新ユニフォームを身につけた井口監督

Image by: ニューバランスジャパン

⎯⎯ニューバランスはここ数年、毎年20%ほどの高成長をグローバルで続けており、2025年12月期の売上高は92億ドル(約1兆4543億円)でした。今後の成長をどう考えていますか。

久保田:過去5年間、日本もそれ以外の国・地域も、ほとんどのリージョンが年率約20%の成長を続けてきました。ただ、これはずっと続くものではありません。一度足元を見直して、さらに質を高め、次の成長に備える時期に入ってきていると思っています。これまで一生懸命頑張って貯金してきた分を全部引き出したら、また貯金しないといけない。ここからは、しばらく貯金する時期かなと感じています。

 今後、ブランドとして改めて足元を固めていく中で、今回の侍ジャパンとの取り組みのように、スポーツの中により深く入っていくことは大きな意味を持ちます。われわれが目指す「スポーツとカルチャーの交差点」というあり方をさらに磨いていく。アスリートが本当に使っている製品としてブランドの価値を築き、その上でライフスタイルにアレンジした製品を展開し、コマーシャルベースで成果を出す。それが目指すべき姿だと思っています。

最終更新日:

文・五十君花実

Hanami Isogimi

FASHIONSNAP ディレクター

1983年愛知県出身、早稲田大学政治経済学部卒。繊研新聞記者、WWDJAPAN副編集長、編集委員を経て、25年10月から現職。山スキー、登山、ラン、SUPを愛するアウトドア派。ビジネスからクリエイション、ライフスタイルまで、多様な切り口でファッションを取材。音声、動画、コミュニティーなど、活字以外のアウトプットも模索中。

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