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　同社はデジタル化が進む現在、若年層を中心にサブスクリプションやシェアリングサービスなどといった「サービスそのものを楽しむ消費スタイル」＝「リキッド消費」が拡大傾向にあることを受け、リアルとオンラインを融合させ、タイムパフォーマンスや高い体験価値を重視した店舗づくりを目指した。コトやトキ（瞬間）消費を楽しむ消費行動に合わせて、化粧品というモノだけでなく、コト体験を通じて店舗で過ごす時間を楽しむことができる“ビューティアトラクション”を展開する。　店舗デザインでは、化粧品への関心度に関わらず、誰もが入店しやすく居心地の良い空間を演出するため、グレーとダークブラウンを基調とした落ち着きのある洗練された雰囲気に仕上げた。すべてのお客が思い思いの時間を過ごすことができる“パートナーフレンドリー”な空間を目指すという。パートナーフレンドリーの仕掛けとして、性別・年代を超えたパートナーとのシェアコスメを提案するスペース「コスメウィズユー（Cosme ｗ/U）」を常設する。　ギフト特化型コーナー「ギフト ファクトリー（GIFT FACTORY）」には、ラッピングのスペシャリスト（ギフト スペシャリスト）が常駐。AIが、ギフトを送る相手の名前から連想したイラストを描くメッセージサービスや、刻印サービスなどを用意する。ラッピング中はディスプレイにアニメーションが流れるなど、待ち時間を楽しめる工夫も施した。また、スキンケアやメイクなどの化粧品テスターとドレッサーを有料で貸し出す新サービス「コスメ ブヴェット（COSME BUVETTE）」を導入。半個室タイプのドレッサーは車いすやベビーカー帯同のユーザーにも対応し、　世界観や利用可能人数の異なる7種を揃え、1人でも複数人でも化粧品を自由にタッチアップできる。銀座店でも展開している、プロのスタイリストによるシャンプー＆ブローサービス「ブロー バー（BLOW BAR）」も導入。髪質や悩みに合ったシャンプーやトリートメントの提案や、ブローによるヘアスタイリングを体験できる。また、メゾン コーセーが厳選したさまざまなクリエイターの作品を紹介するコーナー「セレクト スタンド（SELECT STAND）」も設置。同コーナーではメゾン コーセーのミッション「美にルールはなく、もっと自由である」という想いを体現し、ビューティにとどまらない多様な作品を取り扱うことで、幅広いカルチャーコンテンツを抱えるハラカドならではの店舗づくりにつなげる。　また、オンラインとオフラインを融合させた顧客体験として、「モバイルオーダー」を用意。購入までの“待ち時間”を極力減らし、より快適でスムーズな購買体験のため、オンラインでの予約・注文・決済システムを構築する。オンラインからカウンセリングの事前予約や当日のウェイティング予約ができ、「KOSÉ-ID」を登録すると商品のモバイルオーダーや各ビューティアトラクションの予約、事前決済もできる。 「エクスプレス カウンター（EXPRESS COUNTER）」では、モバイルオーダーで注文・決済した商品を、接客やレジを挟まずにすぐに受け取り可能。ラッピングを依頼したギフトやモバイルオーダーの注文品を同店の営業時間外でも利用できる「コスメ ロッカー（COSME LOCKER）」も設置する。店頭での購入品を一時的に預けることも可能で、ハラカド店内の買い物を荷物を減らして楽しむことができる。　取り扱いブランドは「コスメデコルテ（DECORTÉ）」、「アディクション（ADDICTION）」、「ジルスチュアート ビューティ（JILL STUART Beauty）」（ライフスタイルアイテムのみ）、「フローラノーティス ジルスチュアート（Flora Notis JILL STUART）」（一部商品）、「プレディア（Predia）」（一部商品）、 「雪肌精」（一部商品）、「スティーブンノル プロフェッショナル（STEPHEN KNOLL PROFESSIONAL）」。Z世代やα世代が気軽にハイプレステージブランドに触れることができるよう、百貨店や専門店に並ぶブランドを中心に揃えた。　そのほか、お客だけでなく、従業員にとっても働きやすい店舗づくりのため、効率的に動けるような接客動線を改めて構築。接客時の身体的負荷を低減するカウンターやドレッサー、スツールなども採用した。お客にブランドや商品の魅力を伝えるビューティコンサルタント（美容部員）が、コア業務である“接客”に注力しやすい環境を整えていく。　命尾氏は「現代の特に若年層は、“デジタル”がもはや欠乏欲求のひとつであると捉えた。逆に言えば、デジタルでほぼ一般化されているモバイルオーダーなどを化粧品店舗に導入することは大きなポテンシャルであると考えている。併せて、店舗ならではの体験もより多様に広げながら、価値の高いものにしていく必要がある。有料ドレッサーでは気になっている化粧品を友だちやパートナー、もしくは一人でも自由に試し、自撮りも楽しめる。若年層の消費行動に寄り添いながらこれまでと一線を画した店舗を目指しながら、新たなコンテンツで幅広いお客との接点としたい」と期待を寄せた。今回の店舗作りは、「シグネチャーアクティビティ、パートナーフレンドリー、エクスクルーシブなMD、DX、この4つの要素を基礎にコンテンツを構想した」という。具体的な施策として「コスメ ブヴェットでは、ベストコスメなどの定期的なプロモーションや、サブスクリプションサービスなどを行っていく予定だ」と語った。

KOSÉ

Beauty

メゾン コーセー 原宿の新店舗が8月オープン　“パートナーフレンドリー”な空間で実験的なコンテンツを展開

　三越伊勢丹リモートショッピングアプリは三越伊勢丹のWEB会員のみを対象とし、チャットでの接客を受けた後にさらなる商品説明が必要な場合に、オンライン接客サービスを利用できる。チャットは気になるショップを選択するとショップの販売員と会話ができる仕組みとなっており、予算や好みのブランド・系統や着用サイズ、身長などを元に、販売員が商品を提案。気に入ったアイテムはチャットの画面からも購入することができる。接客を担当するのは伊勢丹新宿店で正社員として働く販売スタッフ50人。将来的には増員する予定で、オンライン接客を専任で行う「デジタルスタイリスト」の導入も視野に入れているという。チャットおよびオンライン接客サービスの利用料は無料。　アプリではEC掲載商品だけではなく、店頭限定商品も取り扱う。現在は伊勢丹新宿店の婦人服や紳士服、時計、宝飾品など14売り場を対象としており、今後は家具や食品などカテゴリーを拡大する予定だ。　同社ではこれまでにもLINEやZoomを使用したオンライン接客を実施してきたが、クレジットカードの番号が直接聞けないなど動線がスムーズではなかったという。今回は1つのアプリ内でチャットによる会話や動画接客、決済までが可能になったため、顧客側の手間を省くことができた。また、ブランド側も撮影準備や採寸、原稿作成、EC商標登録などのステップを踏まずに、販売員のオンライン接客を通じて商品購入につなぐことができることがメリットになっているという。アプリの目標ダウンロード数などは非公開としているが、今後は三越日本橋本店や三越銀座店での導入も検討している。

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